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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2018年第4号

第20巻第4号[宮崎県第4週(1/22〜1/28)全国第3週(1/15〜1/21)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県平成30年第4週の発生動向

全数報告の感染症(4週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核5例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:A型肝炎2例。
  • 5類感染症:カルバペネム耐性腸内細菌感染症2例、侵襲性肺炎球菌感染症4例、播種性クリプトコックス症1例、百日咳2例。

全数把握対象疾患累積報告数(2018年第1週〜4週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は4,195人(定点当たり79.3)で、前週比77%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は手足口病で、減少した主な疾患はインフルエンザと感染性胃腸炎である。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【インフルエンザ】
報告数は3,629人(61.5)で、前週比72%と減少したが、例年同時期の定点当たり平均値*(44.4)の約1.4倍である。延岡(88.0)、日南(71.4)、都城(70.0)、小林(69.0)保健所からの報告が多く、年齢別は10歳未満が全体の約半数を占めている。

【感染性胃腸炎】
報告数は346人(9.6)で、前週比83%と減少しており、例年同時期の定点当たり平均値*(12.7)の約0.8倍である。小林(31.7)、日南(16.7)保健所からの報告が多く、年齢別は1〜2歳が全体の約3割を占めている。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
  • 感染性胃腸炎(ロタウイルス):
    宮崎市保健所から1例報告があり、0〜4歳であった。なお、病原体の群別は不明である。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成30年1月29日までに検出)

細菌

薬剤耐性菌

60歳代男性の耳漏からIMP-1型のカルバペネマーゼを産生するCitrobacter koseriが検出された。カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)感染症は2014年9月19日から5類感染症として届出対象となっており、当所では今年度から届出のあったCREに対しプラスミド性カルバペネマーゼの遺伝子検査を実施している。今回検出されたIMP-1型は国内型と呼ばれ、比較的国内に多い型である。ここ数年、CREは世界的に増加しており院内感染事例の報告が多数ある。耐性遺伝子はプラスミド上に存在し菌種をまたいで伝播するため施設等での感染対策が重要となる。

ウイルス

A型肝炎と診断された成人1名からA型肝炎ウイルス(HAV)が検出された。今年に入り、当所では2名のHAVの検査を行っており、いずれも遺伝子型はIAであった。A型肝炎は潜伏期間が2〜6週間と長く、疫学調査等が困難であるため、遺伝子解析が重要となる。国立感染症研究所の報告によると、50歳以下のHAV抗体保有率は0%に近いことが推測されるという。また、経口感染することから、手洗いや十分な加熱調理等の予防策をとることが重要である。

全国2018年第3週の発生動向

全数報告の感染症(全国第3週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比173%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザとA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は水痘である。

インフルエンザの報告数は256,833人(51.9)で前週比196%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(22.9)の約2.3倍である。鹿児島県(86.5)、宮崎県(85.0)、福岡県(84.0)からの報告が多く、年齢別では10歳未満が全体の約半数を占めている。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は8,383人(2.7)で前週比141%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値(2.1)の約1.3倍である。鳥取県(8.2)、山形県(6.4)、福井県(5.2)からの報告が多く、年齢別では4〜6歳が全体の約4割を占めている。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値
※次回の感染症週報は、2月7日発出となります。ご了承ください。

インフルエンザ情報《県内第4週、全国第3週(再掲)》

県内第4週インフルエンザ発生動向

第4週(2018年1月22日〜1月28日)は3,629人(61.5)の報告があった。前週の約0.7倍と減少したが、例年同時期の定点当たり平均値*(44.4)の約1.4倍であった(図1)。保健所別推移を図2に示す。年齢群別では5歳未満が全体の20%、5-9歳が34%、10-14歳が20%、15-19歳が5%、20-59歳が14%、60歳以上が7%を占めている(図3)。


全国第3週インフルエンザ発生動向

第3週(2018年1月15日〜1月21日)は256,833人(51.9)で前週の約2.0倍と増加した。鹿児島県(86.5)、宮崎県(85.0)、福岡県(84.0)からの報告が多い。年齢群別では5歳未満が全体の17%、5-9歳が33%、10-14歳が19%、15-19歳が5%、20-59歳が19%、60歳以上が7%である。

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