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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2013年第36号

第15巻第36号[宮崎県第36週(9/2〜9/8)全国第35週(8/26〜9/1)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県平成25年第36週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は694人(定点あたり22.9)で、前週比103%と横ばいであった。
前週に比べ増加した主な疾患は水痘で、減少した主な疾患は手足口病であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【水痘】

  • 報告数は49人(1.4)で前週比327%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値*(1.1)の約1.3倍である。小林(4.3)、延岡(3.5)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳が全体の約7割を占めた。

【RSウイルス感染症】

  • 報告数は101人(2.8)で前週比85%と減少した。例年同時期の定点あたり平均値*(2.7)と同程度である。延岡(7.8)、都城(5.5)保健所からの報告が多かった。年齢別では6ヶ月未満が全体の約1割、6〜11ヶ月が約2割、1歳が約半数、2歳が約1割を占めた。
  • * 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基礎幹定点からの報告
  • 無菌性髄膜炎:日南保健所管内で1人報告された。患者は5歳。
流行警報レベル開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患(36週までに届出のあったもの)

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核4例。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症26例。
  • 4類感染症
    報告なし。
  • 5類感染症
    後天性免疫不全症候群1例。

 

全数把握対象疾患累積報告数(2013年第1週〜36週)

( )内は今週届出分、再掲

病原体情報(衛生環境研究所微生物部 平成25年9月8日までに検出)

細菌

  • 感染性胃腸炎およびギランバレー症候群を発症した10歳代の男性患者から、Campylobacter jejuni が分離された。国立感染症研究所の病原微生物検出情報(IASR) Vol.27によると、ギランバレー症候群患者の約30%はC. jejuni 感染症に関連したものと推定されている。ギランバレー症候群は、急に発症する末梢神経疾患で、四肢の運動麻痺や呼吸筋麻痺、神経麻痺等を主症状とする。予後は良好であることが多いが、C. jejuni 感染症に関連したギランバレー症候群は末梢神経障害をきたしやすく、本症の先行感染の病原体としては高頻度で重症化し、後遺症を残すという報告がある。
  • 0歳児からパラ百日咳菌が分離された。パラ百日咳菌は百日咳菌に比べ症状が軽いとされているが、本県では分離事例が少ないため、疫学的な背景も含め詳細については不明な点が多い。なお、菌の分離はシクロデキストリン固形培地(CSM)等でコロニーおよびその周辺が褐色を呈するという特徴があり、また、百日咳菌に比べて発育が早いことなどから比較的容易である。なお、菌の同定は市販の抗血清等が無いことから、パラ百日咳菌に特有の遺伝子などを調べる必要がある。
ウイルス

  • 出血性膀胱炎を呈した幼児からアデノウイルス11型が検出された。
  • エンテロウイルス感染症疑いの乳児からコクサッキーウイルスA6型が検出された。
  • ウイルス性髄膜炎疑いの乳児からコクサッキーウイルスB3型が分離された。
  • 髄膜炎疑いの幼児からエコーウイルス30型が分離された。

全国第35週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は12.8で、前週比99%と横ばいであった。今週増加した主な疾患はRSウイルス感染症で、減少した主な疾患は水痘であった。

RSウイルス感染症の報告数は2,004人(0.64)で前週比156%と増加した。宮崎県(3.3)、島根県(3.0)、佐賀県(2.6)からの報告が多く、年齢別では2歳以下が全体の約9割を占めた。

手足口病の報告数は13,297人(4.3)で前週比100%と横ばいであった。新潟県(12.2)、長野県(10.8)、北海道(8.2)からの報告が多く、年齢別では6ヶ月から3歳が全体の約8割を占めた。

全数把握対象疾患(全国第35週)

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