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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2010年第19号(医療機関向け情報)

第12巻第19号[宮崎県19週(5/10〜5/16)、全国18週(5/3〜5/9)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第19週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,082人(定点あたり33.4)で、前週の報告が連休の影響で少なかったため、前週比127%と増加した。また、前々週(17週)と比較すると、94%と少なかった。

前週に比べ増加した主な疾患は、ヘルパンギーナと流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症であった。

ヘルパンギーナの報告数は47人(1.3)で前週比671%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(0.5)と比較すると約2.6倍であった。中央(4.0)、日向(3.5)、延岡(2.0)保健所からの報告が多く、全て5歳以下の報告で、1歳が全体の約4割を占めた。

流行性耳下腺炎の報告数は103人(2.9)で前週比154%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.5)と比較すると約2倍であった。日向(14.3)、延岡(6.5)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では3歳から7歳で全体の約7割を占めた。

クラミジア肺炎1人が高鍋保健所から報告された。患者は4歳の女児で原因菌はChlamydophila pneumoniae

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核7が宮崎市・都城(各3例)、延岡(1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    • 80歳代の女性で肺結核。咳がみられた。
    • 60歳代の男性で肺結核。咳、痰、呼吸困難がみられた。
    • 70歳代の女性で肺結核。咳、痰、発熱がみられた。
    《都城保健所》
    • 80歳代の男性で疑似症患者。咳、痰、発熱、呼吸困難がみられた。
    • 50歳代の男性で結核性胸膜炎。咳、発熱、胸痛、呼吸困難がみられた。
    • 70歳代の男性で結核性胸膜炎。発熱、呼吸困難、胸水貯留がみられた。
    《延岡保健所》
    • 80歳代の女性で肺結核。咳、発熱がみられた。
  • 3類感染症
    報告なし。
  • 4類感染症
    マラリア1例が宮崎市保健所から報告された。ウガンダに渡航歴のある20歳代の男性で四日熱。発熱、悪寒、頭痛、脾腫がみられた。
  • 5類感染症
    報告なし。

全国第18週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は12.6で、前週比71%と減少した。この減少は連休の影響もあったと思われる。今週増加した疾患はなかった。減少した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核111例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢1例、腸管出血性大腸菌感染症16例
  • 4類感染症
    A型肝炎11例、つつが虫病1例、デング熱1例、マラリア2例、レジオネラ症4例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢6例、ウイルス性肝炎2例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群8例、梅毒4例、風しん2例、麻しん3例

月報告対象疾患の発生動向 <4月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は44人(3.4)で、前月比94%と減少した。昨年4月(3.0)の約1.1倍と多かった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数19人(1.5)で、前月の約7割、前年の約8割であった。日向(4.0)、都城(3.5)保健所からの報告が多く、男性7人・女性12人で、20歳代が全体の約6割を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数5人(0.38)で、前月の約8割、前年の約7割であった。男性1人・女性4人で、10歳代・30歳代・50歳代・60歳代・70歳代以上がそれぞれ1人であった。
  • 尖圭コンジローマ
    報告数3人(0.23)で、前月の約4割、前年の約1.4倍であった。男性2人・女性1人で、20歳代が2人、60歳代が1人であった。
  • 淋菌感染症
    報告数17人(1.3)で、前月の約2倍、前年の約2.6倍であった。全て男性で、20歳代が全体の約半数、30歳代が全体の約2割を占めた。

【全国】定点医療機関総数:959
定点医療機関からの報告総数は4,094人(4.3)で、前月比100%であった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,152人(2.2)で前月比100%、性器ヘルペスウイルス感染症731人(0.76)で前月比107%、尖圭コンジローマ420人(0.44)で前月比100%、淋菌感染症791人(0.82)で前月比93%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は33人(4.7)で前月比89%と減少した。また昨年4月(4.9)とほぼ同数であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数19人(2.7)で、前月、前年の約7割であった。宮崎市(10.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約8割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数14人(2.0)で、前月の約1.4倍、前年の約2.8倍であった。宮崎市(13.0)保健所からの報告が多く、10歳未満が全体の約9割を占めた。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:465
定点医療機関からの報告総数は2,479人(5.3)で、前月比107%と増加した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,973人(4.2)で前月比107%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症479人(1.0)で前月比108%、薬剤耐性緑膿菌感染症27人(0.06)で前月比100%であった。

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