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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2017年第14号

第19巻14号[宮崎県第14週(4/3〜4/9)全国第13週(3/27〜4/2)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

トピックス

インフルエンザ(定点報告対象疾患)

インフルエンザの定点当たり報告数が9.8と前週の約0.7倍に減少し、今シーズン流行期に入って初めて流行警報レベル終息基準値(10.0)を下回りました(詳細後述)。

宮崎県第14週の発生動向

全数報告の感染症(14週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核5例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:カルバペネム耐性腸内細菌感染症1例、後天性免疫不全症候群 1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2017年第1週〜14週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は1,161人(定点当たり29.9)で、前週比96%とほぼ横ばいであった。前週に比べ増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と流行性角結膜炎で、減少した主な疾患はインフルエンザと手足口病であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【インフルエンザ】
報告数は576人(9.8)で、前週比67%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(7.1)の約1.4倍であった。小林(16.0)、日南(12.8)、宮崎市(12.1)保健所からの報告が多く、年齢別は5〜9歳が全体の約3割を占めた。


*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○無菌性髄膜炎:宮崎市保健所から報告があった。0〜4歳が1例であった。

○感染性胃腸炎(ロタウイルス):宮崎市(10例)、延岡(3例)、日向(2例)保健所から報告があった。0〜4歳が9例、5〜9歳が6例で病原体の群別は不明であった。


保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成29年4月10日までに検出)

細菌

○発熱、肺炎を呈した60代の男性からLegionella pneumophila SG3が分離された。今回の事例は、尿中抗原を検出する市販キットでは陰性であったが、レジオネラ症が疑われたため、当所に喀痰が持ち込まれ菌が分離された。Legionella pneumophila には15の血清群があり、また他のレジオネラ属菌によるレジオネラ症も報告されている。尿中抗原陰性であっても、レジオネラ症が疑われる場合には、菌の分離を積極的に行うことが望ましい。

ウイルス

○インフルエンザと診断された5名の咽頭ぬぐい液及び鼻汁からインフルエンザウイルスが分離された。本県における今シーズンの検出数をみると、AH3が64件、AH1pdmが3件、B(山形系統)が4件、B(ビクトリア系統)が4件となっている。全国でも同様にAH3の割合が最も多く、次いでB(ビクトリア系統)、AH1pdm、B(山形系統)となっている。定点医療機関当たりの報告数は全国的に減少傾向にあるが、今後も引き続き注意する必要がある。

○髄膜炎の乳児の髄液からアデノウイルス5型が分離された。アデノウイルス5型は1型、3型とともに乳幼児に上気道炎などの呼吸器症状を起こすウイルスである。また、アデノウイルスは小児でよくみられるウイルスで、無症候性の場合もあることから臨床症状は多彩である。

全国2017年第13週の発生動向

全数報告の感染症(全国第13週)

麻しんの報告数は13例で、第1週から第13週までの累積報告数は99例となった。山形県(5例)、東京都、長野県(各3例)、京都府、兵庫県(各1例)から報告があり、第1週から第13週までの累積報告数は、山形県(24例)、三重県(20例)、東京都(13例)が多い。年齢別では20歳代、30歳代が各5例ずつ、10歳代が2例、40歳代が1例であった。

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比97%とほぼ横ばいであった。前週と比較して増加した主な疾患はRSウイルス感染症と感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎であった。

感染性胃腸炎の報告数は17,034人(5.4)で前週比107%と増加した。例年同時期の定点当たり平均 値*(6.5)の約0.8倍であった。香川県、福岡県(各9.9)、宮崎県(9.8)からの報告が多く、年齢別では1〜3歳が全体の約4割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

インフルエンザ情報《県内第14週、全国第13週(再掲)》

県内第14週インフルエンザ発生動向

2017年4月3日〜4月9日までの1週間で576人(定点あたり9.8)の報告があった。前週の約0.7倍と減少し、例年同時期の定点当たり平均値*(7.1)の約1.4倍であった(図1)。保健所別推移を図2に示す。年齢群別では5歳未満が全体の25%、5-9歳が30%、10-14歳が12%、15-19歳が2%、20-59歳が26%、60歳以上が5%を占めた。(図3)

全国第13週インフルエンザ発生動向

2017年3月27日〜4月2日までの1週間で33,608人(6.8)で前週比88%と減少した。長ア県(15.6)、宮崎県(14.6)、沖縄県(12.9)からの報告が多い。年齢別では5歳未満が全体の21%、5-9歳が28%、10-14歳が14%、15-19歳が4%、20-59歳が24%、60歳以上が9%であった。

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