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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2011年第22号

第13巻第22号[宮崎県22週(5/30〜6/5)、全国21週(5/23〜5/29)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第22週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,154人(定点あたり33.4)で、前週比99%とほぼ横ばいであった。

前週に比べ増加した主な疾患は伝染性紅斑と手足口病で、減少した主な疾患はインフルエンザと咽頭結膜熱であった。

伝染性紅斑の報告数は94人(2.6)で前週比154%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(0.37)の約7.1倍と多い。延岡(5.3)、日南(3.7)、高鍋(3.5)、都城(2.7)、宮崎市(2.4)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では3歳から6歳で全体の約半数を占めた。

手足口病の報告数は166人(4.6)で前週比152%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(3.5)の約1.3倍と多い。延岡(14.8)、日向(12.3)保健所からの報告が多く、警報レベルを超えている。年齢別では1歳から3歳で全体の約8割を占めた。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核6例が都城(3例)、宮崎市・高鍋・小林(各1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    40歳代の女性で無症状病原体保有者。
    《都城保健所》
    • 90歳代の女性で疑似症患者。痰がみられた。
    • 70歳代の男性で肺結核及びその他の結核(結核性胸膜炎)。咳がみられた。
    • 50歳代の女性で肺結核。咳、体重減少がみられた。
    《高鍋保健所》
    70歳代の女性でリンパ節結核(右・左)。表在リンパ節(頚部)腫脹がみられた。
    《小林保健所》
    70歳代の女性で肺結核。咳、痰、発熱、呼吸困難がみられた。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症1例が宮崎市保健所から報告された。4歳の男児で無症状病原体保有者。原因菌はO121(VT2産生)。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    • アメーバ赤痢2例が宮崎市・日南(各1例)保健所から報告された。
      《宮崎市保健所》
      50歳代の男性で腸管アメーバ症。潰瘍がみられた。
      《日南保健所》
      40歳代の男性で腸管アメーバ症。しぶり腹、鼓腸がみられた。
    • 梅毒1例が小林保健所から報告された。40歳代の男性で早期顕症梅毒(I期)。初期硬結、硬性下疳がみられた。
    • 破傷風2例が宮崎市保健所から報告された。
      • 70歳代の男性で筋肉のこわばり、開口障害、発語障害、易興奮性がみられた。
      • 50歳代の男性で筋肉のこわばり、開口障害、嚥下障害、発語障害、強直性痙攣、反弓緊張がみられた

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

ウイルス(平成23年5月24日〜平成23年6月6日までに検出)

  • 感染性胃腸炎の小児からノロウイルスGII型が検出された。
  • アデノウイルス脳症疑いの乳児からコクサッキーウイルスB1型が分離された。2009年に分離されて以来、2年ぶりであった。なお、コクサッキーウイルスB1型は、本県では1993年〜2008年の16年間分離されていなかった。
  • A型インフルエンザの小児からインフルエンザAH3型が検出された。
細菌(平成23年5月24日〜平成23年6月6日までに検出)

全国第21週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は16.5で、前週比99%とほぼ横ばいであった。今週増加した主な疾患は水痘と咽頭結膜熱で、減少した主な疾患はインフルエンザであった。

水痘の報告数は6,119人(2.0)で、前週比125%と増加した。福井県(4.4)、鳥取県(3.8)、宮崎県(3.7)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約7割を占めた。

咽頭結膜熱の報告数は1,651人(0.53)で、前週比110%と増加した。佐賀県(1.6)、富山県(1.5)、福井県・滋賀県(1.3)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約7割を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核429例
  • 3類感染症
    コレラ1例、細菌性赤痢1例、腸管出血性大腸菌感染症49例
  • 4類感染症
    つつが虫病12例、デング熱1例、日本紅斑熱5例、マラリア1例、レジオネラ症7例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢4例、ウイルス性肝炎2例、急性脳炎1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症4例、後天性免疫不全症候群10例、髄膜炎菌性髄膜炎1例、梅毒8例、破傷風2例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、風疹13例、麻しん18例

インフルエンザ情報《県内第22週、全国第21週(再掲)》

県内第22週インフルエンザ発生動向

平成23年5月30日〜6月5日までの1週間で135人(定点あたり2.3)の報告があり、前週と比べ64%と減少した(図1-1,2)。都城(7.9)、中央(5.5)、高千穂(3.0)保健所からの報告が多かった(図2)。年齢別では5歳以下が全体の28%、6-9歳が43%、10-14歳が20%、15-19歳が2%、20歳以上が7%を占めた(図3)。

全国第21週インフルエンザ発生動向

平成23年5月23日〜5月29日までの1週間で5,415人(1.1)の報告があった。前週の69%と減少した。沖縄県(15.7)、佐賀県(5.1)、宮崎県(3.6)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の25%、6-9歳が32%、10-14歳が25%、15-19歳が5%、20-50歳代が11%、60歳以上が2%を占めた。

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