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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2011年第7号

第13巻第7号[宮崎県7週(2/14〜2/20)、全国6週(2/7〜2/13)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第7週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は2,059人(定点あたり49.8)で、前週比94%と減少した。

前週に比べ増加した主な疾患は流行性耳下腺炎と感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はインフルエンザと咽頭結膜熱であった。

流行性耳下腺炎の報告数は110人(3.1)で前週比170%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.3)の約2.3倍と多い。日南(18.0)保健所からの報告が多く、年齢別では2歳から5歳で全体の約7割を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は645人(17.9)で前週比118%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(15.1)の約1.2倍である。延岡(36.3)、小林(21.3)、日南(21.0)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では1歳から3歳で全体の約4割を占めた。

インフルエンザの報告数は815人(13.8)で前週比63%と減少した。宮崎市(18.4)、延岡(15.9)、日向(15.8)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の44%、6-9歳が26%、10-14歳が12%、15-19歳が2%、20-50歳代が14%、60歳以上が2%を占めた。

マイコプラズマ肺炎3人が延岡保健所から報告された。患者は1歳と2歳の男児、5歳の女児で原因菌はいずれもMycoplasma pneumoniae であった。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

感染性胃腸炎の集団発生(平成23年2月14日〜平成23年2月20日まで)

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

ウイルス(平成23年2月8日〜平成23年2月21日までに検出)

インフルエンザはPCR法で検出。

  • インフルエンザの患者からインフルエンザAH1pdm(新型)9例、インフルエンザAH3(A香港型)8例、インフルエンザB1例が検出された。全国的にインフルエンザの報告数は2月から減少しており、県内の検出状況を見るとA香港型の割合が増加していきている。
細菌(平成23年2月8日〜平成23年2月21日までに検出)

※スタッカート:連続した「コン・コン・コン・・・」という短い咳
レプリーゼ:スタッカートの後の「ヒュー」という吸い込み発作

  • 百日咳の発生が、県北で、昨年11月より続いており、今回も2名から菌が検出された。1名はLamp法・PCR法・培養の3方法で陽性、他の1名はLamp法のみ陽性であった。
  • 今年になって初めて、腸管出血性大腸菌が検出された。この事例は、家族内発生であるが、感染経路は不明である。本疾患は、これから暖かくなると発生しやすくなるので注意が必要である。

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核6例が宮崎市(2例)、都城・日南・高千穂・日向(各1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    • 80歳代の女性で結核性胸膜炎。咳、痰、発熱がみられた。
    • 60歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱がみられた。
    《都城保健所》
    30歳代の男性で頚部リンパ節結核。頚部リンパ節腫大がみられた。
    《日南保健所》
    70歳代の女性で肺結核。
    《高千穂保健所》
    60歳代の女性で無症状病原体保有者。
    《日向保健所》
    70歳代の男性で結核性胸膜炎。咳、痰がみられた。
  • 3類感染症
    報告なし。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    急性脳炎1例が宮崎市保健所から報告された。5歳の男児で病原体はRSV疑い。発熱、痙攣、意識障害がみられた。

全国第6週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は37.0で、前週比81%と減少した。特に増加した疾患はなかった。減少した主な疾患はインフルエンザとRSウイルス感染症であった。

インフルエンザの報告数は106,077人(21.5)で、前週比74%と減少した。愛知県(37.0)、富山県(32.6)、福岡県(31.8)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の30%、6-9歳が27%、10-14歳が16%、15-19歳が3%、20-50歳代が21%、60歳以上が3%を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核274例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢1例、腸管出血性大腸菌感染症4例
  • 4類感染症
    E型肝炎1例、A型肝炎6例、コクシジオイデス症1例、チクングニア熱1例、つつが虫病3例、デング熱2例、マラリア1例、レジオネラ症6例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢8例、急性脳炎7例、クロイツフェルト・ヤコブ病2例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症3例、後天性免疫不全症候群23例、ジアルジア症2例、梅毒5例、風疹2例、麻しん14例

インフルエンザ情報《県内第7週、全国第6週(再掲)》

県内第7週インフルエンザ発生動向

平成23年2月14日〜2月20日までの1週間で815人(定点あたり13.8)の報告があり、前週に比べ63%と減少した(図1-1,2)。宮崎市(18.4)・延岡(15.9)・日向(15.8)保健所からの報告数が多い(図2)。年齢別では5歳以下が全体の44%、6-9歳が26%、10-14歳が12%、15-19歳が2%、20-50歳代が14%、60歳以上が2%を占めた(図3)。

全国第6週インフルエンザ発生動向

平成23年2月7日〜2月13日までの1週間で106,077人(21.5)の報告があり、前週比74%と減少した。愛知県(37.0)、富山県(32.6)、福岡県(31.8)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の30%、6-9歳が27%、10-14歳が16%、15-19歳が3%、20-50歳代が21%、60歳以上が3%を占めた。

月報告対象疾患の発生動向 <1月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13

定点医療機関からの報告総数は31人(2.4)で、前月比76%と減少した。昨年1月(3.5)の約7割であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数21人(1.6)で、前月と同数、前年の約7割であった。日向(3.0)、都城(2.5)保健所からの報告が多く、男性9人・女性12人で、20歳代が全体の約半数、30歳代が約2割を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数3人(0.23)で、前月の約3割、前年の約半数であった。男性2人・女性1人で、30歳代が2人、50歳代が1人であった。
  • 尖圭コンジローマ
    報告はなかった。
  • 淋菌感染症
    報告数7人(0.54)で、前月の約1.4倍、前年とほぼ同数であった。男性4人・女性3人で、10歳代・30歳代が2人、20歳代が3人であった。

【全国】定点医療機関総数:962

定点医療機関からの報告総数は4,069人(4.2)で、前月比107%と増加した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,118人(2.2)で前月比110%、性器ヘルペスウイルス感染症616人(0.64)で前月比88%、尖圭コンジローマ449人(0.47)で前月比121%、淋菌感染症886人(0.92)で前月比111%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7

定点医療機関からの報告総数は36人(5.1)で前月比144%と増加した。また昨年1月(6.4)の約8割であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数27人(3.9)で、前月の約1.4倍、前年の約9割であった。日南(8.0)、延岡(7.0)、高鍋(6.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数9人(1.3)で、前月の約1.8倍、前年の約6割であった。宮崎市(7.0)保健所からの報告が多く、10歳未満が全体の約6割を占めた。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:469

定点医療機関からの報告総数は2,356人(5.0)で、前月比99%とほぼ同数であった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,868人(4.0)で前月比105%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症441人(0.94)で前月比79%、薬剤耐性緑膿菌感染症47人(0.1)で前月とほぼ同数であった。

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