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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2011年第34号

第13巻第34号[宮崎県34週(8/22〜8/28)、全国33週(8/15〜8/21)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第34週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は792人(定点あたり24.6)で、前週比91%と減少した。

前週に比べ増加した主な疾患はRSウイルス感染症で、減少した主な疾患はヘルパンギーナと手足口病であった。

RSウイルス感染症の報告数は103人(2.9)で前週比134%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(0.14)の約20倍と多かった。日向(12.8)、延岡(5.0)保健所からの報告が多く、年齢別では2歳以下で全体の約9割を占めた。全て4歳以下の報告であった。

手足口病の報告数は182人(5.1)で前週比82%と減少した。例年同時期の定点あたり平均値(1.9)の約2.7倍であった。県全体で警報レベルを超えており、高鍋(8.8)、日南(7.0)、小林(6.7)保健所からの報告が多かった。年齢別では6ヶ月から3歳で全体の約9割を占めた。

無菌性髄膜炎1例が延岡保健所から報告された。患者は0ヶ月の女児であった。

マイコプラズマ肺炎1人が日南保健所から報告された。患者は10歳の女児で原因菌はMycoplasma pneumoniae であった。

保健所別流行警報開始基準値超過疾患
疾患別流行警報開始基準値超過疾患


全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核5例が宮崎市・日向(各2例)、高鍋(1例)保健所から報告された。
    《宮崎市保健所》
    • 70歳代の女性で肺結核。咳がみられた。
    • 80歳代の女性で肺結核。咳、痰がみられた。
    《高鍋保健所》
    30歳代の女性で肺結核。
    《日向保健所》
    • 80歳代の女性で疑似症患者。発熱、腹部膨満感、腹水がみられた。
    • 60歳代の男性で肺結核。咳、発熱がみられた。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症4例が都城・高鍋(各2例)保健所から報告された。
    《都城保健所》
    • 2歳の女児で水様性下痢、血便、嘔吐がみられた。原因菌はO157(VT2産生)。
    • 7ヶ月の男児で無症状病原体保有者。原因菌はO157(VT2産生)。
    《高鍋保健所》
    • 60歳代の男性で腹痛、水様性下痢、血便、発熱がみられた。原因菌はO157(VT2産
      生)。
    • 60歳代の女性で腹痛、水様性下痢がみられた。原因菌はO157(VT2産生)。
  • 4類感染症
    レジオネラ症1例が宮崎市保健所から報告された。50歳代の男性で肺炎型。発熱、腹痛、下痢、意識障害、肺炎がみられた。
  • 5類感染症
    報告なし。

病原体情報(衛生環境研究所 微生物部)

細菌(平成23年8月16日〜平成23年8月29日までに検出)

  • 当所では今年初めてとなる毒素原性大腸菌(ETEC)が3件同定された。そのうち2名からは海外渡航暦が確認されたが、もう1名の感染経路は不明であった。ETECは食中毒原因菌として重要であるとともに、海外渡航後に罹る旅行者下痢症としても重要である。H18年度〜現在までの当所における検出数は、H18年(19株)、H19年(5株)、H20年(0)、H21年(2株)、H22年(0)で、渡航先が確認された人数は、中国が8名、香港1名、インドネシア1名、およびトルコへの渡航者が1名である。
ウイルス(平成23年8月16日〜平成23年8月29日までに検出)

  • 呼吸器ウイルス感染症疑いの乳児の咽頭ぬぐい液からRSウイルスとライノウイルスが検出された。
  • 手足口病、ヘルパンギーナ、エンテロウイルス感染症疑いと診断された小児14名及び乳児1名からコクサッキーウイルスA6型が検出された。コクサッキーウイルスA6型の検出数は、全国的に6月下旬をピークに減少している。また、30歳代の成人1名から、ライノウイルスとコクサッキーウイルスA6型が検出された。

全国第33週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は14.0で、前週比84%と減少した。今週増加した主な疾患はなかった。減少した主な疾患はヘルパンギーナと伝染性紅斑であった。

RSウイルス感染症の報告数は857人(0.28)で、前週比100%であった。宮崎県(2.1)、鹿児島県(1.3)、大阪府(1.1)からの報告が多く、年齢別では2歳以下で全体の約9割を占めた。

手足口病の報告数は13,225人(4.3)で、前週比76%と減少した。青森県(12.6)、岩手県(10.7)、秋田県(9.6)からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳で全体の約6割を占めた。

全数把握対象疾患
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核327例
  • 3類感染症
    細菌性赤痢2例、腸管出血性大腸菌感染症138例
  • 4類感染症
    E型肝炎1例、つつが虫病1例、デング熱1例、日本紅斑熱1例、マラリア1例、レジオネラ症11例、レプトスピラ症1例
  • 5類感染症
    アメーバ赤痢1例、ウイルス性肝炎4例、急性脳炎3例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群17例、ジアルジア症1例、梅毒11例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、風疹12例、麻しん2例

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