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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2011年第15号

第13巻第15号[宮崎県15週(4/11〜4/17)、全国14週(4/4〜4/10)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第15週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は2,271人(定点あたり54.2)で、前週比96%とほぼ横ばいであった。

前週に比べ増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は流行性耳下腺炎とインフルエンザであった。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は174人(4.8)で前週比121%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(2.3)の約2.1倍と多い。延岡(12.8)、中央(11.0)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では4歳から7歳で全体の約半数を占めた。

インフルエンザの報告数は1,152人(19.5)で前週比89%と減少した。中央(28.5)、高鍋(28.3)、日向(27.7)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の38%、6-9歳が38%、10-14歳が14%、15-19歳が2%、20歳以上が8%を占めた。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

感染性胃腸炎の集団発生(平成23年4月11日〜平成23年4月17日まで)

感染性胃腸炎の集団発生はありませんでした。

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核3例が都城(2例)、宮崎市(1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    40歳代の男性で肺結核。血痰がみられた。
    《都城保健所》
    • 40歳代の男性で疑似症患者。
    • 30歳代の男性で肺結核。咳、痰、発熱がみられた。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症1例が都城保健所から報告された。2歳の男児で水様性下痢、嘔吐がみられた。原因菌はO111(VT産生)。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    報告なし。

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

ウイルス(平成23年4月5日〜平成23年4月18日までに検出)

  • 難治性下痢症の乳児からノロウイルスGII型が検出された。
  • インフルエンザと診断された患者2名から、RSウイルスとライノウイルスが検出された。RSウイルス感染症は乳幼児の代表的な呼吸器感染症で、冬季に流行し2歳までにほぼ100%が感染する。鼻汁、咳などの上気道炎と発熱で始まり、咳、喘鳴、呼吸困難へと進行する。
  • 中毒疹、上気道炎の幼児からアデノウイルス2型が分離された。アデノウイルス感染症は様々な症状を示すが、2型は主に咽頭炎、扁桃炎をおこす。
細菌(平成23年4月5日〜平成23年4月18日までに検出)

  • 胃腸炎症状を呈した子どもから Campylobacter jejuniCampylobacter coli が分離された。同一人物から2種類のカンピロバクターが検出されることは珍しい。カンピロバクターによる胃腸炎患者の原因菌種の90%以上は C.jejuni であるが、食品検査では C.coli が検出されることがある。

全国第14週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は21.0で、前週比86%と減少した。今週増加した主な疾患は感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はインフルエンザであった。

感染性胃腸炎の報告数は24,806人(8.0)で、前週比109%と増加した。鹿児島県(17.6)、宮崎県(16.6)、福井県(15.5)からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳で全体の約半数を占めた。

インフルエンザの報告数は30,662人(6.4)で、前週比63%と減少した。宮崎県(22.1)、石川県(19.0)、福岡県・大分県(13.3)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の43%、6-9歳が24%、10-14歳が10%、15-19歳が3%、20-50歳代が17%、60歳以上が3%を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核320例
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症13例、パラチフス1例
  • 4類感染症
    E型肝炎2例、A型肝炎1例、デング熱2例、マラリア2例、レジオネラ症4例、レプトスピラ症1例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢13例、ウイルス性肝炎3例、急性脳炎1例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例、後天性免疫不全症候群9例、梅毒9例、破傷風1例、風疹6例、麻しん5例

月報告対象疾患の発生動向 <3月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は41人(3.2)で、前月比103%とほぼ横ばいであった。また、昨年3月(3.6)と比べると87%と少なかった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数25人(1.9)で、前月・前年とほぼ同数であった。都城(5.5)、日向(3.0)、日南(2.0)保健所からの報告が多く、男性16人・女性9人で、20歳代が全体の約4割、30歳代が約3割を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数6人(0.46)で、前月の約1.5倍、前年と同数であった。男性2人・女性4人で、30歳代が全体の半数であった。
  • 尖圭コンジローマ
    報告数2人(0.15)で、前月と同数、前年の約3割であった。20歳代の男性と女性であった。
  • 淋菌感染症
    報告数8人(0.62)で、前月・前年と同数であった。男性6人・女性2人で、10歳代が3人、20歳代・30歳代が各2人、40歳代が1人であった。

【全国】定点医療機関総数:964
定点医療機関からの報告総数は3,836人(4.0)で、前月比104%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,010人(2.1)で前月比104%、性器ヘルペスウイルス感染症666人(0.69)で前月比103%、尖圭コンジローマ414人(0.43)で前月比105%、淋菌感染症746人(0.77)で前月比106%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は39人(5.6)で前月比186%と増加した。また昨年3月(5.3)の105%であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数29人(4.1)で、前月の約1.8倍、前年の約1.1倍であった。高鍋(7.0)、宮崎市(6.0)、日南・日向(5.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数7人(1.0)で、前月の約1.4倍、前年の約7割であった。全て宮崎市(7.0)保健所からの報告で、10歳未満が全体の約7割を占めた。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告数3人(0.43)で、全て70歳以上の報告であった。
  • 薬剤耐性アシネトバクター感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:469
定点医療機関からの報告総数は2,194人(4.7)で、前月比99%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,834人(3.9)で前月比101%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症334人(0.71)で前月比88%、薬剤耐性緑膿菌感染症26人(0.06)で前月比100%、薬剤耐性アシネトバクター感染症の報告はなかった。
※薬剤耐性アシネトバクター感染症は2月より定点把握対象疾患となりました。

インフルエンザ情報《県内第15週、全国第14週(再掲)》

県内第15週インフルエンザ発生動向

平成23年4月11日〜4月17日までの1週間で1,152人(定点あたり19.5)の報告があり、前週に比べ89%と減少した(図1-1,2)。中央(28.5)、高鍋(28.3)、日向(27.7)保健所からの報告が多い(図2)。年齢別では5歳以下が全体の38%、6-9歳が38%、10-14歳が14%、15-19歳が2%、20歳以上が8%を占めた(図3)。

全国第14週インフルエンザ発生動向

平成23年4月4日〜4月10日までの1週間で30,662人(6.4)の報告があり、前週比63%と減少した。宮崎県(22.1)、石川県(19.0)、福岡県・大分県(13.3)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の43%、6-9歳が24%、10-14歳が10%、15-19歳が3%、20-50歳代が17%、60歳以上が3%を占めた。

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