所長挨拶 研究所の紹介 発表・調査研究 情報・ニュース 宮崎県感染症情報センター 見学と研修のお申し込み リンク集 お問い合わせ

宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2011年第19号

第13巻第19号[宮崎県19週(5/9〜5/15)、全国18週(5/2〜5/8)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第19週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,255人(定点あたり34.1)で、前週比107%と増加した。

前週に比べ増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と伝染性紅斑で、減少した主な疾患はインフルエンザであった。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は131人(3.6)で前週比149%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(2.6)の約1.4倍である。高千穂(14.0)、延岡(10.5)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では3歳から5歳で全体の約4割を占めた。

伝染性紅斑の報告数は88人(2.4)で前週比142%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(0.29)の約8.4倍である。高鍋(3.5)、高千穂(3.0)、延岡・日向(各2.8)保健所からの報告が多く、小林保健所を除く全ての保健所で警報レベルを超えている。年齢別では3歳から5歳で全体の約半数を占めた。

インフルエンザの報告数は348人(5.9)で前週比59%と減少した。日向(10.7)、都城(7.7)、中央(6.5)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の32%、6-9歳が29%、10-14歳が24%、15-19歳が3%、20歳以上が12%を占めた。

マイコプラズマ肺炎1人が都城保健所から報告された。患者は6歳の女児で原因菌はMycoplasma pneumoniae であった。

クラミジア肺炎1人が高鍋保健所から報告された。患者は60歳代の男性で原因菌はChlamydophila pneumoniae であった。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核6例が宮崎市(2例)、都城・日南・高鍋・中央(各1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    • 30歳代の女性で無症状病原体保有者。
    • 60歳代の男性で無症状病原体保有者。
    《都城保健所》
    90歳代の男性で皮膚結核。左側胸部皮膚腫瘤がみられた。
    《日南保健所》
    70歳代の男性で無症状病原体保有者。
    《高鍋保健所》
    60歳代の男性で疑似症患者。発熱、腸腰筋膿瘍がみられた。
    《中央保健所》
    80歳代の女性で肺結核。咳、痰がみられた。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症1例が宮崎市保健所から報告された。60歳代の女性で腹痛、血便がみられた。原因菌はO121(VT2産生)。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    後天性免疫不全症候群1例が宮崎市保健所から報告された。20歳代の男性でAIDS。発熱、咳、痰、軽度呼吸困難、口腔内カンジダがみられた。

全国第18週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は15.6で、前週比68%と減少した。今週増加した主な疾患は水痘で、減少した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。

水痘の報告数は4,997人(1.6)で、前週比105%と増加した。沖縄県(5.0)、鹿児島県(3.5)、長崎県(3.1)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約7割を占めた。

インフルエンザの報告数は16,531人(3.4)で、前週比50%と減少した。沖縄県(20.2)、福井県(11.1)、長崎県(10.7)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の25%、6-9歳が30%、10-14歳が22%、15-19歳が6%、20-50歳代が15%、60歳以上が2%を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核160例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢3例、腸管出血性大腸菌感染症43例、腸チフス1例
  • 4類感染症
    A型肝炎3例、つつが虫病1例、レジオネラ症9例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢3例、急性脳炎2例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群3例、梅毒3例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、風疹4例、麻しん15例

月報告対象疾患の発生動向 <4月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は44人(3.4)で、前月比107%と増加した。また、昨年4月(3.4)と同数であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数26人(2.0)で、前月とほぼ同数、前年の約1.4倍であった。日向(5.0)、都城(3.0)、宮崎市(2.5)保健所からの報告が多く、男性11人・女性15人で、20歳代が全体の約半数を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数8人(0.62)で、前月の約1.3倍、前年の約1.6倍であった。男性1人・女性7人で、30歳代が全体の約6割を占めた。
  • 尖圭コンジローマ
    報告数4人(0.31)で、前月の2倍、前年の約1.3倍であった。20歳代、30歳代、40歳代、50歳代がそれぞれ1人であった。
  • 淋菌感染症
    報告数6人(0.46)で、前月の約8割、前年の約4割であった。男性4人・女性2人で、10歳代が2人、20歳代が4人であった。

【全国】定点医療機関総数:957
定点医療機関からの報告総数は3,786人(4.0)で、前月比100%と横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,946人(2.0)で前月比97%、性器ヘルペスウイルス感染症630人(0.66)で前月比96%、尖圭コンジローマ447人(0.47)で前月比109%、淋菌感染症763人(0.80)で前月比104%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は53人(7.6)で前月比136%と増加した。また昨年4月(4.7)の160%であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数37人(5.3)で、前月の約1.3倍、前年の約1.9倍であった。宮崎市(13.0)、高鍋(8.0)、延岡・日南(各6.0)保健所からの報告が多く、70歳以上が全体の約7割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数16人(2.3)で、前月の約2.3倍、前年の約1.1倍であった。宮崎市(13.0)保健所からの報告が多く、10歳未満が全体の約8割を占めた。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告はなかった。
  • 薬剤耐性アシネトバクター感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:463
定点医療機関からの報告総数は2,259人(4.9)で、前月比104%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,823人(3.9)で前月比101%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症407人(0.88)で前月比124%、薬剤耐性緑膿菌感染症29人(0.06)で前月比100%、薬剤耐性アシネトバクター感染症の報告はなかった。

インフルエンザ情報《県内第19週、全国第18週(再掲)》

県内第19週インフルエンザ発生動向

平成23年5月9日〜5月15日までの1週間で348人(定点あたり5.9)の報告があり、前週と比べ59%と減少した(図1-1,2)。日向(10.7)、都城(7.7)、中央(6.5)、延岡(6.3)保健所からの報告が多かった(図2)。年齢別では5歳以下が全体の32%、6-9歳が29%、10-14歳が24%、15-19歳が3%、20歳以上が12%を占めた(図3)。

全国第18週インフルエンザ発生動向

平成23年5月2日〜5月8日までの1週間で16,531人(3.4)の報告があった。連休の影響もあり前週の50%に減少した。沖縄県(20.2)、福井県(11.1)、長崎県(10.7)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の25%、6-9歳が30%、10-14歳が22%、15-19歳が6%、20-50歳代が15%、60歳以上が2%を占めた。

PDFファイルダウンロード



宮崎県衛生環境研究所
〒889-2155 宮崎市学園木花台西2丁目3-2 / 電話.0985-58-1410 FAX.0985-58-0930