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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2010年第50号(医療機関向け情報)

第12巻第50号[宮崎県第50週(12/13〜12/19)、全国第49週(12/6〜12/12)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第50週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,606人(定点あたり46.2)で、前週比117%と増加した。

前週に比べ多かった主な疾患は、感染性胃腸炎と伝染性紅斑で、減少した主な疾患は手足口病であった。

感染性胃腸炎の報告数は967人(26.9)で前週比152%と増加し、県全体で流行警報開始基準値を超えた。例年同時期の定点あたり平均値(18.3)と比較すると約1.5倍であった。中央(46.0)、日南(42.7)、都城(37.5)、小林(32.3)保健所からの報告が多かった。年齢別では1歳から3歳で全体の約半数を占めた。

伝染性紅斑の報告数は37人(1.0)で前週比168%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(0.13)と比較すると約8倍であった。高千穂・中央(各4.0)、都城(2.7)保健所からの報告が多く警報レベルを超えている。年齢別では4歳から6歳で全体の約半数を占めた。

感染性胃腸炎の集団発生

(第50週 平成22年12月13日〜平成22年12月19日まで)

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核3例が小林(2例)、宮崎市(1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    80歳代の男性で肺結核。
    《小林保健所》
    • 80歳代の男性でその他の結核(結核性胸膜炎)。呼吸困難がみられた。
    • 70歳代の男性で肺結核。
  • 3類感染症
    報告なし。
  • 4類感染症
    • A型肝炎1例が宮崎市保健所から報告された。90歳代の女性で全身倦怠感、食欲不振、肝機能異常がみられた。
    • つつが虫病8例が宮崎市(4例)、小林(2例)、都城・高鍋(各1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    • 60歳代の男性で発熱、刺し口、リンパ節腫脹、発疹がみられた。
    • 50歳代の女性で発熱、刺し口、発疹がみられた。
    • 60歳代の男性で発熱、刺し口、発疹がみられた。
    • 60歳代の女性で頭痛、刺し口、リンパ節腫脹、発疹がみられた。
    《都城保健所》
    70歳代の男性で頭痛、発熱、刺し口、発疹がみられた。
    《小林保健所》
    • 60歳代の男性で発熱、刺し口、発疹がみられた。
    • 60歳代の男性で頭痛、発熱、刺し口、発疹がみられた。
    《高鍋保健所》
    60歳代の女性で発熱、刺し口、リンパ節腫脹、発疹がみられた。
  • 5類感染症
    報告なし。

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

インフルエンザ検出速報(平成22年12月13日〜12月19日までに検体採取分)

  • 都城保健所、宮崎市保健所管内でインフルエンザA型、B型の報告があった。都城の11例、宮崎市の1例について遺伝子検査を実施した結果、都城の9例と宮崎市の1例からインフルエンザAH1pdm型(新型)、都城の1例からインフルエンザB型が検出された。
ウイルス(平成22年12月7日〜12月20日までに分離同定)

  • 流行性筋痛症の小児から単純ヘルペスウイルス1型が分離された。
  • 胃腸炎の乳幼児からノロウイルスGU型が検出された。宮崎県では11月から感染性胃腸炎の報告が増え始めており。今後も増えることが考えられるので注意が必要である。

細菌(平成22年11月23日〜12月20日までに分離同定)

全国第49週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は28.5で、前週比109%と増加した。今週増加した主な疾患はインフルエンザとRSウイルス感染症で、減少した主な疾患はなかった。

インフルエンザの報告数は4,480人(0.93)で、前週比133%と増加した。佐賀県(4.9)、北海道(4.5)、長崎県(3.7)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の33%、6歳から9歳が27%、10歳から14歳が15%、15歳から19歳が3%、20歳代から50歳代が19%、60歳以上が3%を占めた。

RSウイルス感染症の報告数は3,448人(1.1)で、前週比122%と増加した。例年同時期の約1.4倍である。福井県(4.7)、鳥取県(3.7)、佐賀県(3.0)からの報告が多く、年齢別では2歳以下で全体の約9割を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核312例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢4例、腸管出血性大腸菌感染症28例
  • 4類感染症
    A型肝炎1例、つつが虫病40例、デング熱2例、マラリア1例、レジオネラ症11例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢10例、ウイルス性肝炎2例、急性脳炎3例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例、後天性免疫不全症候群20例、梅毒5例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症3例、風疹2例、麻しん7例

月報告対象疾患の発生動向 <11月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は46人(3.5)で、前月比78%と減少した。昨年11月(2.5)の約1.4倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数28人(2.2)で、前月の約8割、前年の約1.6倍であった。宮崎市(3.5)、都城(3.0)保健所からの報告が多く、男性17人、女性11人で、20歳代が全体の約半数を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数9人(0.69)で、前月・前年の約1.3倍であった。男性3人、女性6人で、30歳代が全体の約4割を占めた。
  • 尖圭コンジローマ
    報告数4人(0.31)で、前月・前年の約2倍であった。男性・女性各2人で、20歳代が2人、10歳代・40歳代が各1人であった。
  • 淋菌感染症
    報告数5人(0.38)で、前月の約3割、前年の約7割であった。すべて男性で20歳代が全体の約6割を占めた。

【全国】定点医療機関総数:967
定点医療機関からの報告総数は4,029人(4.2)で、前月比90%であった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,130人(2.2)で前月比89%、性器ヘルペスウイルス感染症684人(0.7)で前月比101%、尖圭コンジローマ427人(0.44)で前月比90%、淋菌感染症788人(0.81)で前月比84%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は42人(6.0)で前月比150%と増加した。また昨年11月(6.3)とほぼ同数であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数33人(4.7)で、前月の約1.7倍、前年の約9割であった。宮崎市(10.0)、日向(7.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数9人(1.3)で、前月の約1.1倍、前年と同数であった。宮崎市(5.0)保健所からの報告が多く、10歳未満で全体の約8割を占めた。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:466
定点医療機関からの報告総数は2,417人(5.2)で、前月比105%であった。疾患別報告数はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,894人(4.1)で前月比101%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症471人(1.0)で前月比122%、薬剤耐性緑膿菌感染症52人(0.11)で前月比122%であった。

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