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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2014年第2号

第16巻第2号[宮崎県第2週(1/6〜1/12)全国第1週(12/30〜1/5)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県平成26年第2週の発生動向

定点医療機関からの報告総数は1,218人(定点あたり32.8)で、前週比168%と増加した。(前週は年末年始含む。)
前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎で、大きく減少した疾患はなかった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【インフルエンザ】

  • 報告数は452人(7.7)で前週比217%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(18.0)の約4割である。小林(16.8)、延岡(10.9)、日南(10.2)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳以下が全体の35%、6〜9歳が20%、10〜14歳が11%、15〜19歳が4%、20歳代〜50歳代が26%、60歳以上が4%を占めた。

【感染性胃腸炎】

  • 報告数は416人(11.6)で前週比156%と増加した。例年同時期の定点あたり平均値(17.3)の約7割である。日南(25.3)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳から3歳が全体の約4割を占めた。

流行警報レベル開始基準値超過疾患

全数把握対象疾患

  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核6例。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症
    つつが虫病2例。
  • 5類感染症
    急性脳炎1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2014年第1週〜2週)

( )内は今週届出分、再掲

病原体情報(衛生環境研究所微生物部 2014年1月12日までに検出)

細菌

  • 発熱、下痢、嘔気、発疹、ショック等の症状を呈した女児からStaphylococcus aureus(エンテロトキシンC型TSST-1*遺伝子陽性)が検出された。黄色ブドウ球菌が産生する毒素には耐熱性の外毒素(エンテロトキシンA〜E)が知られているが、食中毒患者から分離される株の多くがエンテロトキシンA型、B型である。一方、急性全身性感染症(TSS)の原因毒素、TSST-1産生株はエンテロトキシンC型もしくはB型とC型を産生するものが多く、エンテロトキシン型産生株が分離された場合には、より詳細な検査が必要と考えられる。
    *…toxic shock syndrome toxin-1
ウイルス

  • インフルエンザA型と診断された小児3名からインフルエンザAH3型、1名からAH1pdm09型が検出された。インフルエンザB型と診断された小児1名からインフルエンザB型(山形系統)、1名からインフルエンザB型(ビクトリア系統)が検出された。提出された検体は全て宮崎市保健所管内の患者であった。本県でAH1pdm09型の検出は年ぶりで、B型も今シーズン初めてである。全国的にもインフルエンザの検出報告は増加しており、1月15日現在でAH3型が最も多く、次いでAH1pdm09、B型(ビクトリア系統)、B型(山形系統)の順となっている。

全国第1週の発生動向

定点医療機関あたりの患者報告総数は9.9で、前週比42%と減少した(年末年始含む)。今週増加した主な疾患はインフルエンザで、減少した主な疾患は感染性胃腸炎とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。

インフルエンザの報告数は9,891人(2.2)で、前週比114%と増加した。沖縄県(13.1)、岐阜県(8.2)、高知県(6.5)からの報告が多く、年齢別では、5歳以下が全体の19%、6〜9歳が11%、10〜14歳が9%、15〜19歳が5%、20歳代〜50歳代が48%、60歳以上が8%を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は12,312人(4.3)で、前週比31%と減少した。茨城県(13.0)、徳島県(12.0)、香川県・大分県(各9.9)からの報告が多く、年齢別では1歳から4歳で全体の約4割を占めた。

全数把握対象疾患(全国第1週)

月報告対象疾患の発生動向 <12月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は30人(2.3)で、前月比61%と減少した。また、昨年12月(2.0)の約1.2倍であった。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数19人(1.5)で、前月の約半数、前年の約1.9倍であった。20歳代・30歳代が全体のそれぞれ約3割を占めた。(男性14人・女性5人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数7人(0.54)で、前月の約2.3倍、前年と同程度であった。(女性のみ)
  • 尖圭コンジローマ
    報告数2人(0.15)で、前月と同程度であった(前年報告なし)。(男性1人・女性1人)
  • 淋菌感染症
    報告数2人(0.15)で、前月の約3割、前年の約2割であった。(男性1人・女性1人)


【全国】定点医療機関総数:973
定点医療機関からの報告総数は3,803人(3.9)で、前月比94%と減少した。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,898人(2.0)で前月比92%、性器ヘルペスウイルス感染症724人(0.74)で前月比103%、尖圭コンジローマ448人(0.46)で前月比98%、淋菌感染症733人(0.75)で前月比92%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は19人(2.7)で前月比106%と増加した。また昨年12月(7.9)の約3割であった。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数18人(2.6)で、前月と同程度、前年の約3割であった。70歳以上が全体の約8割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数1人(0.14)であった(前月及び前年報告なし)。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告はなかった。
  • 薬剤耐性アシネトバクター感染症
    報告はなかった。

【全国】 定点医療機関総数:470
定点医療機関からの報告総数は1,845人(3.9)で、前月比101%と横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,545人(3.3)で前月比100%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症269人(0.57)で前月比104%、薬剤耐性緑膿菌感染症18人(0.04)で前月比67%、薬剤耐性アシネトバクター感染症13人であった。

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