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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2013年第50号

第15巻第50号[宮崎県第50週(12/9〜12/15)全国第49週(12/2〜12/8)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県平成25年第50週の発生動向

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(全数把握対象)の報告が宮崎市保健所から2例あった。県内での報告は8例となった。7例目は70歳代女性、発症は11月下旬、ダニの刺し口はなく、海外渡航歴もなかった。8例目は、50歳代女性、発症は12月上旬、数日後死亡、ダニの刺し口はなく、海外渡航歴もなかった。
風しん(全数把握対象)の報告が宮崎市保健所から1例あり、50週までの累積報告数は24例となった。患者は30歳代でワクチン接種歴はなかった。
● 定点医療機関からの報告総数は1,182人(定点あたり36.6)で、前週比108%と増加した。前週に比べ増加した主な疾患は水痘と手足口病で、大きく減少した疾患はなかった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【感染性胃腸炎】

  • 報告数は700人(19.4)で前週比101%と横ばいであった。例年同時期の定点あたり平均値*(20.6)の約9割である。日南(36.7)、中央(24.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約半数を占めた。
  • * 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

【水痘】

  • 報告数は101人(2.8)で前週比135%と増加したが、例年同時期の定点あたり平均値*(3.8)の約7割である。日南(11.3)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約7割を占めた。

【手足口病】

  • 報告数は124人(3.4)で前週比113%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値*(0.39)と比較してかなり多い。日南(11.7)、延岡(7.5)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約9割を占めた。

基礎幹定点からの報告
  • マイコプラズマ肺炎:宮崎市保健所管内から1人報告された。患者は5歳。
流行警報レベル開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患(50週までに届出のあったもの)

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核4例。
  • 3類感染症
    報告なし。
  • 4類感染症
    重症熱性血小板減少症候群2例、つつが虫病2例。
  • 5類感染症
    風しん1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2013年第1週〜50週)

( )内は今週届出分、再掲

病原体情報 (衛生環境研究所微生物部 2013年12月17日までに検出)

ウイルス

  • インフルエンザA型と診断された幼児からインフルエンザAH3型が検出された。本県では今シーズンに入り1例目の検出である。全国的なインフルエンザの流行状況は、12月18日現在でAH3型が最も多く、次いでAH1pdm09、B型の順となっている。また、定点当たりの患者報告数は毎週増加しており、本格的な流行が始まる前の予防対策が必要である。
細菌

全国第49週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は22.1で、前週比117%と増加した。今週増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は手足口病であった。

インフルエンザの報告数は3,294人(0.67)で前週比152%と増加した。佐賀県(2.7)、鹿児島県(2.4)、山口県・高知県(2.0)からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の29%、6-9歳が26%、10-14歳が16%、15-19歳が3%、20歳以上が26%を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は41,347人(13.1)で前週比127%と増加した。埼玉県(25.4)、群馬県(21.9)、東京都(21.5)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳が全体の約半数を占めた。

全数把握対象疾患(全国第49週)

月報告対象疾患の発生動向 <11月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は49人(3.8)で、前月比163%と増加した。また、昨年11月(2.8)の約1.4倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数37人(2.9)で、前月の約2倍、前年の約1.5倍であった。20歳代が全体の約半数を占めた。(男性21人・女性16人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数3人(0.23)で、前月及び前年の約半数であった。 (女性のみ)
  • 尖圭コンジローマ
    報告数2人(0.15)で、前月及び前年の約2倍であった。(女性のみ)
  • 淋菌感染症
    報告数7人(0.54)で、前月の約1.8倍、前年の約1.4倍であった。(男性5人・女性2人)


【全国】定点医療機関総数:972
定点医療機関からの報告総数は4,026人(4.1)で、前月比94%と減少した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,066人(2.1)で前月比94%、性器ヘルペスウイルス感染症704人(0.72)で前月比96%、尖圭コンジローマ459人(0.47)で前月比90%、淋菌感染症797人(0.82)で前月比92%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は18人(2.6)で前月比69%と減少した。また昨年11月(6.6)の約4割であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数18人(2.6)で、前月の約7割、前年の約4割であった。70歳以上が全体の約7割、0歳が約2割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告はなかった。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告はなかった。
  • 薬剤耐性アシネトバクター感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:472
定点医療機関からの報告総数は1,842人(3.9)で、前月比94%と減少した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,549人(3.3)で前月比93%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症259人(0.55)で前月比104%、薬剤耐性緑膿菌感染症30人(0.06)で前月比100%、薬剤耐性アシネトバクター感染症4人であった。

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