掲載開始日:2018年5月30日更新日:2018年5月30日
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2019年1月から5月までの天気の傾向を解析した結果では、
2019年はエルニーニョ現象の影響を受けており、気温が高い傾向になっていましたが、4月は平年に近い天候になり、5月は後半気温の急上昇、大雨被害が起きていますので、今後の傾向が気になります。
5月24日に気象庁から九州南部の3か月長期予報が発表されましたので、その解説をするとともに、1か月予報も解説します。
表現 |
低い(少ない) |
並 |
高い(多い) |
---|---|---|---|
出現率 |
30(%) |
40(%) |
30(%) |
意味 |
平年値と比較して、どの出現率が高いかを表現する |
気温 |
30 |
30 |
40 |
---|---|---|---|
6月 |
20 |
30 |
50 |
7月 |
40 |
30 |
30 |
8月 |
40 |
30 |
30 |
降水量 |
20 |
40 |
40 |
---|---|---|---|
6月 |
40 |
30 |
30 |
7月 |
20 |
40 |
40 |
8月 |
20 |
40 |
40 |
3か月の平均で、平年並かやや高い予想です。月別では、6月は平年より高い傾向、7月、8月は平年並かやや低い傾向になります。
この要因は、エルニーニョ現象発生が発生している時、冬は暖冬に、夏は冷夏、長雨になりやすいことが分かっていますので、その傾向を反映していると考えます。
ただ、6月の気温はやや高いとしている点が気になりますが、梅雨前線の活動が弱く、移動性高気圧に覆われることが多く、晴天になりやすい。さらに高気圧が日本の東に移動した時、動きが遅くなり、南から暖かい空気が入り、気温上昇につながることがあるためと考えています。
宮崎地方でも、同じような傾向になってくることが予想されますが、4月、5月と気候変動の大きい傾向が見られてきましたので、気温の変化、雨の降り方には注意してください。特に、沿岸部では、日中、東よりの風の影響で気温上昇が抑えられることがあります。
また、梅雨入り後、前線の北側に位置する時、東よりの風の影響で、気温が上がらない傾向や沿岸部での大雨が発生しやすくなります。
3か月の平均では、平年並みかやや多い予想です。月別では、6月は平年並みかやや少ない、7月、8月は平年並みかやや多い予報になります。
この要因は、6月は気温の中で解説したとおりです。7、8月は、梅雨明けが遅くなる傾向と梅雨明け後の太平洋高気圧の勢力がやや弱く、九州付近は西の端にあたるため、南からの暖湿空気が入りやすいとみているからです
気温 |
10 |
30 |
60 |
---|---|---|---|
降水量 |
30 |
40 |
30 |
日照時間 |
30 |
40 |
30 |
気温は、平年より高い(203050)。週別では、5月25日からの1週間は平年よりかなり高い予報、6月1日からの1週間は平年より高い予報、6月8日から2週間も平年より高いの予報になっています。
降水量、日照時間とも平年並みとなっています。要因は、移動性高気圧が通過した後、南から暖かい空気(真夏並み)が入りやすいとみているためです。
昨年秋からエルニーニョ現象が発生していますが、今後も夏頃までは継続するとみられています。このため、宮崎地方のこの夏は、気温が平年並みかやや低い傾向に、降水量はやや多い、日照時間はやや少ないことが予想されます。
また、太平洋高気圧の西への張り出しが弱い予想になれば、台風の接近、上陸の可能性も平年より高くなる可能性があるため、注意が必要です。
宮崎地方では、夏場の農作物の生育環境として、ラニーニャ現象よりもエルニーニョ現象の方が条件が良いと考えていますので、今後の動向に注視しています。なお、平年の梅雨入りは、5月31日ですが、今年は平年並みかやや遅れる可能性があります。
総合農業試験場企画情報室村岡精二(気象予報士)
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