定点医療機関からの報告総数は699人（定点あたり22.3）で、前週比102％とほぼ横ばいであった。

前週に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎と流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患はヘルパンギーナであった。

感染性胃腸炎の報告数は256人（7.11）で前週比125％と増加した。例年同時期の定点あたり平均値（5.8）と比較すると約1.2倍である。中央（15.0）、小林（13.3）、日南（10.0）保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から3歳で全体の約半数を占めた。

流行性耳下腺炎の報告数は88人（2.4）で前週比124％と増加した。例年同時期の定点あたり平均値（1.8）と比較すると約1.4倍である。日向（12.3）、延岡（6.8）保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では2歳から5歳で全体の約6割を占めた。

手足口病の報告数は139人（3.9）で前週比98％とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点あたり平均値（2.4）と比較すると約1.6倍である。中央（14.0）、日向（11.0）保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では1歳から3歳で全体の約7割を占めた。

• 1類感染症
  報告なし。
• 2類感染症
  結核3例が宮崎市（2例）、都城（1例）保健所から報告された。
  《宮崎市保健所》
  • 80歳代の男性で肺結核。発熱がみられた。
  • 50歳代の男性で肺結核。
  《都城保健所》
  70歳代の女性で疑似症患者。咳、痰、発熱がみられた。
• 3類感染症
  腸管出血性大腸菌感染症3例が宮崎市・都城・日南（各1例）保健所から報告された。
  《宮崎市保健所》
  5ヶ月の女児で水様性下痢がみられた。原因菌の血清型はO91（VT1産生）。
  《都城保健所》
  3歳の女児で水様性下痢、血便、嘔吐、発熱がみられた。原因菌の血清型はO157（VT産生）。
  《日南保健所》
  20歳代の男性で無症状病原体保有者。原因菌の血清型はO103（VT1産生）。
  
• 4類感染症
  報告なし。
• 5類感染症
  梅毒1例が宮崎市保健所から報告された。20歳代の女性で無症状病原体保有者。

• 腸炎・気管支炎の小児からエコーウイルス3型、熱性けいれんの小児からエコーウイルス25型が検出された。
  エコーウイルス3型は7月から、エコーウイルス25型は6月から検出され始め、いずれも髄膜炎から検出されている。
• 急性腸炎の小児からノロウイルスGII型が検出された。

定点医療機関あたりの患者報告総数は17.0で、前週比82％と減少した。今週増加した主な疾患はなかった。減少した主な疾患はヘルパンギーナであった。

ヘルパンギーナの報告数は15,275人（5.0）で、前週比77％と減少した。宮城県（10.6）、山形県（9.7）、新潟県（9.3）からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約7割を占めた。

手足口病の報告数は10,706人（3.5）で、前週比90％と減少した。新潟県（10.5）、高知県（9.4）、福井県（8.9）からの報告が多く、年齢別では1歳から5歳で全体の約8割を占めた。

• 1類感染症
  報告なし。
• 2類感染症
  結核245例
• 3類感染症
  細菌性赤痢2例、腸管出血性大腸菌感染症97例、腸チフス1例
• 4類感染症
  A型肝炎4例、デング熱4例、日本紅斑熱2例、マラリア2例、レジオネラ症27例
• 5類感染症
  アメーバ赤痢4例、ウイルス性肝炎1例、急性脳炎2例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群14例、ジアルジア症1例、梅毒6例、破傷風1例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例、麻しん5例
  

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宮崎県感染症週報2010年30号（PDFファイル / 285KB）

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