掲載開始日:2018年10月9日更新日:2022年12月2日

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平成30年度第1回宮崎県公共事業評価委員会審議録

1.開催日

平成30年8月27日(月曜日)

2.場所

自治会館3階大会議室

3.出席者

  1. 委員
    • 委員長:谷口義信
    • 委員:緒方哲也
    • 委員:川瀬隆千
    • 委員:柴田志摩子
    • 委員:嶋本寛
    • 委員:平奈緒美
    • 委員:谷口由美繪
    • 委員:鳥山純代
    • 委員:村上啓介
  2. 執行部局
    • 環境森林部森林経営課
  3. 事務局
    • 県土整備部技術企画課

4.審議事業

環境森林部所管事業における公共事業事前評価について

事業名

市町村名

箇所名

林道事業

椎葉村

古枝尾・向山線(PDF:294KB)

5.審議結果

環境森林部所管事業における公共事業事前評価の審議結果について次の事業については、評価の内容及び方針は適当である。

  1. 林道事業古枝尾・向山線

6.審議録

環境森林部公共事業事前評価

(1)林道事業古枝尾・向山線(椎葉村)

  • 委員
    森林作業道、林業専用道、林道以外の作業路が非常にずさんな形で道がつけられて伐採がされているというのが実情ではないかと思うので、作業路も図に入れて注意を喚起して欲しい。

  • 作業路については、事業体が施業するもので、林道、林道専用道、森林作業道と違い作業をするための道路である。いろんな現場があるので、確かに事業体によってはちょっと荒っぽいのではないかということもある。ただ、来年度から今検討されている森林環境譲与税を活用した新たな森林経営管理システムがスタートする予定になっており、管理されない森林を市町村が管理していくが、市町村が管理できない森林を意欲と能力のある林業事業体に委託することになる。その林業事業体は、今年県で選定する。また、伐採搬出マニュアルを県のほうで策定するようになっているので、来年度以降、より厳格に対応できる事業体がやっていく傾向は上がっていくと思っている。
  • 委員
    対象地の国有林、県有林、私有林の割合は。

  • 529haあり、全て100%民有林。
  • 委員
    買収は済んでいるか。

  • 基本的に林道は用地の買収は行わず、提供ということになり、用地については、特に問題はない。
  • 委員
    理想的な山づくりで機械化されているということであるが、それだけ機械化されると山が荒れるということで、業者にももっと細かい規制を入れないと、せっかくの山が崩れたりすることが懸念されるが、その辺はどうか。

  • 先ほど御指摘があったとおり作業路についても図面での表示をきちっとやって、そこの管理意識を高めたらという提言をいただいたところである。県で工事をしても管理は市町村に引き渡すようになっているので、維持管理を適正にやることと、責任ある行動をとれる事業体への管理ということについても、県としても、指導していきたいと考えている。
  • 委員
    ここの森林の所有者は全部村内か。

  • 一部熊本の所有者がいるが、主には椎葉の所有者である。あと、緑資源機構が所有面積としては一番多く、それ以外は椎葉の集落の所有も多くなっている。
  • 委員
    幅員が3mと4mと書いてあるが、基本線形を見ると、非常に急なカーブが多い。林道を通る重機だとか大型トラックの通行は大丈夫か。

  • 林道のカーブの拡幅等は、林道規程に基づいて設計するので、大型トラックも問題なく通行できる。例えば4mの幅員でカーブを設定するにしても、大型トレーラーが回れる範囲内のカーブで設定する。ただ、林道の場合にはかなりカーブが多く入るが、それは山を壊さないために、山並に沿っていくためで、町道とか県道に比べれば、設計はかなりくねくねとした印象を持たれるかとは思う。
  • 委員
    非常時の迂回路となっているが、新しい道ができたら、恐らくその集落の方はこっちをたくさん利用するとすれば、大型車と離合することで事故とか新たな問題もあるかと思ったが、規程があるということなら理解した。
    この区間9キロの工期が10年となったら、それまでの間に高齢化が予想されるので、やるのであれば急いだほうがいいということを思ったのが一つと、椎葉は災害があったときに常に孤立する。例えばドクターヘリでなくても良いが、何かそこに来て、そこから先は道が閉ざされても、道路を使うことができる空き地というか広場みたいなものをつくっておくとか、そういうのはないのか。

