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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2011年第13号

第13巻第13号[宮崎県13週(3/28〜4/3)、全国12週(3/21〜3/27)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第13週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は2,751人(定点あたり60.9)で、前週比116%と増加した。

前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は咽頭結膜熱であった。
インフルエンザの報告数は1,558人(26.4)で前週比146%と増加した。中央(50.5)、宮崎市(46.4)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では5歳以下が全体の34%、6-9歳が35%、10-14歳が24%、15-19歳が1%、20歳以上が6%を占めた。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は186人(5.2)で前週比122%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(2.1)の約2.5倍と多い。延岡(17.8)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では3歳から6歳で全体の約7割を占めた。
マイコプラズマ肺炎1人が延岡保健所から報告された。患者は6歳の男児で、原因菌は Mycoplasma pneumoniae であった。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

感染性胃腸炎の集団発生(平成23年3月28日〜平成23年4月3日まで)

感染性胃腸炎の集団発生はありませんでした。

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核7例が宮崎市(3例)、都城(2例)、延岡・中央(各1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    • 70歳代の女性で肺結核。
    • 30歳代の女性で無症状病原体保有者。
    • 50歳代の女性で無症状病原体保有者。
    《都城保健所》
    • 40歳代の男性で疑似症患者。視力低下がみられた。
    • 80歳代の男性で肺結核。
    《延岡保健所》
    20歳代の男性で無症状病原体保有者。
    《中央保健所》
    80歳代の男性で肺結核。発熱がみられた。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症1例が都城保健所から報告された。50歳代の女性で無症状病原体保有者。原因菌はO91(VT1産生)。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    後天性免疫不全症候群1例が宮崎市保健所から報告された。50歳代の男性でAIDS。発熱、呼吸苦がみられた。

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

細菌(平成23年3月23日〜平成23年4月4日までに検出)

  • 気管支炎を呈した患者の咽頭ぬぐい液や鼻汁からBordetella pertussis (百日咳菌)に加えBordetella holmesii が分離されている。Bordetella holmesii は菌の分離報告が少ないため、正確な病態等は不明である。
  • 無症状保菌者から血清型O91のEHECが検出されている。国立感染症研究所感染症情報センターによるとO91は2005年以降増加傾向にある。増加した理由として、2005年から市販のO群型別試験用免疫血清にO91が追加され、民間の検査機関でも型別が可能になったことが推測されている。
※スタッカート:連続した「コン・コン・コン・・・」という短い咳
ウープ:スタッカートの後の「ヒュー」という吸い込み発作
レプリーゼ:スタッカートとウープのくり返し
ウイルス(平成23年3月23日〜平成23年4月4日までに検出)

  • 肺炎の乳児2名からヒトメタニューモウイルスが検出された。国立感染症研究所感染症情報センターの病原微生物検出情報では、2月から報告数が増えている。
  • A型肝炎の患者からA型肝炎ウイルスが検出された。A型肝炎はA型肝炎ウイルスに汚染された水、食品を介して感染する。潜伏期間は2〜8週間で、発熱、下痢、倦怠感、食欲不振、黄疸などの症状が出る。

全国第12週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は26.2で、前週比76%と減少した。今週増加した主な疾患はなかった。減少した主な疾患はインフルエンザであった。

流行性耳下腺炎の報告数は2,989人(0.97)で、前週比100%であった。長野県(4.4)、香川県(4.2)、鹿児島県(3.2)からの報告が多く、年齢別では3歳から6歳で全体の約6割を占めた。

インフルエンザの報告数は59,690人(12.3)で、前週比71%と減少した。大分県(32.8)、山口県(27.8)、広島県(21.9)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の29%、6-9歳が35%、10-14歳が21%、15-19歳が2%、20-50歳代が11%、60歳以上が2%を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核286例
  • 3類感染症
    コレラ1例、細菌性赤痢1例、腸管出血性大腸菌感染症8例、パラチフス1例
  • 4類感染症
    E型肝炎1例、A型肝炎4例、オウム病1例、つつが虫病2例、マラリア2例、レジオネラ症4例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢4例、ウイルス性肝炎1例、急性脳炎4例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群8例、梅毒8例、破傷風2例、風疹1例、麻しん5例

インフルエンザ情報《県内第13週、全国第12週(再掲)》

県内第13週インフルエンザ発生動向

平成23年3月28日〜4月3日までの1週間で1,558人(定点あたり26.4)の報告があり、前週に比べ146%と増加した(図1-1,2)。4週連続で増加し、中央(50.5)、宮崎市(46.4)保健所管内では警報レベルを上回った(図2)。年齢別では5歳以下が全体の34%、6-9歳が35%、10-14歳が24%、15-19歳が1%、20歳以上が6%を占めた(図3)。

全国第12週インフルエンザ発生動向

平成23年3月21日〜3月27日までの1週間で59,690人(12.3)の報告があり、前週比71%と減少した。大分県(32.8)、山口県(27.8)、広島県(21.9)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の29%、6-9歳が35%、10-14歳が21%、15-19歳が2%、20-50歳代が11%、60歳以上が2%を占めた。

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