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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2011年第5号

第13巻第5号[宮崎県5週(1/31〜2/6)、全国4週(1/24〜1/30)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第5週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は3,484人(定点あたり74.1)で、前週比81%と減少した。

前週に比べ増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患はインフルエンザと手足口病であった。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は138人(3.9)で前週比123%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(2.5)の約1.6倍と多い。延岡(10.3)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では3歳から7歳で全体の約7割を占めた。
流行性耳下腺炎の報告数は76人(2.2)で前週比112%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.1)の約2倍と多い。日南(5.7)、中央(5.0)保健所からの報告が多く、年齢別では2歳から7歳で全体の約8割を占めた。

インフルエンザの報告数は2,452 人(42.3)で前週比69%と減少した。県全体で警報レベルを超え、延岡(66.1)、中央(57.0)、小林(46.2)保健所からの報告が多かった。年齢別では5歳以下が全体の40%、6-9歳が22%、10-14歳が17%、15-19歳が3%、20-50歳代が16%、60歳以上が2%を占めた。

マイコプラズマ肺炎1人が延岡保健所から報告された。6歳の女児で原因菌は Mycoplasma pneumoniae であった。

感染性胃腸炎の集団発生(平成23年1月31日〜平成23年2月6日まで)

感染性胃腸炎の集団発生はありませんでした。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

ウイルス(平成23年1月25日〜平成23年2月7日までに検出)

インフルエンザ、ノロウイルスはリアルタイムPCR法で検出

  • 手足口病の幼児からコクサッキーウイルスA16型が検出された。
  • 胃腸炎の幼児2例からノロウイルスGIIが検出された。
  • インフルエンザの患者からインフルエンザAH1pdm(新型)20例、インフルエンザAH3(A香港型)7例が検出された。
    インフルエンザの流行が全国的に拡大しており、今シーズンは20歳以上の成人層が約6割を占めている。
細菌(平成23年1月25日〜平成23年2月7日までに検出)

  • 今回も百日咳菌が検出されている。百日咳菌の分離は専用綿棒での検体採取と専用培地での分離が必要で一般的に困難である。しかし、遺伝子検査は迅速性で優れているが、その後の解析には百日咳菌の分離が必須であるため菌の分離も積極的に行う必要がある。

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核3例が宮崎市(2例)、延岡(1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    • 90歳代の男性で肺結核。発熱がみられた。
    • 80歳代の女性で肺結核。咳、痰がみられた。
    《延岡保健所》
    50歳代の女性で無症状病原体保有者。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症2例が都城保健所から報告された。
    • 2歳の女児で腹痛、水様性下痢、血便がみられた。原因菌はO111(VT1、VT2産生)。
    • 40歳代の女性で無症状病原体保有者。原因菌はO111(VT1、VT2産生)。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    • アメーバ赤痢1例が宮崎市保健所から報告された。70歳代の男性で腸管アメーバ症。下痢、粘血便、腹痛、発熱がみられた。
    • 急性脳炎1例が宮崎市保健所から報告された。2歳の女児で病原体はインフルエンザAH1N1pdm。発熱、痙攣、意識障害がみられた。

全国第4週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は48.8で、前週比111%と増加した。今週増加した主な疾患はインフルエンザと流行性耳下腺炎で、減少した疾患は伝染性紅斑と水痘であった。

インフルエンザの報告数は157,381人(31.9)で、前週比121%と増加した。宮崎県(60.9)、長崎県(56.6)、福岡県(47.2)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の28%、6-9歳が24%、10-14歳が16%、15-19歳が5%、20-50歳代が25%、60歳以上が2%を占めた。

流行性耳下腺炎の報告数は2,624人(0.83)で、前週比106%と増加した。例年同時期の約1.3倍である。長野県(3.8)、香川県(3.0)、新潟県(2.1)からの報告が多く、年齢別では3歳から6歳で全体の約6割を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核297例
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症9例、パラチフス1例
  • 4類感染症
    E型肝炎3例、A型肝炎18例、つつが虫病1例、デング熱2例、ボツリヌス症1例、マラリア1例、レジオネラ症8例、レプトスピラ症1例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢17例、ウイルス性肝炎3例、急性脳炎6例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症3例、後天性免疫不全症候群12例、梅毒9例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、風疹1例、麻しん10例

インフルエンザ情報《県内第5週、全国第4週(再掲)》

県内第5週インフルエンザ発生動向

平成23年1月31日〜2月6日までの1週間で2,452人(定点あたり42.3)の報告があり、前週に比べ69%と減少した(図1-1,2)。高千穂保健所を除くすべての保健所で警報レベルを超えている。延岡(66.1)・中央(57.0)・小林(46.2)保健所からの報告数が多く(図2)、年齢別では5歳以下が全体の40%、6-9歳が22%、10-14歳が17%、15-19歳が3%、20-50歳代が16%、60歳以上が2%を占めた(図3)。

全国第4週インフルエンザ発生動向

平成23年1月24日〜1月30日までの1週間で157,381人(31.9)の報告があり、前週比121%と増加した。宮崎県(60.9)、長崎県(56.6)、福岡県(47.2)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の28%、6-9歳が24%、10-14歳が16%、15-19歳が5%、20-50歳代が25%、60歳以上が2%を占めた。

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