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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2017年第28号

第19巻28号[宮崎県第28週(7/10〜7/16)全国第27週(7/3〜7/9)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第28週の発生動向

全数報告の感染症(28週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核5例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:ウイルス性肝炎1例、破傷風2例。

全数把握対象疾患累積報告数(2017年第1週〜28週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は1,177人(定点当たり34.9)で、前週比106%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎とヘルパンギーナで、減少した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎である。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【手足口病】
報告数は504人(14.0)で、前週比103%とほぼ横ばいであるが、例年同時期の定点当たり平均値*(4.3)の約3.3倍である。日南(27.0)、小林(25.7)、日向(20.8)保健所からの報告が多く、年齢別は1〜2歳が全体の約6割を占めた。

【ヘルパンギーナ】
報告数は189人(5.3)で、前週比183%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(5.3)のほぼ同率である。日向(14.3)、延岡(7.8)、日南(7.0)保健所からの報告が多く、年齢別は1〜2歳が全体の約半数を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

報告なし。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成29年7月18日までに検出)

細菌

ウイルス

○6名からライノウイルスが検出された。一般的にライノウイルスは小児から高齢者まで幅広い年齢層で上気道炎や下気道炎を起こすことが知られているが、今回6名中3名は発疹を呈していた。これまでライノウイルス単独もしくは他のウイルスとの混合感染事例で、発疹を呈する場合が報告されており、伝染性紅斑や不明発疹症と診断された患者検体からライノウイルスが検出された例もある。全国的にも7月以降ライノウイルスが検出されていることから症状だけでなく、今後の発生動向にも注意していく必要がある。

全国2017年第27週の発生動向

全数報告の感染症(全国第27週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比110%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナで、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎である。

手足口病の報告数は18,151人(5.7)で前週比163%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(2.6)の約2.2倍である。高知県(19.1)、鳥取県(14.8)、滋賀県(13.7)からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約6割を占めた。

ヘルパンギーナの報告数は4,754人(1.5)で前週比161%と増加したが、例年同時期の定点当たり平均値*(2.6)の約0.6倍である。福岡県(5.4)、佐賀県(5.2)、大分県(5.1)からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約半数を占めた。

* 過去5 年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2017年6月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は40人(3.1)で、前月比121%と増加した。また、昨年6月(2.8)の111%である。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数25人(1.9)で、前月及び昨年6月の約1.3倍である。20歳代が全体の約4割を占めた。(男性10人・女性15人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数5人(0.38)で、前月の約1.7倍、昨年6月の1.0倍である。(男性1人、女性4人)
  • 尖圭コンジローマ
    報告数1人(0.08)で、前月の0.5倍、昨年6月の約0.3倍である。(女性1人)
  • 淋菌感染症
    報告数9人(0.69)で、前月及び昨年6月の約1.1倍である。(男性7人、女性2人)

【全国】定点医療機関総数:985
定点医療機関からの報告総数は4,161人(4.2)で、前月比100%と横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,180人(2.2)で前月比100%、性器ヘルペスウイルス感染症850人(0.86)で前月比100%、尖圭コンジローマ481人(0.49)で前月比98%、淋菌感染症650人(0.66)で前月比103%である。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は21人(3.0)で前月比100%と横ばいであった。また昨年6月(3.4)の約0.9倍である。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数20人(2.9)で、前月の1.0倍、昨年6月の約0.8倍である。70歳以上が全体の約6割を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数1人(0.14)で、前月の1.0倍である。年齢は70歳以上である。(昨年6月報告なし。)
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告なし。

【全国】 定点医療機関総数:475
定点医療機関からの報告総数は1,556人(3.3)で、前月比100%と横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,385人(2.9)で前月比102%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症158人(0.33)で前月比81%、薬剤耐性緑膿菌感染症13人(0.03)で前月比300%である。

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