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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2010年第33号(医療機関向け情報)

第12巻第33号[宮崎県第33週(8/16〜8/22)、全国第32週(8/9〜8/15)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第33週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は660人(定点あたり22.2)で、前週比116%と増加した。

先週に比べ多かった主な疾患は感染性胃腸炎と流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は水痘であった。

感染性胃腸炎の報告数は247人(6.9)で前週比138%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(5.7)の約1.2倍である。小林(18.7)、中央(14.0)、都城(10.7)保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から3歳で全体の約半数を占めた。

流行性耳下腺炎の報告数は84人(2.3)で前週比129%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.5)の約1.5倍と多い。日向(7.8)、延岡(7.0)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では3歳から5歳で全体の約6割を占めた。

無菌性髄膜炎2人が延岡保健所から報告された。患者は8歳の男児と0ヶ月の女児であった。

クラミジア肺炎1人が高鍋保健所から報告された。患者は70歳代の男性で、原因菌はChlamydophila pneumoniae

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核7例が宮崎市(3例)、延岡(2例)、小林・日向(各1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    • 20歳代の男性で無症状病原体保有者。
    • 50歳代の男性で疑似症患者。発熱、胸痛がみられた。
    • 40歳代の女性でその他の結核(気管支結核)。喘鳴がみられた。
    《延岡保健所》
    • 50歳代の女性で無症状病原体保有者。
    • 20歳代の男性で肺結核。咳、痰がみられた。
    《小林保健所》
    70歳代の男性で疑似症患者。呼吸困難がみられた。
    《日向保健所》
    80歳代の男性で肺結核。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症2例が宮崎市・日向(各1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    60歳代の男性で血便がみられた。原因菌のO血清型はO157(VT2産生)。
    《日向保健所》
    20歳代の女性で腹痛がみられた。原因菌のO血清型はO157(VT2産生)。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢1例が宮崎市保健所から報告された。40歳代の男性で腸管外アメーバ症。発熱、肝膿瘍がみられた。国外での感染と思われる。

全国第32週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は10.5で、前週比78%であった。今週減少した主な疾患はヘルパンギーナと手足口病であった。

流行性耳下腺炎の報告数は3,305 人(1.1)で、前週比88%と減少したが、例年同時期の約1.3倍である。和歌山県(3.7)、香川県(2.4)、島根県(2.3)からの報告が多く、年齢別では3歳から6歳で全体の約6割を占めた。

手足口病の報告数は4,727人(1.6)で、前週比68%と減少したが、例年同時期の約1.1倍である。福井県(5.7)、新潟県(5.4)、徳島県(3.7)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約7割を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核355例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢1例、腸管出血性大腸菌感染症164例、腸チフス2例
  • 4類感染症
    E型肝炎2例、A型肝炎2例、Q熱1例、デング熱7例、日本紅斑熱5例、マラリア4例、レジオネラ症10例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢15例、ウイルス性肝炎2例、急性脳炎1例、クロイツフェルト・ヤコブ病2例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症3例、後天性免疫不全症候群17例、梅毒3例、風疹2例、麻しん6例

月報告対象疾患の発生動向 <7月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は37人(2.9)で、前月比123%と増加した。昨年7月(3.5)の約8割と少なかった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数26人(2.0)で、前月の約1.6倍、前年の約1.2倍であった。日向(5.0)保健所からの報告が多く、男性・女性それぞれ13人で、20歳代が全体の約4割、30歳代が全体の約3割を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数1人(0.08)で、前月の約3割、前年の約1割であった。30歳代の女性であった。
  • 尖圭コンジローマ
    報告数1人(0.08)で、前月の半数、前年の約2割であった。30歳代の女性であった。
  • 淋菌感染症
    報告数9人(0.69)で、前月と同数、前年の約8割であった。全て男性で、20歳代が全体の約4割、40歳代が全体の約3割を占めた。

【全国】定点医療機関総数:958
定点医療機関からの報告総数は4,452人(4.7)で、前月比105%であった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,286人(2.4)で前月比100%、性器ヘルペスウイルス感染症733人(0.77)で前月比101%、尖圭コンジローマ484人(0.51)で前月比106%、淋菌感染症949人(0.99)で前月比121%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は35人(5.0)で前月比78%と減少した。また昨年7月(5.4)の約9割であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数20人(2.9)で、前月の6割、前年とほぼ同数であった。高鍋(6.0)、延岡・小林(5.0)、宮崎市(4.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数15人(2.1)で、前月の約1.1倍、前年の約9割であった。日南(9.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約6割を占めた。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:466
定点医療機関からの報告総数は2,586人(5.6)で、前月比94%であった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症2,084人(4.5)で前月比97%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症461人(0.99)で前月比82%、薬剤耐性緑膿菌感染症41人(0.09)で前月比129%であった。

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