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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2010年第10号(医療機関向け情報)

第12巻第10号[宮崎県10週(3/8〜3/14)、全国9週(3/1〜3/7)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第10週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は973人(定点あたり28.4)で、前週比91%と減少した。

前週に比べ増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患はインフルエンザ、RSウイルス感染症、水痘であった。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は64人(1.8)で前週比121%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(2.5)の約7割であった。延岡(4.5)、高鍋(2.8)、日向(1.8)保健所からの報告が多く、年齢別では4歳から8歳で全体の約6割を占めた。

細菌性髄膜炎1人が延岡保健所から報告された。患者は10ヶ月の男児で原因菌はPISP(ペニシリン中間耐性肺炎球菌)であった。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核4例が宮崎市・小林・高鍋・中央(各1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    50歳代の女性で肺結核。痰がみられた。
    《小林保健所》
    80歳代の男性で肺結核。
    《高鍋保健所》
    30歳代の女性で疑似症患者。食欲低下がみられた。
    《中央保健所》
    60歳代の女性でその他の結核(結核性胸膜炎)。咳、発熱、呼吸困難がみられた。
  • 3類感染症
    報告なし。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    破傷風1例が宮崎市保健所から報告された。60歳代の男性で筋肉のこわばり、開口障害、嚥下障害がみられた。

全国第9週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は20.0で、前週比94%と減少した。今週増加した主な疾患は流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患はインフルエンザとRSウイルス感染症であった。

流行性耳下腺炎の報告数は3,289人(1.1)で、前週比110%と増加した。例年同時期の約1.4倍である。沖縄県(3.2)、山形県(2.6)、大分県(2.4)からの報告が多く、年齢別では3歳から6歳で全体の約6割を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は34,726人(11.5)で、前週比93%と減少したが、例年同時期の1.4倍と多くなっている。大分県(20.1)、新潟県(19.1)、山形県(17.4)からの報告が多く、年齢別では1歳から6歳で全体の約6割を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核290例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢3例、腸管出血性大腸菌感染症12例
  • 4類感染症
    E型肝炎2例、オウム病1例、テング熱1例、マラリア1例、レジオネラ症5例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢11例、ウイルス性肝炎2例、急性脳炎2例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例、後天性免疫不全症候群11例、梅毒8例、破傷風1例、風疹2例、麻しん5例

月報告対象疾患の発生動向<2月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13

定点医療機関からの報告総数は51人(3.9)で、前月比111%と増加した。昨年2月(2.0)の約2倍と多かった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数32人(2.5)で、前月の約1.1倍、前年の約1.2倍であった。日向(7.0)、宮崎市(3.0)保健所からの報告が多く、男性14人・女性18人で、20歳代が全体の約6割を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数6人(0.46)で、前月と同数、前年の約1.1倍であった。全て女性で、20歳代・40歳代がそれぞれ1人、30歳代が4人であった。
  • 尖圭コンジローマ
    報告数5人(0.38)で、前月の1.7倍、前年の約2.3倍であった。男性3人・女性2人で、20歳代・40歳代・50歳代が1人、30歳代が2人であった。
  • 淋菌感染症
    報告数8人(0.62)で、前月の約1.1倍、前年の約9割であった。男性6人・女性2人で、20歳代が5人、30歳代が1人、40歳代が2人であった。

【全国】定点医療機関総数:967

定点医療機関からの報告総数は3,808人(4.0)で、前月比95%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,980人(2.1)で前月比98%、性器ヘルペスウイルス感染症645人(0.67)で前月比93%、尖圭コンジローマ404人(0.42)で前月比98%、淋菌感染症779人(0.81)で前月比91%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7

定点医療機関からの報告総数は41人(5.9)で前月比91%と減少した。また昨年2月(4.6)の1.3倍と多かった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数20人(2.9)で、前月の約7割、前年の約8割であった。宮崎市(7.0)、日南(6.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数21人(3.0)で、前月の約1.3倍、前年の約3.5倍であった。宮崎市(20.0)保健所からの報告が多く、10歳未満が全体の約9割を占めた。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告はなかった。

全国】 定点医療機関総数:464

定点医療機関からの報告総数は2,301人(5.0)で、前月とほぼ同数であった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,804人(3.9)で前月比98%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症470人(1.0)で前月比111%、薬剤耐性緑膿菌感染症27人(0.06)で前月比120%であった。

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