  • 林道については、公道と位置づけられているので、道路構造令、それから林道規程など国が定めた規定に基づいて行うので、開設後、地元の村のほうで舗装、ガードレール、待避所などを規程に基づいて全部設置するようにしている。林道工事の場合には、山を削る量が多いので、多くの残土を処理する必要がある。その残土を処理したところが林業施業地というような形で土場に利用することがある。この残土処理場の利用については、例えば、地元からそういったヘリポートだとか、避難時の場所として活用したいという申し出があれば協議をして、緊急時に活用するといったことも可能ではないかと考えている。
  • 委員
    整備期間10年というのは。

  • 9,000mのうち半分が村道、それから作業道が入っているので、全部9,000mが起点から終点まで抜けなくても、使えるところは使っていく。手前の古枝尾集落から水無集落については恐らく4~5年で開通するのではないかと思っている。林道の開設実績から言うと、10年というのは早いほうである。
    それから、先ほど10年後に住民の方がどれだけ残っているかということであったが、調べたところ、椎葉村の場合のこの集落の帰村率は20%から30%ということになっている。ただ、本当に人が残っているかどうかというのは、なかなか予測しがたいが、森林自体は存在して、これを循環させていくということになると、山は永遠に管理していかなければいけないため、管理する道路としては必要であると考えている。
  • 委員
    森林は、人はいなくなっても守らなければ、国土保全という大きな使命があると思う。だから、設ける、設けないとは別の観点の保全というか、管理していくという視点も、必要ではないかという気はする。
  • 委員
    林道は側溝はつくのか。

  • 林道は通常側溝を設ける。舗装をした場合には側溝のかわりにガッタ―をつけることにしている。
  • 委員
    両側につくのか。

  • 片方である。
  • 委員
    大体どのぐらいの計画溝に対してどのぐらいの流量を流すのか。

  • 流量を測定するとき、一番小さいものは10年確率である。
  • 委員
    ここはどのぐらいか。

  • 同じく10年確率である。横断溝も設置する。
  • 委員
    横断溝を設置し、下に流す。それをやると、土砂災害が周辺で起きやすくなる。過去、椎葉村の別の場所で災害があった。今回これをどうしようという話ではないが、こういう林道も普通の道路もだろうが、災害が大きくクローズアップされて、雨の降り方も変わってきてるというようなことで、見直しをするような議論はないのか。

  • まず、通常工事をする場合には、側溝がない場合は側溝を入れて、一定間隔で必要なところに横断溝を設けるが、その横断溝にたまった水を森林内に排水するときには、例えば、下に布団かごみたいなものを置いて、1回ワンクッションおいて散らして流す。あるいは、谷のほうに水を寄せて流すという工夫は行なっており、横断溝で流す場所については、極力配慮している。
    それから、もう1点の集中豪雨が局地的に非常に多くなったというようなことで、横断溝等の径を決める雨量強度が10年確率ということであるが、ポイントポイントでの雨量強度が時間当たり100ミリ超える事例が多くなってきたので、今後の検討が必要になっているのではないか、議論としてはあるのではないかと思っている。
  • 委員
    これは今から詳細設計をするのか。もう詳細設計は終わっているのか。

  • 実施設計は、今年している。
  • 委員
    設計の中で、例えば横断溝を入れるピッチを少し工夫するとか、地質に応じて、あるいは線形に応じて工夫するとか、そういうことをやっていく必要があるのではないかと思う。

  • 特に排水処理については、実施設計の段階で十分配慮・工夫していきたいと考えている。
  • 委員
    横断溝の排水は規程では何メーター置きに入れることになっているのか。

  • 林道技術基準では、50m~100mに1箇所程度となっている。
  • 委員
    横断溝は、尾根部で排水するようにする。谷部で排水するとますます流量をふやすような、RAシート流量とかを増やすことになるから、極力尾根部のところで横断排水はするように、それで地下浸透の負荷を少なくするというように言っている。

  • 御指摘のとおり、谷部でなくて尾根部で排水することによって、分散排水となり、流量を半分にできるので、そういった点については非常に重視していきたいと考えている。
  • 委員
    ここは耳川流域である。耳川は連携排砂で土砂を下流に流していいのは流すことがもう始まっている。上から出てくる濁りが流域に問題を起こす。こうやって林道をどんどん切っていって、雨が降って、それが耳川に入っていって、濁りが長期化するというようなことになると、耳川連携排砂の評価を含めて今やっているが、こういった問題が、今後発生する可能性があることも念頭に置いて林道整備をやらないと、片一方で一生懸命河川のほうで頑張って、片一方では発生源を一生懸命つくっててというような話になってしまわないように、工夫もしていただきたいと思う。かなりの部分が上流の耳川の支流あたりからもどんどん出てくる。発生源をまた増やすようなことにならないように、麓にある林道の管理とちぐはぐにならないような工夫をしていただきたいと思う。

