所長挨拶 研究所の紹介 発表・調査研究 情報・ニュース 宮崎県感染症情報センター 見学と研修のお申し込み リンク集 お問い合わせ

宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2017年第17・18号

第19巻17・18合併号 宮崎県第17週(4/24〜4/30)第18週(5/1〜5/7)、全国第16週(4/17〜4/23) 第17週(4/24〜4/30)

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

トピックス
  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
    (全数報告の感染症)の報告が日南保健所から1例あった。県内での報告は今年初めてで、累計37例(平成25年3月届出開始以降)となった。患者は70歳代女性で、発症は4月下旬であった。ダニの刺し口は有り、海外渡航歴はなかった。

宮崎県第17週、第18週の発生動向

全数報告の感染症(18週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核5例。
  • 3類感染症:報告なし
  • 4類感染症:重症熱性血小板減少症候群1例、レジオネラ症1例。
  • 5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2017年第1週〜17週)

(   )内は今週届出分、再掲

全数把握対象疾患累積報告数(2017年第1週〜18週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

第17週

定点医療機関からの報告総数は954人(定点あたり27.7)で、前週比92%と減少した。前週(第16週)に比べ増加した主な疾患は手足口病と流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎である。

第18週

定点医療機関からの報告総数は697人(定点あたり20.1)で、前週比73%と減少した(連休の休診含む)。前週(第17週)に比べ増加した主な疾患は咽頭結膜熱と伝染性紅斑で、減少した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎である。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【手足口病】
報告数は102人(2.8)で、前週(第17週)比84%と減少したが、例年同時期の定点当たり平均値*(0.54)の約5.2倍である。中央(13.0)、都城(9.8)、小林(3.3)保健所からの報告が多く、年齢別では1歳が全体の約半数を占めた。

【手足口病】
報告数は32人(0.89)で、前週(第17週)比128%と増加したが、例年同時期の定点当たり平均値*(1.0)の約0.9倍である。日南(4.0)、延岡(1.8)、小林(1.3)保健所からの報告が多く、年齢別では 2歳以下が全体の約8割を占めた

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
第17週

○感染性胃腸炎(ロタウイルス): 宮崎市(10例)、高鍋(8例)、都城、日南(各1例)保健所から報告があり、0〜4歳で14例、5〜9歳で5例、10歳代で1例であった。なお、病原体の群別は不明が19例で、レオウイルスの型不明が1例であった。

第18週

○感染性胃腸炎(ロタウイルス):宮崎市(3例)、延岡、高鍋、日向(各1例)保健所から報告があり、0〜4歳が4例、5〜9歳が2例であった。なお、いずれも病原体の群別は不明であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成29年5月8日までに検出)

細菌

○20代前半女性の便から、今年度初めて腸管出血性大腸菌(EHEC)が分離された。今回の菌株はベロ毒素遺伝子(stx)を保有していたが、腸粘膜への接着に必要なインチミン遺伝子(eae)は保有していなかった。EHECは、ヒトの大腸で増殖し、下痢、腹痛、血便などを引き起こす。また、重症例では溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などを合併し、死に至ることもある。気温の上昇とともに、患者数は夏季に増えることから、今後の発生動向に注意が必要である。

ウイルス

○インフルエンザと診断された8名からインフルエンザウイルスが分離・検出された。また、発熱・呼吸器症状のあった小児の鼻汁からもインフルエンザウイルスが分離された。本県の4月からのインフルエンザウイルス検出状況をみると、AH3が最も多いが、全国の4月のインフルエンザ検出状況をみると、AH3が49件、B(ビクトリア系統)が45件、B(山形系統)が33件とB型の占める割合が高くなっている。インフルエンザの報告数は全国的に減少傾向にあるものの、本県では5月に入ってもインフルエンザの報告がみられるため、今後の動向にも注意する必要がある。

全国2017年第16、17週の発生動向

全数報告の感染症(全国第16週)

麻しんの報告数は7例であった。大阪府(3例)、山形県、群馬県、埼玉県、三重県(各1例)から報告があり、年齢別では20歳代、40歳代が3例ずつ、30歳代が1例であった。

全数報告の感染症(全国第17週)

麻しんの報告数は8例であった。石川県(2例)、埼玉県、東京都、新潟県、大阪府、福岡県、熊本県(各1例)から報告があり、年齢別では30歳代が3例、10歳代が2例、20歳代、40歳代、50歳代が1例ずつであった。第1週から第17週までの累積報告数は158例となり、山形県(53例)、三重県(21例)、東京都(17例)が多い。

定点把握の対象となる5類感染症
第16週

定点医療機関あたりの患者報告総数は前週(第15週)比110%と増加した。なお、第16週に増加した主な疾患は感染性胃腸炎と手足口病で、減少した主な疾患は水痘と流行性耳下腺炎である。

第17週

定点医療機関あたりの患者報告総数は前週(第16週)比95%と減少した。なお、第17週に増加した主な疾患は咽頭結膜熱と水痘で、減少した主な疾患はインフルエンザである。

RSウイルス感染症の報告数は880人(0.28)で、前週(第16週)比93%と減少した。なお、例年同時期の定点当たり平均値*(0.16)の約1.8倍である。沖縄県(2.9)、鹿児島県(0.73)、徳島県(0.61)からの報告が多く、年齢別では1歳以下が全体の約8割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

PDFファイルダウンロード


宮崎県衛生環境研究所
〒889-2155 宮崎市学園木花台西2丁目3-2 / 電話.0985-58-1410 FAX.0985-58-0930