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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2012年第32号

第14巻第32号[宮崎県第32週(8/6〜8/12)全国第31週(7/30〜8/5)

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第32週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は572人(定点あたり20.2)で、前週比100%と横ばいであった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

前週に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎と手足口病で、減少した主な疾患はヘルパンギーナであった。

【感染性胃腸炎】

  • 報告数は181人(6.0)で前週比121%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(5.3)の約1.1倍である。小林(17.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約6割を占めた。

【手足口病】

  • 報告数は92人(3.1)で前週比120%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(3.9)の約8割である。延岡(14.0)、日向(8.5)保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から4歳が全体の約9割を占めた。

【ヘルパンギーナ】

  • 報告数は135人(4.5)で前週比73%と減少したが、前週より増加している地域もあるので、しばらく注意が必要である。例年同時期の定点あたり報告数(3.7)の約1.2倍である。延岡(14.3)、日向(12.8)保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から3歳が全体の約8割を占めた。

基幹定点からの報告
  • 報告なし。
流行警報開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核5例。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症16例。
  • 《宮崎市保健所》 患者3例、無症状病原体保有者3例 主な症状は、水様性下痢、血便。
    《都城保健所》 患者2例、無症状病原体保有者8例 主な症状は、水様性下痢、血便。

  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    報告なし。
全数把握対象疾患累積報告数(2012年第1週〜32週)

( )内は今週届出分、再掲

病原体情報(衛生環境研究所微生物部 平成24年8月12日までに検出)

ウイルス

  • ウイルス性髄膜炎を呈した小児の髄液からムンプスウイルスが検出された。
    本県では、2011年にもウイルス性髄膜炎、頸部硬直、唾液腺腫張の症状を伴った小児からムンプスウイルスが検出された。
  • 髄膜炎疑いの乳児からコクサッキーB5ウイルスが検出された。
    例年、夏から秋にかけて髄膜炎が多く見られるが、その原因ウイルスとしてエコーウイルスやコクサッキーウイルスによるものが多く報告されている。他にエンテロウイルス属以外では、ムンプスウイルス、単純ヘルペスウイルスなどがあげられる。
細菌

  • 7/14〜8/7に検査依頼のあった14名から腸管出血性大腸菌(EHEC)が5名、毒素原性大腸炎(ETEC)が2名、サルモネラ属菌が6名、百日咳菌が1名、それぞれ分離された。
    分離されたEHECはいずれも国内で報告の多い血清型であった。ETECが分離された患者のうち一人から2つの血清型が検出され、毒素型は同じSTpであった。ETECの事例では、しばしば複数の血清型や毒素型が混在していることがあるため、複数のコロニーを調べることも重要になる。宮崎県では散発的ながら百日咳菌が分離・検出されていることから、引き続き、感染が拡がらないよう注視していく必要がある。

全国第31週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は13.3で、前週比89%と減少した。今週増加した主な疾患はRSウイルス感染症で、減少した主な疾患はヘルパンギーナとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。

RSウイルス感染症の報告数は808人(0.26)で、前週比137%と増加した。沖縄県(1.8)、鹿児島県(1.7)、福岡県(1.0)からの報告が多く、年齢別では2歳以下が全体の約9割を占めた。

ヘルパンギーナの報告数は10,913人(3.5)で、前週比80%と減少した。新潟県(7.8)、長野県(6.9)、富山県(6.6)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約7割を占めた。

全数把握対象疾患(全国第31週)


月報告対象疾患の発生動向 <7月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は35人(2.7)で、前月比85%と減少した。また、昨年7月(3.9)の約7割であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数20人(1.5)で、前月の約9割、前年の約6割であった。都城(2.5)、宮崎市(2.3)保健所からの報告が多く、20歳代が全体の約6割、30歳代が約3割を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数6人(0.46)で、前月の約7割、前年の約1.2倍であった。20歳代が全体の約半数を占めた。
  • 尖圭コンジローマ
    報告数1人(0.08)で、前月の約3割、前年の半数であった。60歳代の報告であった。
  • 淋菌感染症
    報告数8人(0.62)で、前月の約1.3倍、前年の約7割であった。30歳代が全体の約4割を占めた。


【全国】定点医療機関総数:969
定点医療機関からの報告総数は4,241人(4.4)で、前月比104%と横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,249人(2.3)で前月比104%、性器ヘルペスウイルス感染症726人(0.75)で前月比97%、尖圭コンジローマ441人(0.46)で前月比98%、淋菌感染症825人(0.85)で前月比116%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は20人(2.9)で前月比80%と減少した。また、昨年7月(6.6)の約4割であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数17人(2.4)で、前月の約9割、前年の約4割であった。70歳以上が全体の約半数を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数2人(0.29)で、前月の約7割、前年の約4割であった。70歳以上の報告であった。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告数1人(0.14)で前月の半数、前年と同数であった。70歳以上の報告であった。
  • 薬剤耐性アシネトバクター感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:466
定点医療機関からの報告総数は2,068人(4.4)で、前月比103%と横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,790人(3.8)で前月比107%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症249人(0.53)で前月比80%、薬剤耐性緑膿菌感染症29人(0.06)で前月比120%、薬剤耐性アシネトバクター感染症の報告はなかった。

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