掲載開始日:2019年2月1日更新日:2019年2月1日
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この冬は、昨年12月から現在までの気温変化をみますと、12月平年比+1.3℃、1月
が28日現在で+1.5℃と、平年よりも高い気温となっていますので、暖冬傾向がはっきりしています。
また、降水量は、極端で12月が平年の176%(106mm)、1月が平年の32%(20.5mm)になっています。特に、1月は雨の降った日が2日間のみで、少雨傾向が顕著です。
現在、エルニーニョ現象が発生しているため、その特徴の1つである暖冬傾向が西日本でみられています。2月に入っても同じ傾向が続くのか注目しています。
1月25日に気象庁から九州南部の3か月長期予報が発表されましたので、その解説をするとともに1か月予報も解説します。
表現 |
低い(少ない) |
並 |
高い(多い) |
---|---|---|---|
出現率 |
30(%) |
40(%) |
30(%) |
意味 | 平年値と比較して、どの出現率が高いかを表現する |
気温 |
20 |
30 |
50 |
---|---|---|---|
2月 |
20 |
40 |
40 |
3月 |
20 |
30 |
50 |
4月 |
20 |
30 |
50 |
降水量 |
20 |
40 |
40 |
---|---|---|---|
2月 |
40 |
30 |
30 |
3月 |
20 |
40 |
40 |
4月 |
20 |
40 |
40 |
3か月の平均で、平年より高い予想です。月別では2月は平年並みかやや高い傾向、3月、4月は平年より高い傾向になります。
2月の平年並みは、これまで北日本中心に寒気が南下しやすくなっていた気圧配置が、日本全体が寒気に覆われるパターンが出現しやすいことを示しています。
この冬、宮崎ではこれまでの予想どおり平年並みかやや高い傾向になっています。しかし、北日本では偏西風の南への蛇行により、寒気が入りやすいため、平年並みかやや低い傾向となっています。
一方宮崎地方では、3月、4月は春先の気温が高い予想になっていますので、春の農作業準備もやや早くなりそうです。
3か月の平均では、平年並みかやや多い予想です。月別では、2月は平年並みかやや少ない、3月、4月は平年並みかやや多い予報になります。
この要因は、2月は冬型の気圧配置になりやすく、その場合は宮崎地方は、晴れの日が多くなるためです。3、4月はエルニーニョ現象の影響で、やや気温が高く、南海上から湿った空気が入りやすくなり、曇りや雨の日が多くなるためです。
ラニーニャ現象が終息に向かう中、気温はやや高い傾向に。暑い夏が予想されます。
また、降水量はこの期間、やや少ない傾向になる予報です。
気温は、平年より高い。週別では、1月26日からの1週間は平年より高い予報、2月2日からの1週間は平年並み予報、2月9日から2週間は、平年並みかやや高いの予報になっています。
降水量は、平年並みかやや少ない。日照時間は平年並みとなっています。
この冬は、エルニーニョ現象が発生していますので、暖冬傾向が顕著になっています。エルニーニョ現象は、春まで続く予想ですから、天気の方は、やや不順な傾向が出てくる可能性があります。
今後、エルニーニョ現象が春に終息した後、平年の状態になるのか、夏からラニーニャ現象が起きてくるのか注目されます。
ラニーニャ現象が起きると、宮崎地方は暑さの厳しい夏が予想されるため、厳しい
気象条件になる可能性がありますので、注意が必要です。
総合農業試験場企画情報室村岡精二(気象予報士)
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