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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2011年第9号

第13巻第9号[宮崎県9週(2/28〜3/6)、全国8週(2/21〜2/27)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第9週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,698人(定点あたり45.9)で、前週比92%と減少した。

前週に比べ増加した主な疾患は流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は咽頭結膜熱とインフルエンザであった。

流行性耳下腺炎の報告数は78人(2.2)で前週比134%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(1.6)の約1.4倍と多い。日南(9.7)保健所からの報告が多く、年齢別では4歳から7歳で全体の約6割を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は727人(20.2)で前週比103%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点あたり平均値(16.5)の約1.2倍である。県全体で警報レベルを超えており、日南(29.7)、小林(27.3)、都城(26.7)保健所からの報告が多かった。年齢別では1歳から4歳で全体の約半数を占めた。

インフルエンザの報告数は336人(5.7)で前週比64%と減少した。中央(12.0)、宮崎市(8.5)、延岡(7.6)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の32%、6-9歳が37%、10-14歳が17%、15-19歳が2%、20-50歳代が11%、60歳以上が1%を占めた。

クラミジア肺炎1人が高鍋保健所から報告された。患者は60歳代の女性で、原因菌は Chlamydophila pneumoniae であった。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

感染性胃腸炎の集団発生(平成23年2月28日〜平成23年3月6日まで)

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

ウイルス(平成23年2月22日〜平成23年3月7日までに検出)

  • 多形紅斑の幼児から単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)が分離された。HSV-1は主に口唇ヘルペスを生じ、ヘルペス口内炎、ヘルペス角膜炎、単純ヘルペス脳炎の原因となりうるとともに三叉神経節に潜伏感染する。
  • インフルエンザの患者からインフルエンザAH1pdm(新型)3例、インフルエンザAH3(A香港型)3例、インフルエンザB1例が検出された。
細菌(平成23年2月22日〜平成23年3月7日までに検出)

※スタッカート:連続した「コン・コン・コン・・・」という短い咳
ウープ:スタッカートの後の「ヒュー」という吸い込み発作
レプリーゼ:スタッカートとウープのくり返し

  • 百日咳菌(Bordetella pertussis)に加え、他のBordetella属(Bordetella holmesii)が分離されている。Bordetella holmesiiはLamp法では検出できないが、Bordetella属中にある特定の遺伝子(挿入配列 IS481)を検出するPCR法を用いれば検出可能である。

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核5例が延岡(2例)、宮崎市・都城・高鍋(各1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    30歳代の女性で肺結核。咳、痰がみられた。
    《都城保健所》
    60歳代の女性で疑似症患者。胸痛がみられた。
    《延岡保健所》
    • 70歳代の男性で肺結核。体重減少がみられた。
    • 80歳代の男性で肺結核。
    《高鍋保健所》
    60歳代の女性で肺結核。
  • 3類感染症
    報告なし。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢1例が宮崎市保健所から報告された。40歳代の男性で腸管アメーバ症。粘血便がみられた。

全国第8週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は34.0で、前週比101%であった。今週増加した主な疾患は伝染性紅斑とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症とインフルエンザであった。

伝染性紅斑の報告数は1,957人(0.62)で、前週比122%と増加した。宮崎県(2.8)、山形県(1.8)、佐賀県(1.7)からの報告が多く、年齢別では3歳から6歳で全体の約6割を占めた。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は7,910人(2.5)で、前週比116%と増加した。石川県(11.2)、宮崎県(6.3)、福井県(5.4)からの報告が多く、年齢別では4歳から6歳で全体の約半数を占めた。

インフルエンザの報告数は77,751人(15.8)で、前週比96%とほぼ横ばいであった。愛知県(36.2)、山口県(36.0)、大分県(30.9)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の30%、6-9歳が34%、10-14歳が19%、15-19歳が2%、20-50歳代が13%、60歳以上が2%を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核352例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢12例、腸管出血性大腸菌感染症23例
  • 4類感染症
    E型肝炎1例、A型肝炎1例、エキノコックス症1例、つつが虫病1例、マラリア2例、レジオネラ症2例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢8例、ウイルス性肝炎2例、急性脳炎2例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例、後天性免疫不全症候群20例、ジアルジア症1例、梅毒7例、破傷風1例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症3例、風疹3例、麻しん4例

インフルエンザ情報《県内第9週、全国第8週(再掲)》

県内第9週インフルエンザ発生動向

平成23年2月28日〜3月6日までの1週間で336人(定点あたり5.7)の報告があり、前週に比べ64%と減少した(図1-1,2)。中央(12.0)・宮崎市(8.5)・延岡(7.6)保健所からの報告が多く(図2)、年齢別では5歳以下が全体の32%、6-9歳が37%、10-14歳が17%、15-19歳が2%、20-50歳代が11%、60歳以上が1%を占めた(図3)。

全国第8週インフルエンザ発生動向

平成23年2月21日〜2月27日までの1週間で77,751人(15.8)の報告があり、前週比96%とほぼ横ばいであった。愛知県(36.2)、山口県(36.0)、大分県(30.9)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の30%、6-9歳が34%、10-14歳が19%、15-19歳が2%、20-50歳代が13%、60歳以上が2%を占めた。

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