  • 林業用の道路については、一番上流に近いというようなことであるので、下流部等に対する配慮についても、土木的な見地からも十分配慮していきたいと考えている。
  • 委員
    高齢化であるとか、濁水の問題とか将来に不安があるところでもある。一方で、美しい森林というか、国土保全というか、きれいな森林なんていうのは目の保養、そのようなところもあるかと思う。この地域の焼き畑であるとか農業遺産であるとかというような場所が出てきたが、例えばこういった観光とかの使われ方みたいなことはできないものなのか。

  • 終点の向山日添集落については焼き畑もあり、付近にお寺もある。当然村としては農業遺産での観光誘客というところも含んで、この林道計画を意識している。民宿等もこの終点付近にはあるので、世界農業遺産での観光誘客というところでは非常に重要な整備という位置づけである。
  • 委員
    開設後は市町村というか、地元のほうに管理をお願いするということなので、そういったことは地元のほうで何か考えているのではないかと思うが。

  • 林道を管理する上での特に地域の集落の生活道としての位置づけは、きちっとチェックしているところであるが、観光計画というところまでは林道サイドのほうでの位置づけはされてない。しかし、当然村としては、今後現在利用している村道にかわって林道がほとんど使われるということになると、十分そこを視野に入れて検討していくと思っている。
  • 委員
    総事業費15億9,200万円、全体延長9,000mだと1メーター当たりは幾らになるか。

  • 9,000m分で一遍で出しているので、1m当り平均17万7千円ということになる。
  • 委員
    椎葉にしては安いのでは。

  • 村道や作業道を拡幅する部分は、10万円程度の工事費となる。切り取りで30万円かかるところもあれば、10万円以下のところもあるので、全体計画で見通したところそうなっている。17万7千円というのは、椎葉村にしては安いほうになる。
  • 委員
    かなり地形的に厳しいところである。それから、ここは秩父帯になるのか、どこか境ぐらいだと思う。ここは構造線が通っているか。

  • 構造線はちょうど林道を横切っている。
  • 委員
    地質的にはかなり危ないような気もするところであるので、工事は慎重にやらなければいけないと思う。

  • 構造線の部分については、既設の作業道があるので極力それを利用する線形となっている。そこをつなぐ形で極力既設を利用する形で計画している。
  • 委員
    崩壊の前兆は出てないか。

  • 今のところそういった報告はない。
  • 委員
    予備調査のとき、やっぱりそこは十分考慮しておかないと、そういう意味でちょっと17万円とかいうのは安いかなと思う。
    評価シートの3.事業による効果のところにある、森林利用施設というのは具体的にはどんなものか。

  • 森林利用施設等については、森林内のキャンプ場等といったレクリエーション施設になるが、この一帯には、キャンプ場等はないので、評価点には加点できなかった。
  • 委員
    ここの保安林は100%水源涵養か。

  • 全体のうち水源涵養保安林が23%、それから山地災害防止機能、土砂保全機能の分が4%となっている。主に水源涵養保安林である。
  • 委員
    既設の道は合わせて何mあるか。

  • 全体延長9,000m(新設4,588m、改築4,412m)となっているが、このうち、村道部分が1,628m、作業道が2,784mとなっている。
  • 委員
    そろそろ伐採できる森が半分ぐらいあるということであったが、そうすると、10年間これからかけてつくる間は、今の既存の道を使って木材を運ぶのか。

  • はい。開設して利用できる箇所は利用して入っていくが、今度の開設でできない部分は既設の作業道を使って搬出ということになるかと思う。基幹路線が抜けていないので、本格的な伐採というのは、この基幹路線が抜けてからということになるかと思う。
  • 委員
    10年とは言わないかもしれないが、もうしばらくたたないと、大がかりにはできないということか。

  • はい。ただ、計画自体は今後を見越して村としての計画を申請してきたということである。標準伐期で宮崎のスギの場合、35年成長になる。35年以上も50%近くあるが、10年後ぐらいに伐採が本格的になるというふうに、村としては見込んでいるということである。
  • 委員
    着工可ということで、結論を出します。

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