掲載開始日:2018年8月31日更新日:2018年8月31日
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平成30年8月30日現在
今年の夏の特徴として、台風の発生数が非常に多くなっています。8月30日現在21個(平年の年間発生数26個)となっていますから、記録的な多さです。今後も、台風の発生が続く予想ですから、注意が必要です。
気温は、今年の宮崎市では、平年より0.2℃高い27.5℃となっています。日本全体が猛暑日、熱帯夜が続き、日本最高気温41.1℃を熊谷市で記録するなど厳しい夏になっていましたが、例外的に宮崎市は35℃以上の猛暑日がまだありません。
また、7月末には、全国県庁所在地中で、最も低い最高気温を記録した日もありました。やはり、気候変動が大きくなっているのを実感します。
8月25日に気象庁から3か月長期予報が出されましたので、その内容の解説をします。この予報で、今後3か月の傾向を把握してください。
表現 |
低い(少ない) |
並 |
高い(多い) |
---|---|---|---|
出現率 |
30(%) |
40(%) |
30(%) |
意味 | 平年値と比較して、どの出現率が高いかを表現する |
たとえば、平年並みが予想される場合は上記の表現になります。左の30は平年よりも低い(少ない)傾向、右の30は平年よりも高い(多い)傾向と表現されます。40は平年並みの気温ということになります。
3か月平均 |
20 |
30 |
50 |
---|---|---|---|
9月 |
20 |
30 |
50 |
10月 |
20 |
40 |
40 |
11月 |
20 |
40 |
40 |
3か月平均 |
40 |
40 |
20 |
---|---|---|---|
9月 |
40 |
40 |
20 |
10月 |
30 |
40 |
30 |
11月 |
40 |
30 |
30 |
3か月の平均で、平年より高い予想です。月別で、9月は平年並みかやや高い傾向、10月は平年並みかやや高い傾向、11月は平年並みかやや高い傾向の予想です。
この2年(平成28,29年)は、7月の平均気温がかなり高い傾向になっていましたが、今年の7月の宮崎市では、平年値よりも+0.2℃高い程度に収まっています。
ただ、山沿いでは、7月平年よりやや高くなっています。
3か月予報では、期間を通じて平年並みかやや高い傾向との予想ですが、宮崎地方は、平年並みに近い気温になってくる可能性があります。
この要因は、9月に入っても、太平洋高気圧の勢力の強い傾向が残るため、宮崎ではその影響を受ける予想ですが、次第に北からの秋の空気も入るようになり、9月中旬以降に気温が下がってくることが予想されるためです。
3か月の平均では、平年並みの予報です。月別では、9月は平年並みかやや少ない傾向、10月は平年並み、11月は平年並みかやや多い傾向になります。
この要因は、9月に予想される秋雨前線の活動が、やや弱いため、雨量が少ない傾向と予想しています。10月は平年並みで移動性高気圧に覆われることも多くなる予想です。しかし、11月は、やや天候不順が予想されています。
ただ、台風の接近、上陸が予想される場合は、降水量が増えることになりますので台風の動向には注意してください。
やはり台風の動向次第です。最新の1か月予報では、気温が平年並みかやや低いと久しぶりに低い予報に変わってきました。
これは、台風が九州の東側を通過するため、通過後、これまでの暑い空気から秋の涼しい空気が南下してくる形に変わってくるためです。
また、これからは台風とともに、秋雨前線の停滞も予想されるため、天気が愚図つく時期が出てくることになります。昨年は、9月から10月初めに、2回秋雨前線が停滞し、日照不足になりましたが、今年はどうなるのか注目です。
特に、秋雨前線が九州付近に停滞している状態で、台風接近があると大きな気象災害につながる場合が多いため、10月までは警戒が必要です。
総合農業試験場企画情報室村岡精二(気象予報士)
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