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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2018年第2号

第20巻第2号[宮崎県第2週(1/8〜1/14)全国第1週(1/1〜1/7)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県平成30年第2週の発生動向

全数報告の感染症(2週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核7例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:A型肝炎1例。
  • 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症2例、百日咳2例。

全数把握対象疾患累積報告数(2018年第1週〜2週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は3,613人(定点当たり68.9)で、前週比148%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は水痘である。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【インフルエンザ】
報告数は3,117人(52.8)で、前週比155%と増加しており、例年同時期の定点当たり平均値*(23.4)の約2.3倍である。延岡(91.9)、都城(61.9)、小林(61.6)保健所からの報告が多く、年齢別は10歳未満が全体の約半数を占めている。

【感染性胃腸炎】
報告数は296人(8.2)で、前週比133%と増加したが、例年同時期の定点当たり平均値*(11.8)の約0.7倍である。小林(18.7)、日南(16.3)、高千穂(10.0)保健所からの報告が多く、年齢別は1〜2歳が全体の約3割を占めている。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
  • マイコプラズマ肺炎
    日南保健所から1例報告があり、70歳代であった。
  • 感染性胃腸炎(ロタウイルス)
    延岡(2例)、日向(1例)保健所から報告があり、いずれも0〜4歳であった。なお、病原体の群別は不明であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成30年1月15日までに検出)

細菌

報告なし。

ウイルス

○インフルエンザと診断された19名からインフルエンザウイルスが分離・検出された。全国における今シーズンのインフルエンザウイルス分離・検出状況をみると、1月12日現在ではAH1pdm09が684件と最も多く、次いでB(山形系統)が319件、AH3が232件、B(ビクトリア系統)が13件となっており、今シーズンはAH1pdm09が流行の主流となっている。当所でもAH1pdm09の分離・検出が最も多くなっており、例年に比べ本県ではインフルエンザの患者数も増加していることから、今後も引き続き注意する必要がある。

○A型肝炎と診断された成人から、A型肝炎ウイルスが検出された。A型肝炎ウイルスの遺伝子型はT〜Y型までの6種類に分類され、そのうち人が感染するのはT〜V型であり、それぞれAとBのサブグループに分類される。1月12日現在の全国のA型肝炎ウイルス検出状況をみると、2017年はTA型49件、TB型1件、VA型11件の検出報告がある。当所でも今後、遺伝子型別検査を実施する予定である。

全国2018年第1週の発生動向

全数報告の感染症(全国第1週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比74%と減少した(年末年始を含む)。なお、前週と比較して増加した主な疾患は特になく、減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と感染性胃腸炎である。

インフルエンザの報告数は79,930人(16.3)で前週比91%と減少したが、例年同時期の定点当たり平均値*(10.1)の約1.6倍である。宮崎県(34.2)、沖縄県(31.8)、大分県(28.9)からの報告が多く、年齢別では10歳未満が全体の約4割を占めた。

感染性胃腸炎の報告数は10,385人(3.4)で前週比46%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値(7.8)の約0.4倍である。大分県(11.1)、宮崎県(6.2)、鹿児島県(5.9)からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約3割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
次回の感染症週報は、1月24日発出となります。ご了承ください。

月報告対象疾患の発生動向 <2017年12月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は34人(2.6)で、前月比97%とほぼ横ばいであった。また、昨年12月(2.9)の約90%である。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数19人(1.5)で、前月の約0.7倍、昨年12月とほぼ同率である。 30歳代が全体の約4割を占めた。(男性6人・女性13人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数8人(0.62)で、前月の約2.7倍、昨年12月の2.0倍である。(男性5人、女性3人)
  • 尖圭コンジローマ
    報告数2人(0.15)で、前月の2.0倍、昨年12月の0.5倍である。(女性2人)
  • 淋菌感染症
    報告数5人(0.38)で、前月の約1.3倍、昨年12月の0.5倍である。(男性4人、女性1人)

【全国】定点医療機関総数:987
定点医療機関からの報告総数は3,746人(3.8)で、前月比98%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症1,999人(2.0)で前月比101%、性器ヘルペスウイルス感染症729人(0.74)で前月比101%、尖圭コンジローマ395人(0.40)で前月比87%、淋菌感染症623人(0.63)で前月比91%である。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は13人(1.9)で前月比52%と減少した。また昨年12月(1.1)の約1.6倍である。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数13人(1.9)で、前月の約0.5倍、昨年12月の約1.6倍である。70歳以上が全体の約半数を占めた。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告なし。
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告なし。

【全国】 定点医療機関総数:475
定点医療機関からの報告総数は1,520人(3.2)で、前月比100%と横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,347人(2.8)で前月比100%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症163人(0.34)で前月比106%、薬剤耐性緑膿菌感染症10人(0.02)で前月比67%である。

インフルエンザ情報《県内第2週、全国第1週(再掲)》

県内第2週インフルエンザ発生動向

第2週(2018年1月8日〜1月14日)は3,117人(52.8)の報告があった。前週の約1.6倍と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(23.4)の約2.3倍であった(図1)。保健所別推移を図2に示す。年齢群別では5歳未満が全体の24%、5-9歳が25%、10-14歳が15%、15-19歳が5%、20-59歳が23%、60歳以上が8%を占めた(図3)。


全国第1週インフルエンザ発生動向

第1週(2018年1月1日〜1月7日)は79,930人(16.3)で前週の約0.9倍と減少した。宮崎県(34.2)、沖縄県(31.8)、大分県(28.9)からの報告が多い。年齢群別では5歳未満が全体の17%、5-9歳が18%、10-14歳が10%、15-19歳が6%、20-59歳が38%、60歳以上が11%であった。

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