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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2017年第38号

第19巻38号[宮崎県第38週(9/18〜9/24)全国第37週(9/11〜9/17)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第38週の発生動向

全数報告の感染症(38週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核1例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:水痘(入院例)1例、破傷風1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2017年第1週〜38週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は622人(定点当たり20.1)で、前週比81%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は咽頭結膜熱と流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は感染性胃腸炎とヘルパンギーナである。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【咽頭結膜熱】
報告数は56人(1.6)で、前週比110%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(0.79)の約2.0倍である。小林(8.0)、中央(4.0)、都城(3.5)保健所からの報告が多く、年齢別は別グラフに示す。

【RSウイルス感染症】
報告数は204人(5.7)で、前週比87%と減少したが、例年同時期の定点当たり平均値*(3.7)の約1.5倍である。延岡(16.0)、日向(10.0)、都城(6.2)保健所からの報告が多く、年齢別は1〜2歳が全体の約6割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:宮崎市(1例)保健所から報告があり、10歳代であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成29年9月25日までに検出)

細菌

○60代後半の女性の水疱と血液から、Chromobacterium haemolyticum 疑いの菌が検出された。Chromobacterium 属には7菌種が分類されているが、Chromobacterium violaceum 以外は比較的新しく分類されたものが多く、生化学性状などは不明な点が多い。今回の菌株は、C. violaceum 特有の色素産生がなく、血液寒天培地上で強いβ溶血を示し、オキシダーゼ陽性であった。今後、報告数が増えれば、より詳細な菌の性状なども明らかになるものと思われる。

ウイルス

○水痘疑いの成人の水疱内容液と血漿から、水痘・帯状疱疹ウイルスが検出された。水痘は、約95%が10歳以下で感染し、15歳以上は1%以下と極端に感染率が低くなる。今回は成人から水痘・帯状疱疹ウイルスが検出されており、成人期に初感染を受けた場合は小児期の初感染に比べ重症化しやすく、合併症として肺炎や中枢神経合併症などがある。水痘に合併する肺炎は通常ウイルス性であるが、まれに細菌性のこともある。また、中枢神経合併症としては無菌性髄膜炎や脳炎がある。

全国2017年第37週の発生動向

全数報告の感染症(全国第37週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比99%とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナである。

RSウイルス感染症の報告数は10,500人(3.3)で前週比104%とほぼ横ばいであるが、例年同時期の定点当たり平均値*(1.0)の約3.3倍である。徳島県(9.3)、熊本県、島根県(6.9)からの報告が多く、年齢別では6ヶ月〜2歳が全体の約7割を占めた。

* 過去5 年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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