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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2010年第45号(医療機関向け情報)

第12巻第45号[宮崎県第45週(11/8〜11/14)、全国第44週(11/1〜11/7)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第45週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は738人(定点あたり22.4)で、前週比106%と増加した。

先週に比べ多かった主な疾患はインフルエンザ、流行性耳下腺炎とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は手足口病であった。

インフルエンザの報告数は31人(0.53)で前週比282%と増加した。日向(3.5)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の58%、6-9歳が26%、10-14歳が13%、20-50歳が3%を占めた。

流行性耳下腺炎の報告数は104人(2.9)で前週比117%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.1)の約2.5倍である。延岡(9.3)、日南(6.7)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では2歳から5歳で全体の約7割を占めた。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は55人(1.5)で前週比128%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.5)とほぼ同数である。延岡(3.0)、日南・日向(2.3)保健所からの報告が多く、年齢別では3歳から7歳で全体の約7割を占めた。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核3例が宮崎市(2例)、高鍋(1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    • 80歳代の女性で肺結核。不明熱がみられた。
    • 70歳代の男性で疑似症患者。
    《高鍋保健所》
    60歳代の女性で疑似症患者。咳、痰、発熱、胸痛がみられた。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症1例が宮崎市保健所から報告された。8歳の男児で無症状病原体保有者。原因菌の血清型はO157(VT2産生)。
  • 4類感染症
    つつが虫病2例が都城・小林(各1例)保健所から報告された。
    《都城保健所》
    80歳代の女性で発熱、刺し口がみられた。
    《小林保健所》
    70歳代の男性で発熱、刺し口がみられた。
  • 5類感染症
    報告なし。

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

ウイルス(平成22年11月8日〜平成22年11月14日までに検体採取分)

  • 日向保健所、延岡保健所、高鍋保健所、都城保健所管内でインフルエンザA型の報告があった。日向の10例、延岡の2例、高鍋の1例、都城の1例について遺伝子検査を実施した結果、日向の10例、延岡の1例、高鍋の1例からインフルエンザAH3(A香港型)が検出され、都城の1例からインフルエンザAH1pdm型(新型)が検出された。

全国第44週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は12.0で、前週比111%と増加した。今週増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はヘルパンギーナであった。

インフルエンザの報告数は942人(0.2)で、前週比133%と増加した。北海道(1.5)、徳島県(0.87)、沖縄県(0.6)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の39%、6歳から9歳が22%、10歳から14歳が11%、15歳から19歳が3%、20歳代から50歳代が20%、60歳以上が5%を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は16,111人(5.3)で、前週比118%と増加した。例年同時期の約1.2倍である。山形県(19.8)、大分県(19.1)、新潟県(11.5)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約半数を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核258例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢1例、腸管出血性大腸菌感染症29例、腸チフス1例、パラチフス1例
  • 4類感染症
    A型肝炎3例、回帰熱1例、つつが虫病3例、デング熱2例、日本紅斑熱1例、マラリア2例、レジオネラ症11例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢11例、ウイルス性肝炎1例、急性脳炎1例、クリプトスポリジウム症1例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、後天性免疫不全症候群15例、梅毒6例、破傷風1例、麻しん1例

月報告対象疾患の発生動向 <10月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は59人(4.5)で、前月比109%と増加した。昨年10月(4.2)の約1.1倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数34人(2.6)で、前月の約1.1倍、前年とほぼ同数であった。都城(7.0)、宮崎市(3.8)保健所からの報告が多く、男性24人、女性10人で、20歳代が全体の約6割を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数7人(0.54)で、前月の約3.5倍、前年の約1.4倍であった。男性3人、女性4人で、20歳代と30歳代が全体の約6割を占めた。
  • 尖圭コンジローマ
    報告数2人(0.15)で、前月・前年の約2倍であった。30歳代の男性と20歳代の女性であった。
  • 淋菌感染症
    報告数16人(1.2)で、前月の約8割、前年の約1.1倍であった。男性15人、女性1人で、20歳代が全体の約4割を占めた。

【全国】定点医療機関総数:967
定点医療機関からの報告総数は4,471人(4.6)で、前月比101%であった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,381人(2.5)で前月比103%、性器ヘルペスウイルス感染症679人(0.7)で前月比103%、尖圭コンジローマ478人(0.49)で前月比104%、淋菌感染症933人(0.96)で前月比93%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は28人(4.0)で前月比78%と減少した。また昨年10月(8.3)の約半数であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数20人(2.9)で、前月の約7割、前年の約6割であった。日向(5.0)、延岡・高鍋(各4.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数8人(1.1)で、前月の約1.1倍、前年の約3割であった。宮崎市(6.0)保健所からの報告が多く、全て1歳から9歳の報告であった。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:466
定点医療機関からの報告総数は2,304人(5.0)で、前月比102%であった。疾患別報告数はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,876人(4.0)で前月比98%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症387人(0.83)で前月比136%、薬剤耐性緑膿菌感染症41人(0.09)で前月比75%であった。

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