所長挨拶 研究所の紹介 発表・調査研究 情報・ニュース 宮崎県感染症情報センター 見学と研修のお申し込み リンク集 お問い合わせ

宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2016年第10号

第18巻10号[宮崎県第10週(3/7〜3/13)全国第9週(2/29〜3/6)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県2016年第10週の発生動向

全数報告の感染症(10週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核4例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:アメーバ赤痢1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2016年第1週〜第10週)

( )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

・定点医療機関からの報告総数は3,205人(定点当たり68.2)で、前週比88%と減少した。前週に比べ増加した主な疾患は咽頭結膜熱で、減少した主な疾患はインフルエンザとRSウイルス感染症であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【インフルエンザ】
・報告数は2,472人(41.9)で、前週比82%と減少し、例年同時期の定点当たり平均値(15.1)の約2.8倍であった。日南(49.4)、宮崎市(48.3)、延岡(47.4)保健所からの報告が多く、年齢群別では5歳未満が全体の23%、5-9歳が38%、10-14歳が19%、15-19歳が3%、20-59歳が13%、60歳以上が4%を占めた。詳細後述。
※ 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

【流行性耳下腺炎】
・報告数は89人(2.5)で、前週比97%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値(0.80)の約3.1倍であった。延岡(11.0)、小林(6.7)保健所からの報告が多く、年齢別では4〜5歳が全体の約4割を占めた。

基幹定点からの報告

○細菌性髄膜炎:小林保健所から1例報告があった。60歳代で、病原体は検査中である。
○無菌性髄膜炎:都城保健所から1例報告があった。0〜4歳であった。
○マイコプラズマ肺炎:宮崎市保健所から4例、延岡保健所から1例報告があった。0〜4歳が1例、5〜9歳が3例、10歳代が1例であった。
○感染性胃腸炎(ロタウイルス):宮崎市及び日向保健所から各5例ずつ、高鍋保健所から2例報告があった。0〜4歳が10例、5〜9歳が1 例、50歳代が1例であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成28年3月14日までに検出)

細菌

○3名の患者からO型別不明の腸管病原性大腸菌(EPEC)が分離された。EPECの判定基準はeae(インチミン遺伝子)陽性の大腸菌で、ST/LT/VTを持たない大腸菌とされている。従来、EPECは特定のO群血清型検出で報告されていたが、現在はPCR法によるeaeの有無で判定されることから、今後もOUTのEPECは増えることが予想される。

ウイルス

◯無菌性髄膜炎と診断された1名、エンテロウイルス疑いの1名、不明発疹症の1名からエコーウイルス16型が分離された。また、不明発疹症の1名からエコーウイルス18型とエコーウイルス16型が分離された。エコーウイルスは乳幼児では発疹症を起こしやすく、幼・学童期では無菌性髄膜炎を起こしやすい傾向があると言われている。今回エコーウイルスが分離された4例中3例は1歳未満の乳児で症状はいずれも発疹である。エコーウイルスをふくむエンテロウイルス属は、症状がおさまっても2〜4週間はウイルスが便に排泄されるため、乳幼児のいる家庭ではウイルスが蔓延しないよう対策が必要である。

全国第9週の発生動向

全数報告の感染症(全国第9週)
定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比99%とほぼ横ばいであった。前週と比較して増加した疾患は手足口病と伝染性紅斑で、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。

インフルエンザの報告数は174,970人(35.4)で前週比98%とほぼ横ばいであった。前週と比較して増加しているのは22都道府県で、特に愛知県(57.4)、愛媛県(56.9)、鹿児島県(51.6)からの報告が多い。年齢群別では5歳未満が20%、5-9歳が35%、10-14歳が18%、15-19歳が4%、20-59歳が18%、60歳以上が5%であった。

伝染性紅斑の報告数は1,554人(0.49)で前週比107%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値(0.26)の約1.9倍であった。秋田県・山形県(各2.1)からの報告が多く、年齢別では4〜6歳が全体の約半数を占めた。

インフルエンザ情報《県内第10週、全国第9週(再掲)》

県内第10週インフルエンザ発生動向

2016年3月7日〜3月13日までの1週間で2,472人(定点当たり41.9)の報告があった。前週の約0.8倍と減少し、例年同時期の定点当たり平均値(15.1)の約2.8倍であった(図1)。日南(49.4)、宮崎市(48.3)、延岡(47.4)保健所からの報告が多く(図2)、年齢群別では5歳未満が全体の23%、5-9歳が38%、10-14歳が19%、15-19歳が3%、20-59歳が13%、60歳以上が4%を占めた(図3)。

全国第9週インフルエンザ発生動向

2016年2月29日〜3月6日までの1週間で174,970人(35.4)で、前週比98%とほぼ横ばいであった。前週と比較して増加しているのは22都道府県で、特に愛知県(57.4)、愛媛県(56.9)、鹿児島県(51.6)からの報告が多い。年齢群別では5歳未満が20%、5-9歳が35%、10-14歳が18%、15-19歳が4%、20-59歳が18%、60歳以上が5%であった。

月報告対象疾患の発生動向 <2016年2月>

性感染症

宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は33人(2.5)で、前月比132%と増加した。また、昨年2月(2.7)の94%であった。
《疾患別》
○性器クラミジア感染症:報告数23人(1.8)で、前月の約1.3倍、昨年2月の約0.9倍であった。20歳代が全体の約半数を占めた。(男性8人・女性15人)
○性器ヘルペスウイルス感染症:報告数5人(0.38)で、前月の2.5倍、昨年2月の約1.3倍であった。(男性2人・女性3人)
○尖圭コンジローマ:報告数3人(0.23)で、前月の1.5倍であった。(昨年2月報告なし)
(男性1人・女性2人)
○淋菌感染症:報告数2人(0.15)で、前月の約0.7倍、昨年2月の0.4倍であった。(男性2人)

【全国】定点医療機関総数:975
定点医療機関からの報告総数は3,706人(3.8)で、前月比98%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,899人(2.0)で前月比98%、性器ヘルペスウイルス感染症738人(0.76)で前月比109%、尖圭コンジローマ430人(0.44)で前月比98%、淋菌感染症639人(0.66)で前月比88%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は20人(2.9)で前月比91%と減少した。また昨年2月(4.1)の約0.7倍であった。
《疾患別》
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数20人(2.9)で、前月の約1.0倍、昨年2月の約0.7倍であった。70歳以上が全体の約7割を占めた。
○ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
○薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。

【全国】 定点医療機関総数:475
定点医療機関からの報告総数は1,534人(3.2)で、前月比100%と横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,354人(2.9)で前月比100%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症169人(0.36)で前月比100%、薬剤耐性緑膿菌感染症11人(0.02)で前月比100%であった。

PDFファイルダウンロード


宮崎県衛生環境研究所
〒889-2155 宮崎市学園木花台西2丁目3-2 / 電話.0985-58-1410 FAX.0985-58-0930