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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2010年第48号(医療機関向け情報)

第12巻第48号[宮崎県第48週(11/29〜12/5)、全国第47週(11/22〜11/28)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第48週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,118人(定点あたり34.0)で、前週比130%と増加した。

前週に比べ多かった主な疾患は、伝染性紅斑、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は咽頭結膜熱と流行性耳下腺炎であった。

伝染性紅斑の報告数は25人(0.69)で前週比167%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(0.12)と比較すると約5.8倍であった。高千穂(4.0)、中央(2.0)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では5歳から8歳で全体の約6割を占めた。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は96人(2.7)で前週比145%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(2.0)と比較すると約1.3倍であった。延岡(8.5)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では4歳から6歳で全体の約半数を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は546人(15.2)で前週比134%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(16.8)と比較すると約9割であった。都城(23.7)、高鍋(23.0)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では6ヶ月から4歳で全体の約6割を占めた。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核7例が宮崎市(4例)、日南・高千穂・日向(各1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    • 60歳代の女性でその他の結核(肺結核腫)。
    • 80歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱、呼吸困難がみられた。
    • 90歳代の女性で肺結核。咳、発熱がみられた。
    • 60歳代の女性で肺結核及びその他の結核(結核性胸膜炎)。咳、発熱がみられた。
    《日南保健所》
    80歳代の女性で肺結核。痰がみられた。
    《高千穂保健所》
    70歳代の男性で肺結核。
    《日向保健所》
    70歳代の男性で肺結核。
  • 3類感染症
    報告なし。
  • 4類感染症
    つつが虫病2例が宮崎市保健所から報告された。
    • 20歳代の男性で頭痛、発熱、刺し口、発疹がみられた。
    • 60歳代の男性で発熱、刺し口、発疹がみられた。
  • 5類感染症
    報告なし。

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

インフルエンザ検出速報(平成22年11月29日〜12月5日までに検体採取分)

  • 都城保健所管内でインフルエンザB型の報告があった。遺伝子検査を実施した結果、インフルエンザB型が検出された。B型が検出されたのは今シーズン初めてである。
ウイルス(平成22年11月23日〜12月6日までに分離同定)

  • 9月から12月にかけて分離された2株のインフルエンザAH1pdm(新型)と3株のインフルエンザAH3(A香港型)について、ワクチン株との抗原性の比較を行った。HI試験で調べた結果、新型の分離株はワクチン株と大きな差は見られなかったが、A香港型のうち1株は8倍の差が見られた。
細菌(平成22年11月23日〜12月6日までに分離同定)

報告なし。

全国第47週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は21.5で、前週比114%と増加した。今週増加した主な疾患は水痘、インフルエンザとRSウイルス感染症で、減少した主な疾患はヘルパンギーナであった。

水痘の報告数は5,404人(1.8)で、前週比127%と増加した。例年同時期の約1.3倍である。新潟県(3.2)、大分県(3.1)、青森県(3.0)からの報告が多く、年齢別では1歳から5歳で全体の約8割を占めた。

インフルエンザの報告数は2,113人(0.44)で、前週比126%と増加した。北海道(2.4)、大分県(1.3)、沖縄県(0.88)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の28%、6歳から9歳が28%、10歳から14歳が16%、15歳から19歳が4%、20歳代から50歳代が20%、60歳以上が4%を占めた。

RSウイルス感染症の報告数は2,179人(0.72)で、前週比126%と増加した。例年同時期の約1.4倍である。宮崎県(2.2)、佐賀県(2.1)、福井県(1.9)からの報告が多く、年齢別では2歳以下で全体の約9割を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核267例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢1例、腸管出血性大腸菌感染症29例、腸チフス1例
  • 4類感染症
    A型肝炎2例、つつが虫病17例、デング熱5例、日本紅斑熱2例、日本脳炎1例、マラリア2例、レジオネラ症8例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢9例、ウイルス性肝炎3例、急性脳炎3例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例、後天性免疫不全症候群9例、ジアルジア症1例、梅毒2例、破傷風1例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例、麻しん5例

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