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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2011年第20号

第13巻第20号[宮崎県20週(5/16〜5/22)、全国19週(5/9〜5/15)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第20週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,208人(定点あたり32.6)で、前週比96%とほぼ横ばいであった。

前週に比べ増加した主な疾患は手足口病と咽頭結膜熱で、減少した主な疾患は水痘とインフルエンザであった。

手足口病の報告数は127人(3.5)で前週比205%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(2.5)の約1.4倍と多い。延岡(11.8)、日向(7.3)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では1歳から3歳で全体の約7割を占めた。

咽頭結膜熱の報告数は41人(1.1)で前週比128%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(0.63)の約1.8倍と多い。延岡(2.8)、日南(2.7)、都城(2.0)保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から4歳で全体の約8割を占めた。全て10歳未満の報告であった。

インフルエンザの報告数は292人(5.0)で前週比84%と減少した。中央(12.0)、都城(10.1)、小林(7.6)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の34%、6-9歳が29%、10-14歳が24%、15-19歳が3%、20歳以上が10%を占めた。

無菌性髄膜炎1人が日南保健所から報告された。患者は0ヶ月の男児であった。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核3例が宮崎市(2例)、高鍋(1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    • 80歳代の男性で肺結核。痰、呼吸困難がみられた。
    • 80歳代の女性で肺結核。発熱、呼吸困難がみられた。
    《高鍋保健所》
    50歳代の男性で無症状病原体保有者。
  • 3類感染症
    報告なし。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    • アメーバ赤痢1例が宮崎市保健所から報告された。50歳代の男性で腸管アメーバ症。発熱がみられた。
    • 髄膜炎菌性髄膜炎2例が宮崎市・小林(各1例)保健所から報告された。
      《宮崎市保健所》
      15歳の男子で発熱、点状出血、ショック、DIC、多臓器不全、電撃型紫斑がみられた。
      《小林保健所》
      60歳代の女性で頭痛、発熱、意識障害、項部硬直、DICがみられた。
    • 破傷風1例が宮崎市保健所から報告された。70歳代の男性で筋肉のこわばり、開口障害、嚥下障害、発語障害、呼吸困難、後頭部痛がみられた。

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

細菌(平成23年5月10日〜平成23年5月23日までに検出)

  • 都城保健所管内で幼児の兄弟から百日咳菌が検出された。
  • 小林保健所管内で発生した髄膜炎菌性髄膜炎の起因菌はNeisseria meningtidis で、生体外の環境では死滅しやすい菌である。このため、菌の輸送、保存には特に注意する必要がある。また、咽頭ぬぐい液など、雑菌が多い検体から髄膜炎菌を分離する場合は、特殊な選択分離培地を用いる必要がある。
ウイルス(平成23年5月10日〜平成23年5月23日までに検出)

  • 胃腸炎関連けいれん・ロタウイルス腸炎の小児からA群ロタウイルス1型が検出された。ロタウイルス胃腸炎に伴う合併症のうち、けいれんは頻度が高い。
  • 感染性胃腸炎の乳児からノロウイルスGIIが検出された。
  • インフルエンザAと診断された小児からインフルエンザAH3型(A香港型)が検出された。

全国第19週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は17.3で、前週比111%と増加した。今週増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患はインフルエンザであった。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は6,695人(2.1)で、前週比159%と増加した。石川県(4.8)、新潟県・福井県(各3.8)、山形県・鳥取県・宮崎県(各3.6)からの報告が多く、年齢別では4歳から7歳で全体の約半数を占めた。

インフルエンザの報告数は9,675人(2.0)で、前週比58%と減少した。沖縄県(15.4)、佐賀県(7.4)、長崎県・宮崎県(5.9)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の26%、6-9歳が26%、10-14歳が23%、15-19歳が6%、20-50歳代が16%、60歳以上が3%を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    急性灰白髄炎1例、結核391例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢6例、腸管出血性大腸菌感染症56例
  • 4類感染症
    E型肝炎2例、A型肝炎5例、つつが虫病8例、デング熱1例、マラリア2例、レジオネラ症11例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢11例、急性脳炎4例、クロイツフェルト・ヤコブ病1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例、後天性免疫不全症候群12例、ジアルジア症1例、梅毒8例、破傷風5例、風疹12例、麻しん28例

インフルエンザ情報《県内第20週、全国第19週(再掲)》

県内第20週インフルエンザ発生動向

平成23年5月16日〜5月22日までの1週間で292人(定点あたり5.0)の報告があり、前週と比べ84%と減少した(図1-1,2)。中央(12.0)、都城(10.1)、小林(7.6)、高千穂(6.5)保健所からの報告が多かった(図2)。年齢別では5歳以下が全体の34%、6-9歳が29%、10-14歳が24%、15-19歳が3%、20歳以上が10%を占めた(図3)。

全国第19週インフルエンザ発生動向

平成23年5月9日〜5月15日までの1週間で9,675人(2.0)の報告があった。前週の58%と減少した。沖縄県(15.4)、佐賀県(7.4)、長崎県・宮崎県(5.9)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の26%、6-9歳が26%、10-14歳が23%、15-19歳が6%、20-50歳代が16%、60歳以上が3%を占めた。

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