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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2011年第11号

第13巻第11号[宮崎県11週(3/14〜3/20)、全国10週(3/7〜3/13)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第11週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は2,087人(定点あたり52.7)で、前週比115%と増加した。

前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は流行性耳下腺炎であった。

インフルエンザの報告数は705人(12.0)で前週比172%と増加した。中央(30.0)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では5歳以下が全体の19%、6-9歳が42%、10-14歳が32%、15-19歳が3%、20-50歳代が3%、60歳以上が1%を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は776人(21.6)で前週比106%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(17.3)の約1.2倍である。県全体で警報レベルを超えており、小林(49.0)、日南(30.0)、都城(29.3)保健所からの報告が多かった。年齢別では1歳から3歳で全体の約4割を占めた。

クラミジア肺炎1人が高鍋保健所から報告された。患者は70歳代の女性で、原因菌はChlamydophila pneumoniae であった。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

感染性胃腸炎の集団発生(平成23年3月14日〜平成23年3月20日まで)

感染性胃腸炎の集団発生はありませんでした。

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核5例が都城(2例)、宮崎市・延岡・日南(各1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    80歳代の男性で肺結核。咳がみられた。
    《都城保健所》
    • 70歳代の男性でその他の結核(皮膚結核、頚部リンパ節結核)。皮疹、皮下結節、リンパ節腫大がみられた。
    • 10歳代の女子で無症状病原体保有者。
    《延岡保健所》
    50歳代の女性で無症状病原体保有者。
    《日南保健所》
    80歳代の男性で肺結核。痰、倦怠感がみられた。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症2例が都城・小林保健所から報告された。
    《都城保健所》
    40歳代の女性で無症状病原体保有者。原因菌はO91(VT1産生)。
    《小林保健所》
    60歳代の女性で無症状病原体保有者。原因菌はO91(VT1産生)。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    破傷風1例が都城保健所から報告された。60歳代の女性で筋肉のこわばり、発語障害、強直性痙攣、易興奮性、反弓緊張、頚部硬直がみられた。

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

ウイルス(平成23年3月8日〜平成23年3月22日までに検出)

  • 重症肺炎、気管支喘息を示す幼児2名からヒトメタニューモウイルスが検出された。このうち1名からはヒトライノウイルスも検出された。ヒトメタニューモウイルス感染症は冬から春にかけて流行し、急性呼吸器症状を示す。喘息発作を引き起こすこともある。特に乳児および幼児において、RSウイルスとともに季節性の下気道炎を起こす。ヒトライノウイルスは、風邪(普通感冒)の代表的なウイルスとして知られている。
  • インフルエンザの患者からインフルエンザAH3(A香港型)4例、インフルエンザB2例が検出された。
細菌(平成23年3月8日〜平成23年3月22日までに検出)

報告はなかった。

全国第10週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は35.5で、前週比112%であった。今週増加した主な疾患はインフルエンザと伝染性紅斑で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症であった。

インフルエンザの報告数は79,174人(16.8)で、前週比121%と増加した。山口県(44.0)、大分県(37.7)、愛知県(35.6)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の27%、6-9歳が39%、10-14歳が22%、15-19歳が2%、20-50歳代が9%、60歳以上が1%を占めた。

伝染性紅斑の報告数は2,064人(0.69)で、前週比115%と増加した。佐賀県(2.3)、宮崎県(2.2)、石川県(2.1)からの報告が多く、年齢別では4歳から7歳で全体の約6割を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核375例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢4例、腸管出血性大腸菌感染症6例、パラチフス2例
  • 4類感染症
    E型肝炎1例、A型肝炎3例、デング熱2例、マラリア1例、レジオネラ症3例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢10例、ウイルス性肝炎2例、急性脳炎1例、クロイツフェルト・ヤコブ病2例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群17例、梅毒8例、破傷風1例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、風疹3例、麻しん4例

インフルエンザ情報《県内第11週、全国第10週(再掲)》

県内第11週インフルエンザ発生動向

平成23年3月14日〜3月20日までの1週間で705人(定点あたり12.0)の報告があり、前週に比べ172%と大幅に増加した(図1-1,2)。中央(30.0)・宮崎市(26.3)・日南(14.6)・高鍋(14.3)保健所からの報告が多く、中央保健所管内では再度警報レベルに達した(図2)。年齢別では5歳以下が全体の19%、6-9歳が42%、10-14歳が32%、15-19歳が3%、20-50歳代が3%、60歳以上が1%を占めた(図3)。

全国第10週インフルエンザ発生動向

平成23年3月7日〜3月13日までの1週間で79,174人(16.8)の報告があり、前週比121%と増加した。山口県(44.0)、大分県(37.7)、愛知県(35.6)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の27%、6-9歳が39%、10-14歳が22%、15-19歳が2%、20-50歳代が9%、60歳以上が1%を占めた。

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