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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2010年第43号(医療機関向け情報)

第12巻第44号[宮崎県第44週(11/1〜11/7)、全国第43週(10/25〜10/31)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第44週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は677人(定点あたり21.2)で、前週比113%と増加した。

前週に比べ多かった主な疾患はRSウイルス感染症と流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は伝染性紅斑とヘルパンギーナであった。

RSウイルス感染症の報告数は114人(3.2)で前週比143%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.4)と比較すると約2.2倍である。日向(10.0)、延岡(7.3)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳以下で全体の約8割を占めた。全て7歳以下の報告であった。

流行性耳下腺炎の報告数は89人(2.5)で前週比119%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.2)と比較すると約2.1倍である。日南(8.0)、延岡(7.8)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では2歳から6歳で全体の約8割を占めた。

マイコプラズマ肺炎1例が延岡保健所から報告された。11歳の男児で原因菌はMycoplasma pneumoniae

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核1例が小林保健所から報告された。70歳代の女性で肺結核。咳、痰がみられた。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症1例が宮崎市保健所から報告された。2歳の女児で腹痛、水様性下痢、血便、発熱、溶血性尿毒症症候群(HUS)がみられた。原因菌の血清型はO157(VT2産生)。
  • 4類感染症
    つつが虫病1例が都城保健所から報告された。70歳代の男性で発熱、肺炎がみられた。
  • 5類感染症
    • アメーバ赤痢1例が都城保健所から報告された。40歳代の男性で腸管アメーバ症。10年前にアメリカ合衆国へ渡航暦あり(滞在期間不明)。
    • ウイルス性肝炎1例が宮崎市保健所から報告された。10歳代の男性でB型。全身倦怠感、嘔吐、褐色尿、肝機能異常、黄疸がみられた。

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

インフルエンザ検出速報(平成22年11月1日〜11月7日までに検体採取分)

  • 宮崎市、日向、延岡、高鍋保健所管内でインフルエンザA型の報告があった。宮崎市の1例、日向の5例、延岡の1例、高鍋の2例について遺伝子検査を実施した結果、高鍋の1例以外からインフルエンザAH3(A香港型)が検出された。
ウイルス(平成22年10月27日〜11月8日までに分離同定)

  • 手足口病、発疹症の乳幼児からエンテロウイルス71型が検出された。今年、手足口病からは全国的にもエンテロウイルス71型が最も多く分離・検出されている。
  • ヘルパンギーナの幼児からコクサッキーウイルスA2型が検出された。本県では7年ぶりの検出であった。全国では、コクサッキーウイルスA4型に次いでコクサッキーウイルスA2型が多く検出されている。
  • 無菌性髄膜炎の患者からコクサッキーウイルスB2型が検出された。
  • 流行性結膜炎の幼児からアデノウイルス3型が検出された。
細菌(平成22年10月27日〜11月8日までに分離同定)

報告なし。

全国第43週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は10.8で、前週比107%と増加した。今週増加した主な疾患はインフルエンザとRSウイルス感染症で、減少した主な疾患はヘルパンギーナと流行性耳下腺炎であった。

インフルエンザの報告数は728人(0.15)で、前週比125%と増加した。例年同時期の約1割である。北海道(1.1)、沖縄県(1.0)、岐阜県(0.49)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の34%、6-9歳が27%、10-14歳が11%、15-19歳が3%、20-50歳が22%、60歳以上が3%を占めた。

RSウイルス感染症の報告数は1,275人(0.42)で、前週比124%と増加した。例年同時期の約1.6倍である。宮崎県(2.2)、福岡県(1.6)、新潟県(1.3)からの報告が多く、年齢別では2歳以下で全体の約9割を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核326例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢8例、腸管出血性大腸菌感染症38例、腸チフス1例
  • 4類感染症
    A型肝炎3例、つつが虫病7例、デング熱5例、日本紅斑熱1例、マラリア1例、レジオネラ症8例、レプトスピラ症1例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢11例、ウイルス性肝炎2例、急性脳炎1例、後天性免疫不全症候群15例、ジアルジア症2例、梅毒9例、破傷風1例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症3例、風疹1例、麻しん3例

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