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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2015年第18号

第17巻18号[宮崎県第18週(4/27〜5/3) 全国第17週(4/20〜4/26)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県2015年第18週の発生動向

トピックス

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(全数報告の感染症)の報告が延岡保健所から1例あった。県内での報告は今年初めてで、累計20例目となった。患者は50歳代女性で、発症は4月中旬であった。ダニの刺し口は確認できず、海外渡航歴もなかった。

全数報告の感染症(18週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症
    報告なし。
  • 2類感染症
    結核6例。
  • 3類感染症
    腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症
    A型肝炎1例、重症熱性血小板減少症候群1例、日本紅斑熱1例。
  • 5類感染症
    ウイルス性肝炎1例、水痘(入院例)1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2015年第1週〜18週)

( )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は911人(定点当たり26.1)で、前週比104%とほぼ横ばいであった。前週に比べ増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎とヘルパンギーナであった。減少した主な疾患はインフルエンザと咽頭結膜熱であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【咽頭結膜熱】

・報告数は42人(1.2)で、前週比74%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.88)の約1.3倍であった。日南(3.3)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳が全体の約4割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】

・報告数は124人(3.4)で、前週比153%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(2.3)の約1.5倍であった。日南(8.0)保健所からの報告が多く、年齢別推移はグラフ参照。

基幹定点からの報告

○感染性胃腸炎(ロタウイルス):
延岡保健所管内で1例、高鍋保健所管内で2例、日向保健所管内で1例報告された。年齢別では1〜4歳が2例、10歳代及び70歳代が各1例ずつで、原因病原体の群別不明。

流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成27年5月7日までに検出)

細菌
報告なし。
ウイルス

◯気管支炎、気管支肺炎と診断された乳児2名と百日咳疑いの乳児1名からライノウイルスが検出された。ライノウイルスは主に鼻、喉などの上気道に症状がみられるが、生後3〜6ヵ月の乳児では免疫が弱く重症化しやすい。また、重症例では発熱が長期間続くことから細菌による二次感染が起きやすくなるため注意が必要である。
◯肺炎と診断された小児からヒトメタニューモウイルスが検出された。ヒトメタニューモウイルスは、2〜6月を中心に流行し、乳幼児や高齢者では気管支炎や肺炎など下気道に症状がみられる。近年、ヒトメタニューモウイルスによる高齢者施設での集団感染の報告もあり、成人の呼吸器感染症の原因ウイルスとしても重要視されている。

全国第17週の発生動向

全数報告の感染症(全国第17週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比108%と増加した。今週増加した主な疾患は咽頭結膜熱とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と手足口病で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症であった。

手足口病の報告数は3,347人(1.1)で、前週比138%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(0.30)の約3.5倍であった。島根県(4.3)、鳥取県(4.2)からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約6割を占めた。

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