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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2013年第2号

第15巻第2号[宮崎県第2週(1/7〜1/13)全国第1週(12/31〜1/6)] 

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県平成25年第2週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1350人(定点あたり34.6)で、前週比146%と増加した。(前週は年末年始含む。)
前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザと咽頭結膜熱で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【インフルエンザ】

  • 報告数は500人(8.5)で前週比329%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(16.8)の約半数である。延岡(13.6)、中央(11.5)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の39%、6〜9歳が16%、10〜14歳が13%、15〜19歳が3%、20歳以上が29%を占めた。

【咽頭結膜熱】

  • 報告数は52人(1.4)で前週比274%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(0.36)の約4倍である。延岡(3.5)保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から2歳が全体の約4割を占めた。

【感染性胃腸炎】

  • 報告数は478人(13.3)で前週比125%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(17.4)の約8割である。小林(29.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約半数を占めた。

基幹定点からの報告
  • マイコプラズマ肺炎:宮崎市(1人)保健所から報告された。患者は10歳代。
  • 無菌性髄膜炎:都城(3人)保健所から報告された。患者は10ヶ月、1歳、2歳で、病原体はすべてRotavirus group unknown。
流行警報レベル開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核2例。
  • 3類感染症
    報告なし。
  • 4類感染症
    つつが虫病2例。
  • 5類感染症
    急性脳炎1例、後天性免疫不全症候群1例、破傷風1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2013年第1週〜2週)

( )内は今週届出分、再掲

病原体情報(衛生環境研究所微生物部 平成25年1月13日までに検出)

細菌

  • 0歳児から、分離法、LAMP法、PCRでBordetella pertussis(百日咳菌)が分離・検出された。近年、百日咳は青年・成人保菌者が乳幼児に対して感染源となることが問題になっている。
  • 細菌性髄膜炎疑いの70歳代男性から、Streptocoocus pneumoniae(肺炎球菌)が分離されている。感染症法において定点把握対象五類感染症である細菌性髄膜炎は指定届出機関が届け出ることになっている。また、髄膜炎菌性髄膜炎(Neisseria meningitidisによるもの)は全数把握対象五類感染症であり、診断した医師は届け出ることになっている。
ウイルス(サーベイランス)

  • 急性気管支炎と診断された小児からライノウイルスが検出された。
ノロウイルス検出情報

検出なし。(検査依頼なし)

全国第1週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は12.7で、前週比56%と減少した(年末年始含む)。今週増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患は感染性胃腸炎とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。

インフルエンザの報告数は18,652人(3.9)で、前週比117%と増加した。群馬県(15.0)、茨城県(9.9)、福島県(9.8)からの報告が多く、年齢別では、5歳以下が19%、6〜9歳が8%、10〜14歳が7%、15〜19歳が6%、20歳以上が60%を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は13,133人(4.4)で、前週比38%と減少した。徳島県(12.3)、香川県(11.0)、宮崎県(10.6)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約4割を占めた。

全数把握対象疾患(全国第1週)

月報告対象疾患の発生動向 <12月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は26人(2.0)で、前月比72%と減少した。また、昨年12月(3.1)の約7割であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数10人(0.77)で、前月及び前年の約4割であった。20歳代が全体の約4割を占めた。
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数7人(0.54)で、前月の約1.2倍、前年の約1.4倍であった。20歳代が全体の約6割を占めた。
  • 尖圭コンジローマ
    報告はなかった。
  • 淋菌感染症
    報告数9人(0.69)で、前月の約1.8倍、前年の約9割であった。20歳代が全体の約4割を占めた。


【全国】定点医療機関総数:967
定点医療機関からの報告総数は3,680人(3.8)で、前月比95%と横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,829人(1.9)で前月比93%、性器ヘルペスウイルス感染症683人(0.71)で前月比97%、尖圭コンジローマ440人(0.46)で前月比94%、淋菌感染症728人(0.75)で前月比97%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
医療機関からの報告総数は55人(7.9)で前月比120%と増加した。また、昨年12月(4.1)の約1.9倍であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数54人(7.7)で、前月の約1.3倍、前年の約2.2倍であった。70歳以上が全体の約半数を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告はなかった。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告数1人(0.14)で、前月及び前年と同程度であった。70歳以上の報告であった。
  • 薬剤耐性アシネトバクター感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:469
定点医療機関からの報告総数は2,045人(4.4)で、前月比95%と横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,725人(3.7)で前月比97%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症300人(0.64)で前月比89%、薬剤耐性緑膿菌感染症20人(0.04)で前月比50%、薬剤耐性アシネトバクター感染症の報告はなかった。

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