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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2010年第27号(医療機関向け情報)

第12巻第27号[宮崎県第27週(7/5〜7/11)、全国第26週(6/28〜7/4)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第27週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は993人(定点あたり30.9)で、前週比98%とほぼ横ばいであった。

例年に比べ多かった主な疾患は手足口病と流行性耳下腺炎であった。

手足口病の報告数は211人(5.9)で前週比94%であった。例年同時期の定点あたり平均値(3.5)の約1.7倍と多い。日南(16.7)、日向(11.5)、都城(8.7)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では1歳から3歳で全体の約6割を占めた。

流行性耳下腺炎の報告数は109人(3.0)で前週比87%と減少した。例年同時期の定点あたり平均値(1.8)の約1.6倍と多い。日向(16.3)、延岡(7.0)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では3歳から5歳で全体の約半数を占めた。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核7例が宮崎市(3例)、延岡(2例)、日南・高鍋(各1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    • 70歳代の女性でその他の結核(右乳房)。咳、痰、発熱がみられた。
    • 40歳代の男性で疑似症患者。咳、痰がみられた。
    • 90歳代の男性で肺結核。咳、痰がみられた。
    《延岡保健所》
    • 70歳代の男性で結核性胸膜炎。
    • 30歳代の女性で無症状病原体保有者。
    《日南保健所》
    30歳代の女性で疑似症患者。咳、発熱、胸痛、呼吸困難がみられた。
    《高鍋保健所》
    70歳代の女性で肺結核。咳、痰がみられた。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症1例が高鍋保健所から報告された。3ヶ月の女児で血便がみられた。原因菌の血清型はO26(VT1産生)。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    クロイツフェルト・ヤコブ病(古典型)1例が宮崎市保健所から報告された。60歳代の女性で進行性認知症、ミオクローヌス、錐体路症状、錐体外路症状、小脳症状、視覚異常、無動性無言状態、記憶障害、精神・知能障害、痙性対麻痺、筋強剛がみられた。

全国第26週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は18.8で、前週比102%とほぼ横ばいであった。今週増加した主な疾患はヘルパンギーナと手足口病で、減少した主な疾患は水痘と感染性胃腸炎であった。

ヘルパンギーナの報告数は12,601 人(4.2)で、前週比145%と増加した。例年同時期の約1.5倍である。徳島県(9.5)、愛知県(6.9)、大分県(6.7)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約7割を占めた。

手足口病の報告数は9,437人(3.1)で、前週比121%と増加した。例年同時期の約2.3倍である。高知県(12.2)、大分県(11.1)、山口県(9.2)からの報告が多く、年齢別では1歳から5歳で全体の約8割を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核357例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢2例、腸管出血性大腸菌感染症86例、パラチフス2例
  • 4類感染症
    E型肝炎2例、つつが虫病3例、デング熱3例、マラリア2例、レジオネラ症23例、レプトスピラ症1例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢10例、クリプトスポリジウム症3例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群21例、ジアルジア症1例、梅毒8例、破傷風3例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、風疹2例、麻しん14例

月報告対象疾患の発生動向 <6月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は30人(2.3)で、前月比57%と減少した。昨年6月(3.6)の約6割と少なかった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数16人(1.2)で、前月の約7割、前年の約半数であった。日向(3.0)保健所からの報告が多く、男性7人・女性9人で、20歳代が全体の約6割を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数3人(0.23)で、前月の約2割、前年と同数であった。男性1人・女性2人で、全て20歳代であった。
  • 尖圭コンジローマ
    報告数2人(0.15)で、前月の約4割、前年の約半数であった。全て男性で、20歳代・40歳代がそれぞれ1人であった。
  • 淋菌感染症
    報告数9人(0.69)で、前月の約8割、前年の約9割であった。男性7人・女性2人で、20歳代が全体の約4割、10歳代・30歳代が全体の約2割を占めた。

【全国】定点医療機関総数:959
定点医療機関からの報告総数は4,260人(4.4)で、前月比105%であった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,287人(2.4)で前月比108%、性器ヘルペスウイルス感染症725人(0.76)で前月比106%、尖圭コンジローマ461人(0.48)で前月比104%、淋菌感染症787人(0.82)で前月比98%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は45人(6.4)で前月比110%と増加した。また昨年6月(4.9)の約1.3倍であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数31人(4.4)で、前月の1.3倍、前年の約1.1倍であった。宮崎市(11.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数14人(2.0)で、前月の約9割、前年の約2.8倍であった。宮崎市(12.0)保健所からの報告が多く、10歳未満が全体の約7割を占めた。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:464
定点医療機関からの報告総数は2,733人(5.9)で、前月比102%であった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症2,139人(4.6)で前月比108%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症560人(1.2)で前月比87%、薬剤耐性緑膿菌感染症34人(0.07)で前月比70%であった。

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