定点医療機関からの報告総数は607人（定点あたり19.9）で、前週比105％とやや増加した。

前週に比べ増加した疾患は感染性胃腸炎と流行性角結膜炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症であった。

感染性胃腸炎の報告数は198人（5.5）で前週比121％と増加した。例年同時期の定点あたり平均値（5.9）の約9割である。小林（23.0）・都城（7.7）保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月〜2歳で全体の約半数を占めた。

マイコプラズマ肺炎2人が延岡保健所から報告された。患者は8歳の女児と11ヶ月の女児で病原体はMycoplasma pneumoniae であった。

• 1類感染症
  報告なし。
• 2類感染症
  結核4例が宮崎市（3例）、日南（1例）保健所から報告された。
  《宮崎市保健所》
  • 60歳代の男性で肺結核。
  • 70歳代の男性でその他の結核（結核性胸膜炎）。胸痛がみられた。
  • 80歳代の男性でその他の結核（粟粒結核）。発熱、呼吸困難がみられた。
  《日南保健所》
  70歳代の女性で肺結核。咳、発熱、呼吸困難がみられた。
• 3類感染症
  腸管出血性大腸菌感染症2例が高鍋保健所から報告された。
  • 10歳の男子で腹痛、水様性下痢、発熱がみられた。原因菌はO26（VT1産生）。
  • 70歳代の女性で無症状病原体保有者。原因菌はO26（VT1産生）。
• 4類感染症
  報告なし。
• 5類感染症
  ウイルス性肝炎（B型）1例が宮崎市保健所から報告された。20歳代の女性で全身倦怠感、嘔吐、褐色尿、肝機能異常、黄疸がみられた。
  

(　)内は今週届出分、再掲

• 下痢症状を呈した乳幼児から、腸管病原性大腸菌（ EPEC）O26が検出された。EPECは粘膜上皮細胞へ付着した後、微繊毛を破壊して下痢症を誘導するattaching and effacing lesions（A/E傷害）と呼ばれる特徴的な病変を引き起こす。
• 下痢・血便が見られた60代前半の女性から、腸管出血性大腸菌O145（VT1,2)が分離された。2000年〜2009年にかけての国内統計によると、O145は7番目に検出数の多いEHECである。VT型別累計では、VT1のみ陽性が約68％、VT2のみ陽性は約28％、VT1とVT2の両方とも陽性は4％程度である。

報告なし。

定点医療機関あたりの患者報告総数は11.3で、前週比112％と増加した。今週増加した主な疾患は伝染性紅斑とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患はヘルパンギーナであった。

伝染性紅斑の報告数は649人（0.21）で、前週比162％と増加した。島根県（0.65）、徳島県（0.57）、高知県（0.53）からの報告が多く、年齢別では3〜6歳が全体の約6割を占めた。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は2,516人（0.80）で、前週比154％と増加した。福井県（2.1）、石川県・大分県（各1.4）、山口県・宮崎県（各1.3）からの報告が多く、年齢別では4〜7歳が全体の約半数を占めた。

• 1類感染症
  報告なし。
• 2類感染症
  結核392例
• 3類感染症
  細菌性赤痢7例、腸管出血性大腸菌感染症61例、腸チフス2例
• 4類感染症
  E型肝炎1例、A型肝炎1例、チクングニア熱1例、つつが虫病3例、デング熱6例、日本紅斑熱5例、日本脳炎1例、マラリア5例、レジオネラ症15例、レプトスピラ症1例
• 5類感染症
  アメーバ赤痢13例、ウイルス性肝炎5例、急性脳炎1例、クロイツフェルト・ヤコブ病2例、後天性免疫不全症候群15例、梅毒12例、破傷風1例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1例、風しん3例
  

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宮崎県感染症週報2011年40号（PDFファイル / 329KB）

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