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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2015年第46号

第17巻46号[宮崎県第46週(11/9〜11/15)全国第45週(11/2〜11/8)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県2015年第46週の発生動向

トピックス

つつが虫病(全数報告の感染症)の届出が都城保健所から4例、小林保健所から3例及び高鍋保健所から1例あった。県内での報告は今年累計15例となった。過去3年間に報告された患者の年齢別割合は60歳以上が約7割を占め、発生時期は11月をピークとして2月までである。推定感染経路は山林での作業(木の伐採、狩猟、山菜採り等)、畑仕事、庭の草木剪定、散歩等である。

全数報告の感染症(46週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核3例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症:つつが虫病8例。
  • 5類感染症:報告なし。

全数把握対象疾患累積報告数(2015年第1週〜46週)

( )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は815人(定点当たり25.2)で、前週比101%とほぼ横ばいであった。前週に比べ増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症と流行性耳下腺炎であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
・報告数は104人(2.9)で、前週比133%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値(1.7)の約1.7倍であった。年齢別では4〜6歳が全体の約半数を占めた
過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値。

【感染性胃腸炎】
・報告数は520人(14.4)で、前週比106%とやや増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(12.8)の約1.1倍であった。小林(25.7)、日南(24.3)保健所からの報告が多く、年齢別では1〜3歳が全体の約半数を占めた。

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:高鍋保健所から4例報告があった。5〜9歳が3例、40歳代が1例で、いずれも咽頭ぬぐい液からMycoplasma pneumoniaeが検出された。

流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成27年11月16日までに検出)

細菌

ウィルス

◯ギランバレー症候群疑いの小児の咽頭ぬぐい液からライノウイルスが検出された。同一患者の便と尿からはライノウイルスは検出されていない。また、急性耳下腺炎の小児の咽頭ぬぐい液からもライノウイルスが検出された。ライノウイルス感染者の約1/3が不顕性感染であると考えられ、多くは軽症である。現在ウイルス検査の主流は遺伝子検出になっていることから、臨床症状と検出ウイルスの整合性については慎重に判断する必要がある。

◯感染性胃腸炎の小児と乳児からノロウイルスGU型が検出された。ノロウイルスは冬場に患者が多くみられ、特に学校や高齢者福祉施設など人の多く集まる環境では集団感染が起きやすくなるため注意が必要である。人に感染するノロウイルスは主にGIとGIIの2種類で、さらにこれらの遺伝子群はGIでは9遺伝子型(GI.1〜GI.9)、GIIでは22遺伝子型(GII.1〜GII.22)に分類される。ノロウイルスの国内の検出状況は、2014年12月までGII.4が主流行株を占めていたが、2015年1月以降はGII.17の検出が多数報告されている。今後、当所でも試薬等の準備を行い、GU.17の検査体制を整えていく予定である。

全国第45週の発生動向

全数報告の感染症(全国第45週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比105%とやや増加した。前週と比較して増加した主な疾患は感染性胃腸炎と伝染性紅斑で、減少した主な疾患は手足口病であった。

RSウイルス感染症の報告数は4,717人(1.5)で前週比99%とほぼ横ばいであった。山形県(6.6)、福島県(5.2)、福井県(4.1)からの報告が多く、年齢別では1歳が全体の約4割を占めた。

月報告対象疾患の発生動向 <2015年10月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は34人(2.6)で、前月比180%と増加した。また、昨年10月(3.1)の約0.9倍であった。
《疾患別》
○性器クラミジア感染症:報告数20人(1.5)で、前月の約2.2倍、昨年10月の約0.7倍であった。20歳代が全体の6割を占めた。(男性9人・女性11人)
○性器ヘルペスウイルス感染症:報告数2人(0.15)で、前月の0.5倍、昨年10月と同じであった。(女性2人)
○尖圭コンジローマ:報告数2人(0.15)で、前月及び昨年10月の2.0倍であった。(男性2人)
○淋菌感染症:報告数10人(0.77)で、前月の2.0倍、昨年10月と同じであった。20歳代が全体の半数を占めた。(男性8人・女性2人)

【全国】定点医療機関総数:978
定点医療機関からの報告総数は4,130人(4.2)で、前月比104%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,180人(2.2)で前月比110%、性器ヘルペスウイルス感染症713人(0.73)で前月比95%、尖圭コンジローマ529人(0.54)で前月比108%、淋菌感染症708人(0.72)で前月比94%であった。
薬剤耐性菌

【宮崎県】定点医療機関総数:7
医療機関からの報告総数は17人(2.4)で前月比90%と減少した。また昨年10月(2.1)の約1.1倍であった。
《疾患別》
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数16人(2.3)で、前月の約0.8倍、昨年10月の約1.1倍であった。70歳以上が全体の約7割を占めた。
○ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告数1人(0.14)であった(前月及び昨年10月報告なし)。
○薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告はなかった。

【全国】定点医療機関総数:473
定点医療機関からの報告総数は1,562人(3.3)で、前月比100%と横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,378人(2.9)で前月比97%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症168人(0.36)で前月比133%、薬剤耐性緑膿菌感染症16人(0.03)で前月比60%であった。

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