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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2017年第12号

第19巻12号[宮崎県第12週(3/20〜3/26)全国第11週(3/13〜3/19)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第12週の発生動向

全数報告の感染症(12週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核4例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:レジオネラ症1例。
  • 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症2例、梅毒1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2017年第1週〜12週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は1,502人(定点当たり33.0)で、前週比96%とほぼ横ばいであった。前週に比べ増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と手足口病で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症と感染性胃腸炎であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【インフルエンザ】
報告数は985人(16.7)で、前週比97%とほぼ横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(13.4)の約1.3倍であった。小林(28.4)、宮崎市(19.0)、延岡(18.0)保健所からの報告が多く、年齢別は5〜9歳が全体の約3割を占めた。


【手足口病】
報告数は53人(1.5)で、前週比143%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.40)の約3.7倍であった。小林(5.7)、中央(4.0)、宮崎市(1.8)保健所からの報告が多く、年齢別は1〜2歳が全体の約7割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○感染性胃腸炎(ロタウイルス):宮崎市(4例)、高鍋、日向(各1例)保健所から報告があった。0〜4歳が5例、5〜9歳が1例で病原体の群別は不明であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成29年3月27日までに検出)

細菌

○発熱、肺炎を呈した60代後半の男性から、Legionella pneumophila SG1 が分離された。市中病院でのレジオネラ症の診断には、尿中抗原を検出する市販キットが使用されていることが多い。このキットは、特異的に検出できる一方、L. pneumophila SG1以外のレジオネラ属菌を見逃す可能性がある。レジオネラ症が疑われる場合には、尿中抗原が陰性であっても、喀痰などから菌の分離を実施したほうがよい。

ウイルス

○不明の発疹症の患者1名からパルボウイルスB19が検出された。小児でよく見られる伝染性紅斑の起因ウイルスであるが、成人では不顕性感染が多い。しかし、妊婦が初感染すると胎児水腫や流産を起こす可能性があり、妊娠前半期ではこの可能性がより高まる。伝染性紅斑は春から夏にかけて流行が見られるため、今後の動向に注意が必要である。

○インフルエンザと診断された19名からインフルエンザウイルスが検出された。主流は依然としてAH3であるが、B型(山形系統、ビクトリア系統)に加え、今シーズン初めてAH1pdmも検出されたことから、宮崎県では全てのタイプのインフルエンザウイルスが検出されたことになる。流行のピークは過ぎたものの、今後も手洗いうがいなどの感染予防策をとり感染に注意することが重要である。 

全国2017年第11週の発生動向

全数報告の感染症(全国第11週)

麻しんの報告数は9例で前週比約1.3倍と増加した。東京都(3例)、北海道、宮城県、埼玉県、神奈川県、三重県、大阪府(各1例)から報告があった。九州地方からの報告はなかった。年齢別では10歳代が4例、20歳代が2例、10歳未満、30歳代及び40歳代が各1例ずつであった。

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比98%とほぼ横ばいであった。前週と比較して増加した主な疾患は感染性胃腸炎(ロタウイルス)で、減少した主な疾患はインフルエンザと流行性耳下腺炎であった。

インフルエンザの報告数は50,976人(10.3)で前週比93%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(14.5)の約0.7倍であった。沖縄県(22.8)、福島県(20.7)、長ア県(19.8)からの報告が多く、年齢別では5〜9歳が全体の約3割を占めた。

咽頭結膜熱の報告数は1,224人(0.39)で前週比100%と横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.29)の約1.3倍であった。岩手県(2.6)、鹿児島県(0.98)、佐賀県(0.74)からの報告が多く、年齢別では1歳が全体の約3割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

インフルエンザ情報《県内第12週、全国第11週(再掲)》

県内第12週インフルエンザ発生動向

2017年3月20日〜3月26日までの1週間で985人(定点あたり16.7)の報告があった。前週の約1.0倍とほぼ横ばいで、例年同時期の定点当たり平均値*(13.4)の約1.3倍であった(図1)。保健所別推移を図2に示す。年齢群別では5歳未満が全体の17%、5-9歳が34%、10-14歳が20%、15-19歳が5%、20-59歳が17%、60歳以上が7%を占めた。(図3)

全国第11週インフルエンザ発生動向

2017年3月13日〜3月19日までの1週間で50,976人(10.3)で前週比93%と減少した。沖縄県(22.8)、福島県(20.7)、長ア県(19.8)からの報告が多い。年齢別では5歳未満が全体の18%、5-9歳が31%、10-14歳が19%、15-19歳が5%、20-59歳が19%、60歳以上が8%であった。

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