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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2017年第42号

第19巻42号[宮崎県第42週(10/16〜10/22)全国第41週(10/9〜10/15)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第42週の発生動向

今週のトピックス

梅毒(全数報告の感染症):宮崎市(2例)、日向(1例)保健所から報告があった。県内の今年の累計報告数は13例で、過去10年間で2番目に多い報告数となった。年齢群別では20歳代が6人で全体の約半数を占める。

全数報告の感染症(42週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核7例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:カルバペネム耐性腸内細菌感染症1例、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群1例、梅毒3例。

全数把握対象疾患累積報告数(2017年第1週〜42週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は615人(定点当たり19.5)で、前週比110%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症と手足口病である。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【咽頭結膜熱】
報告数は33人(0.92)で、前週比72%と減少したが、例年同時期の定点当たり平均値*(0.77)の約1.2倍である。都城、小林(2.7)保健所からの報告が多く、年齢別は1〜3歳が全体の約7割を占めた。

【感染性胃腸炎】
報告数は333人(9.3)で、前週比174%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(7.8)の約1.2倍である。中央(23.0)、小林(15.0)、日向(13.3)保健所からの報告が多く、年齢別は6ヶ月〜2歳が全体の約半数を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

報告なし。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成29年10月23日までに検出)

細菌

○0〜4歳の男児から腸管出血性大腸菌(EHEC)O165:HUTが分離された。EHEC O165は、亜テルル酸耐性遺伝子を持たず、選択性の強い分離培地に発育しない株の報告がある。O165だけではなく、いくつかの血清型にも同様の報告があるため、腸管出血性大腸菌感染症が疑われる場合には、選択性の強い培地に加え、選択性の弱い培地も併用することが重要である。

ウイルス

○胃腸炎症状のある幼児の便からパレコウイルス1型が検出された。

○末梢神経障害疑いの幼児の便からアデノウイルス1型(Ad1)が分離された。アデノウイルスは乳幼児に上気道炎や咽頭結膜熱を起こすウイルスとして知られているが、今回、末梢神経障害疑い、麻痺の幼児からAd1が分離された。中枢神経障害を起こすアデノウイルスでは、Ad7、Ad3の報告数が多くなっているが、今回分離されたAd1の検査材料が髄液ではなく便であるため、直接的な起因ウイルスであるかは不明である。

全国2017年第41週の発生動向

全数報告の感染症(全国第41週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比87%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は伝染性紅斑で、減少した主な疾患はRSウイルス感染症と手足口病である。

咽頭結膜熱の報告数は1,232人(0.39)で前週比89%と減少したが、例年同時期の定点当たり平均値*(0.24)の約1.6倍である。北海道(2.1)、宮崎県(1.3)、山形県(0.90)からの報告が多く、年齢別では1〜4歳が全体の約7割を占めた。

* 過去5 年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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