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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2010年第37号(医療機関向け情報)

第12巻第37号[宮崎県第37週(9/13〜9/19)、全国第36週(9/6〜9/12)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第37週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は575人(定点あたり20.7)で、前週比87%と減少した。

先週に比べ多かった主な疾患は咽頭結膜熱と流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は水痘とヘルパンギーナであった。

咽頭結膜熱の報告数は20人(0.56)で前週比125%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(0.65)の約9割である。日南(3.0)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では6ヶ月から1歳で全体の約6割を占めた。全て6歳以下の報告であった。

流行性耳下腺炎の報告数は82人(2.3)で前週比115%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.3)の約1.7倍と多い。延岡(7.0)、日向(6.5)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では2歳から6歳で全体の約9割を占めた。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

※流行性角結膜炎は、平成22年9月10日から流行警報発令中です。(終息基準値:4)

※手足口病は、平成22年6月3日に流行警報開始基準値5を上回ったので流行警報を発令しましたが、第37週において終息基準値2を下回った(1.7)ので、警報を解除します。

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核3例が都城(2例)、日南(1例)保健所から報告された。
    《都城保健所》
    • 70歳代の女性で疑似症患者。ぶどう膜炎がみられた。
    • 30歳代の男性で肺結核。発熱がみられた。
    《日南保健所》
    60歳代の女性で肺結核。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症1例が都城保健所から報告された。1歳の女児で水様性下痢、血便、発熱がみられた。原因菌の血清型はO121(VT産生)。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    報告なし。

全国第36週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は10.1で、前週比99%であった。今週増加した主な疾患はRSウイルス感染症とインフルエンザで、減少した主な疾患はヘルパンギーナと伝染性紅斑であった。

RSウイルス感染症の報告数は568 人(0.19)で、前週比158%と増加した。例年同時期の約1.5倍である。宮崎県(1.4)、佐賀県(1.3)、鹿児島県(1.2)からの報告が多く、年齢別では2歳以下で全体の約9割を占めた。

インフルエンザの報告数は202人(0.04)で、前週比133%と増加した。沖縄県(0.71)、山口県(0.21)、新潟県(0.17)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の23%、6-9歳が17%、10-14歳が15%、15-19歳が6%、20-50歳が28%、60歳以上が11%を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核350例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢4例、腸管出血性大腸菌感染症190例、腸チフス1例、パラチフス4例
  • 4類感染症
    A型肝炎2例、つつが虫病1例、デング熱6例、日本紅斑熱4例、日本脳炎1例、マラリア1例、ライム病1例、レジオネラ症17例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢15例、ウイルス性肝炎2例、急性脳炎1例、クリプトスポリジウム症4例、クロイツフェルト・ヤコブ病3例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群11例、梅毒7例、破傷風1例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、麻しん7例

月報告対象疾患の発生動向<8月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は63人(4.9)で、前月比170%と増加した。昨年8月(4.3)の約1.1倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数37人(2.9)で、前月の約1.4倍、前年とほぼ同数であった。都城(6.0)、日向(5.0)、日南(4.0)保健所からの報告が多く、男性22人、女性15人で、20歳代が全体の約4割、10歳代・30歳代がそれぞれ全体の約2割を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数9人(0.69)で、前月の約9倍、前年の約1.8倍であった。男性4人、女性5人で、20歳代が全体の約6割を占めた。
  • 尖圭コンジローマ
    報告数3人(0.23)で、前月の約3倍、前年の約1.5倍であった。男性2人、女性1人で、10歳代、30歳代、40歳代がそれぞれ1人であった。
  • 淋菌感染症
  • 報告数14人(1.1)で、前月の約1.6倍、前年の約1.2倍であった。男性13人、女性1人で、20歳代が全体の約4割、30歳代が全体の約3割を占めた。

【全国】定点医療機関総数:964
定点医療機関からの報告総数は4,453人(4.6)で、前月比99%であった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,293人(2.4)で前月比100%、性器ヘルペスウイルス感染症746人(0.77)で前月比100%、尖圭コンジローマ442人(0.46)で前月比90%、淋菌感染症972人(1.0)で前月比102%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は38人(5.4)で前月比109%と増加した。また昨年8月(5.7)とほぼ同数であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数32人(4.6)で、前月の1.6倍、前年の約1.3倍であった。日南(8.0)、宮崎市(7.0)、延岡(6.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数6人(0.86)で、前月・前年の約4割であった。宮崎市(5.0)保健所からの報告が多く、1歳から9歳が全体の約8割を占めた。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:468
定点医療機関からの報告総数は2,563人(5.5)で、前月比99%であった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症2,164人(4.6)で前月比103%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症340人(0.73)で前月比74%、薬剤耐性緑膿菌感染症59人(0.13)で前月比144%であった。

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