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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2016年第6号

第18巻6号[宮崎県第6週(2/8〜2/14)全国第5週(2/1〜2/7)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県2016年第6週の発生動向

トピックス
  • インフルエンザ(定点把握の対象となる疾患)の第6週(2/8〜2/14)の定点当たりの報告数は39.7と、今シーズン初めて流行警報開始基準値(30.0)を上まわりました。昨シーズンと比較して4週遅れです。県内ではAH3型、AH1pdm09型、B型(山形系統、ビクトリア系統)が検出されています。
  • 流行性耳下腺炎(定点把握の対象となる疾患)の第6週(2/8〜2/14)の定点当たりの報告数は3.2と、流行注意報基準値(3.0)を上まわりました。
全数報告の感染症(6週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核1例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:梅毒2例。

全数把握対象疾患累積報告数(2016年第1週〜第6週)

( )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は3,230人(定点当たり67.3)で、前週比116%と増加した。前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザと流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は流行性角結膜炎であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【インフルエンザ】
・報告数は2,342人(39.7)で、前週比143%と大幅に増加し、今シーズン初めて流行警報開始基準値(30.0)を上まわった。都城(77.8)、延岡(54.0)、日向(45.3)保健所からの報告が多く、年齢別では5歳未満が全体の24%、5-9歳が34%、10-14歳が19%、15-19歳が4%、20-59歳が17%、60歳以上が2%を占めた。

【感染性胃腸炎】
・報告数は458人(12.7)で、前週比102%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値(13.1)と同程度であった。日南(28.0)、小林(21.0)保健所からの報告が多く、年齢別では1〜3歳が全体の約4割を占めた。

※ 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

【流行性耳下腺炎】
・報告数は114人(3.2)で、前週比116%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値(0.87)の約3.6倍であった。延岡(13.3)、小林(10.0)保健所からの報告が多く、年齢別では、5〜6歳が全体の約半数を占めた。

※ 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

【伝染性紅斑】
・報告数は36人(1.0)で、前週比113%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値(0.33)の約3.0倍であった。高千穂(3.0)、高鍋(2.0)保健所からの報告が多く、年齢別では、4〜7歳が全体の約6割を占めた。

 

基幹定点からの報告

○無菌性髄膜炎:都城保健所から1例報告があった。0〜4歳であった。
○マイコプラズマ肺炎:宮崎市保健所から3例、延岡保健所から1例報告があった。0〜4歳、5〜9歳、10歳代及び80歳代が各1例ずつであった。
○感染性胃腸炎(ロタウイルス):宮崎市保健所及び高鍋保健所から各1例ずつ報告があった。いずれも0〜4歳で、病原体の群別は不明であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成28年2月15日までに検出)

ウイルス

◯不明発疹症と診断された乳児2名のうち、1名からエコーウイルス16型、1名からエコーウイルス18型が分離された。当所でのエコーウイルス16型の検出は2004年以来13年ぶりである。一方、エコーウイルス18型は2006年に46例、2013年に35例検出されている。エンテロウイルス属には60以上の血清型が存在し、毎年流行する血清型や流行の規模も大きく変化することが知られている。エンテロウイルスは主に夏季に流行することから、今後の動向に注視する必要がある。

細菌

報告なし。

全国第5週の発生動向

全数報告の感染症(全国第5週)
定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比131%と増加した。前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は伝染性紅斑であった。

インフルエンザの報告数は171,570人(34.7)で前週比154%と増加した。神奈川県(49.0)、埼玉県(47.5)、愛知県(45.2)からの報告が多く、24都道府県で流行警報開始基準値(30.0)を上まわっている。年齢別では、5歳未満が20%、5-9歳が37%、10-14歳が16%、15-19歳が3%、20-59歳が20%、60歳以上が4%であった。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は11,459人(3.6)で前週比108%と増加した。鳥取県(9.0)、山形県(8.7)からの報告が多く、流行注意報基準値(8.0)を上まわっている。年齢別では、4〜6歳が全体の約4割を占めた。

インフルエンザ情報《県内第6週、全国第5週(再掲)》

県内第6週インフルエンザ発生動向

2016年2月8日〜2月14日までの1週間で2,342人(定点当たり39.7)の報告があり、前週の約1.4倍に増加し今シーズン初めて流行警報開始基準値(30.0)を上まわった(図1)。例年同時期の定点当たり平均値(35.7)の約1.1倍であった。保健所別報告数を(図2)、年齢群別報告数の割合の推移を(図3)に示す。

全国第5週インフルエンザ発生動向

2015年2月1日〜2月7日までの1週間で171,570人(34.7)の報告があり前週比154%と増加した。神奈川県(49.0)、埼玉県(47.5)、愛知県(45.2)からの報告が多く、24都道府県で流行警報開始基準値(30.0)を上まわっている。年齢別では、5歳未満が20%、5-9歳が37%、10-14歳が16%、15-19歳が3%、20-59歳が20%、60歳以上が4%であった。

月報告対象疾患の発生動向 <2016年1月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は25人(1.9)で、前月比86%と減少した。また、昨年1月(2.6)の74%であった。
《疾患別》
○性器クラミジア感染症:報告数18人(1.4)で、前月の約1.1倍、昨年1月の約0.8倍であった。20歳代が全体の約4割を占めた。(男性7人・女性11人)
○性器ヘルペスウイルス感染症:報告数2人(0.15)で、前月の約0.3倍、昨年1月の0.5倍であった。(男性1人・女性1人)
○尖圭コンジローマ:報告数2人(0.15)で、前月と同じ、昨年1月の2.0倍であった。
(女性2人)
○淋菌感染症:報告数3人(0.23)で、前月の約0.8倍、昨年1月の約0.4倍であった。
(男性2人・女性1人)

【全国】定点医療機関総数:973
定点医療機関からの報告総数は3,799人(3.9)で、前月比101%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,945人(2.0)で前月比101%、性器ヘルペスウイルス感染症682人(0.70)で前月比95%、尖圭コンジローマ441人(0.45)で前月比102%、淋菌感染症731人(0.75)で前月比106%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は22人(3.1)で前月比116%と増加した。また昨年1月(3.7)の約0.8倍であった。
《疾患別》
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数21人(3.0)で、前月の約1.2倍、昨年1月の約0.9倍であった。70歳以上が全体の約7割を占めた。
○ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告数1人(0.14)で、前月と同じ、昨年1月の0.5倍であった。
○薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。

【全国】 定点医療機関総数:474
定点医療機関からの報告総数は1,530人(3.2)で、前月比97%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,346人(2.8)で前月比99%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症173人(0.36)で前月比88%、薬剤耐性緑膿菌感染症11人(0.02)で前月比67%であった。

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