掲載開始日:2020年12月24日更新日:2020年12月24日
ここから本文です。
2020年の1年間を総括すると次のようになります。
以上のような天候でしたが、気温の変化が大きく、気温が高めの傾向の中4月と7月が平年より低くくなっていたことや最低気温(夜温)が平年より2℃前後高い状態が年の前半続いていました。
さらに、今年は台風の上陸はなかったものの、台風10号の接近で、かなりの影響が出ていたことや沿岸部で塩害が発生していたことが上げられます。
11月25日に3ヶ月長期予報(12~2月)が発表されましたので、その解説と今後の傾向についても触れておきます。
表現 |
低い(少ない) |
並 |
高い(多い) |
---|---|---|---|
出現率 |
30(%) |
40(%) |
30(%) |
意味 | 平年値と比較して、どの出現率が高いかを表現する |
たとえば、平年並みが予想される場合は上記の表現になります。左の30は平年よりも低い(少ない)傾向、右の30は平年よりも高い(多い)傾向と表現されます。40は平年並みの気温ということになります。
気温 |
40 |
30 |
30 |
---|---|---|---|
12月 |
30 |
30 |
40 |
1月 |
40 |
40 |
20 |
2月 |
30 |
40 |
30 |
降水量 |
40 |
40 |
20 |
---|---|---|---|
12月 |
40 |
40 |
20 |
1月 |
40 |
30 |
30 |
2月 |
30 |
40 |
30 |
1.3か月予報の解説(12月~2月)
3か月の平均で、平年並みかやや低いの予想です。月別では、12月が平年並みかやや高い、1月が平年並みかやや低い、2月は、平年並みと予想されています。
このため、気温は、これまでの平年よりやや高い傾向が解消し、次第に気温が平年並みになり、さらに12月入ると平年を下回る気温に、さらに1月は平年よりやや低い予想ですから、かなりの寒さが予想され、2月も同じ傾向になっています。
この3年、平年より高い気温で、暖冬になっていましたが、今年は一変して厳冬になる予想になりましたので、農作物の温度管理は、重要になってきます。
実際の12月の気温変化は、前半、平年並みかやや高い傾向になっていましたが、中旬以降次第に気温低下が顕著で、平年を下回る状態になってきています。
この気温が次第に下がってきた要因はラニーニャ現象が発生したため、北からの寒気が入りやすい傾向が出てきているためです。
ラニーニャ現象に伴って、偏西風が日本付近で、南に蛇行するため、寒気が入りやすくなってきます。(昨年は、これの逆で、エルニーニョ現象に伴い、日本付近に暖気が北上しやすい流れになっていました。)
気圧配置の傾向からみると2017年末の年末年始寒波と気圧配置が似てくる可能性がありますので、平年を下回る気温への注意が必要です。
この期間、平年並みかやや少ないとなっています。月別では、12月平年並みかやや少ない、1月が平年並みかやや少ない、2月が平年並みとなっています。宮崎地方の平年並みは、雨量がやや少なく、冬場に向かって冬型が強まり、晴れの日が増えることを示しています。実際に、12月は、21日まで、宮崎市を始め、多くの所で、降水量0mmになっています。
このため、これから1月にかけても、雨が降らない日が多くなってきます。ただし、1月は気温が低いので、沿岸部でも初雪が期待できます。
2020年12月の中旬から、真冬の寒波が襲来し、北日本から日本海にかけて記録的な大雪になっています。本県でも寒さが厳しく、昨年宮崎市では氷点下にならなかったのですが、今季は連続3日氷点下になっていました。山沿いではさらに厳しく、美郷町神門では連続8日間氷点下で、日には、-7.6℃を記録しています。
長期予報では、1月が平年より低い予想になっていますので、やはりラニーニャ現象発生の冬は、厳冬になってくると予想します。農作物の管理、農業施設の保守には、例年以上に、しっかりと寒さ対策をしてください。
なお、厳冬の時は、寒波が波状的に襲来しますので、今後、年末年始、大寒頃に寒波になってくると予想しています。
総合農業試験場企画情報室村岡精二(気象予報士)
宮崎県総合農業試験場 担当者名:企画
〒880-0212 宮崎県宮崎市佐土原町下那珂5805
電話:0985-73-2121
ファクス:0985-73-2127