掲載開始日:2022年6月1日更新日:2022年12月5日

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長期予報(3か月等)

概要

1.2022年9月から2022年11月までの今秋の結果

(1)気温

この期間の平均気温は、宮崎市で21.0℃で平年値の19.8℃より1.2℃高くなっています。月別では9月が26.0℃(+1.3℃)、10月が20.2℃(+0.2℃)、11月が16.9℃(+2.0℃)となっていました。

特徴は、9月と11月が平年よりかなり高い傾向になっていました。特に11月は+2.0℃とかなり高い状態になっていました。

それ以前の6月から8月の夏の気温が平年より+1.0℃高かったのですが、特に8月は+1.6℃高かったです。このように夏の時期から高温傾向が持続していたことが分かります。

(2)降水量

この期間の降水量は、836mmで、平年値673.2mmの124.2%と平年より多くなっていました。月別では、9月は610mm(平年の164.4%)、10月87mm(平年の44.2%)、11月139.5mm(平年の129.3%)です。
特徴は、9月は台風2個の接近上陸があり、集中豪雨が発生したため雨量が多くなったのですが、逆に10月は晴れる日が続いたため、降水量が極端に減少していました。

(3)日照時間

この期間の日照時間は、504.3時間で平年の497.1時間と比べ102.5%と平年並の状態でした。

月別では9月149.5時間で平年の95.5%と平年よりやや少なく、10月198時間(平年の114%)、11月156.8時間で平年の93.9%と平年よりやや短い状態でした。9月は、台風等で雨の日が多かったためで、10月は移動性高気圧に覆われることが多かったためです。

11月25日に3ヶ月長期予報(12~2月)が発表されましたので、その解説と今後の傾向について解説をします。

予報の種類と予報の見方

(1)予報の種類

  1. 短期予報
    2日以内の予報。午前11時に出される予報が、当日、翌日、翌々日の天気予報に該当します。
  2. 中期予報
    7日以内の予報。週間天気予報のことで毎日11時更新。
  3. 長期予報
    1ヶ月、3ヶ月予報。毎月25日前後に出されます。

(2)予報の見方

  1. 1ヶ月予報は、その月を3区分して、気温、降水量、日照時間の3つについて予想されます。
    現在、1981年~2010年の30年間のデーターで平年値が出されています。そのため、たとえば気温、降水量、日照時間は、次の表のように表現されます。
表現

低い(少ない)

高い(多い)

出現率

30(%)

40(%)

30(%)

意味 平年値と比較して、どの出現率が高いかを表現する

たとえば、平年並みが予想される場合は上記の表現になります。左の30は平年よりも低い(少ない)傾向、右の30は平年よりも高い(多い)傾向と表現されます。40は平年並みの気温ということになります。

  1. 3ヶ月予報は、その期間の気温と降水量について、同じ形式で表現されます。

1.3か月予報(11月25日発表)

気温

40

40

20

12月

30

40

30

1月

40

40

20

2月

40

30

30

降水量

40

40

20

12月

30

40

30

1月

40

40

20

2月

40

40

20

(1)気温

3か月の平均で、平年並みか低い予想です。月別では12月が平年並み、1月、2月が平年並みか低いと予想されています。
このように、予報期間を通じて、平年並みかやや低い予想は、昨年に引き続いての予報になります。これは、昨年秋に発生したラニーニャ現象が、現在も続いていることが影響していることになります。
この現象が発生している冬は、冬型気圧配置になることが多く、寒気が南下しやすくなるため、厳冬になりやすいです。
令和4年2月は、平均気温8.9℃よりもー1.2℃低い7.7℃となり、厳しい寒さになりましたが、今回の予報でも、同じ傾向を示していますので、気温の推移に注意が必要です。

(2)降水量

3ヶ月の平均で平年並みか少ないと予想されていますが、月別では、12月が、平年並み、1月と2月が平年並みかやや少ないとなっています。宮崎地方でも、平年並みかやや少ないと予想しています。これは、冬型気圧配置になることが多いため、宮崎地方では、北風による乾燥した空気に覆われるため、冬晴れの日が多くなるためです。

3.全体的傾向

12月当初から、師走寒波となり、一気に気温が真冬並みに低下してきましたが、冬型は長続きしていません。これは、寒気の南下が、一時的になっているためですが、その要因として、8月以降の気温が平年より高い日が多く、西日本では、まだ、下層に温かい空気が残っている状態になっているためだと考えています。
この影響で、今後は、冬型気圧配置型(気温低下)から移動性高気圧型、そして気圧の谷(低気圧)の通過(気温上昇)という流れで、段々と気温が低下し、12月下旬から本格的な寒波になってくるのではないかと予想します。
これまで、気温が高く、しかも最低気温(夜温)がかなり高い状態が続いていますので、急激な冷え込みは、農作物にかなり影響を与える可能性が強いので、必要な対策をしてください

総合農業試験場企画情報室村岡精二(気象予報士)

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