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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2013年第30号

第15巻第30号[宮崎県第30週(7/22〜7/28)全国第29週(7/15〜7/21)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県平成25年第30週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は809人(定点あたり25.3)で、前週比116%と増加した。
前週に比べ増加した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナで、大きく減少した疾患はなかった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【手足口病】

  • 報告数は252人(7.0)で前週比115%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値*(5.2)の約1.4倍である。日向(12.3)、延岡(10.3)保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から2歳が全体の約8割を占めた。

【ヘルパンギーナ】

  • 報告数は140人(3.9)で前週比139%と増加したが、例年同時期の定点あたり平均値*(4.6)の約8割である。延岡(11.0)保健所からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から2歳が全体の約7割を占めた。
    * 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
  • 無菌性髄膜炎:宮崎市、都城保健所管内で各1人報告された。
    ・患者は7ヶ月で病原体は不明。
    ・患者は5ヶ月で病原体はRSウイルス。
流行警報レベル開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核3例。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症10例。
  • 4類感染症
    重症熱性血小板減少症候群1例、日本紅斑熱1例。
  • 5類感染症
    ウイルス性肝炎1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2013年第1週〜30週)

( )内は今週届出分、再掲

病原体情報(衛生環境研究所微生物部平成25年7月29日までに検出)

ウイルス

  • 髄膜炎と診断された乳児1名、エンテロウイルス感染症疑いの幼児1名、風疹、麻疹疑いの幼児1名からエコーウイルス18型が分離された。エンテロウイルスは夏季を中心に多く検出され、年によって種々のタイプのエンテロウイルスが周期的に流行する。今年度、当所でのエコーウイルス18型の分離は13例あり、エンテロウイルス属の中では最も多く分離されている。エコーウイルス18型が分離された患者の年齢は1歳未満が最も多く、また、臨床症状としては発熱、発疹、髄膜炎、上気道炎などの症状がみられた。
細菌

  • 患者2名から腸管出血性大腸菌が検出された。
  • 患者4名からSalmonella属菌が検出された。そのうち、患者2名からSalmonella Corvallisが検出された。
    S.Corvallisは、全国的に分離頻度が少ないが、宮崎では比較的よく分離される血清型である。また、Salmonella属菌は食中毒の原因菌の一つで、一般的に加熱不十分な鶏肉や卵などが主な感染源となる。昨年本県で実施された食品収去検査では、鶏肉からS.Corvallisが2件分離されている。Salmonella属菌による食中毒の報告数は毎年夏にピークをむかえることから、今後も引き続き注意が必要である。

全国第29週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は18.9で、前週比98%と横ばいであった。今週増加した主な疾患は手足口病で、減少した主な疾患は感染性胃腸炎とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。

手足口病の報告数は25,455人(8.1)で前週比115%と増加した。埼玉県(18.7)、東京都(13.7)、大分県・山口県(各12.6)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約7割を占めた。

全数把握対象疾患(全国第29週)

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