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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2018年第17・18合併号

第20巻17・18合併号 宮崎県第17週(4/23〜4/29)第18週(4/30〜5/6)
全国第16週(4/16〜4/22)第17週(4/23〜4/29)

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第17週、第18週の発生動向

トピックス
  • 手足口病(定点把握対象疾患)
    第17週(4/23〜4/29)の県内の定点当たり報告数は5.2で、今年初めて流行警報レベル開始基準値(5.0)を超えた。2017年と比較して5週間早くなっている。詳細後述。
  • 風しん(全数把握対象疾患)の報告が1例あった。(2016年45週以来の報告)宮崎市保健所管内からの報告で、20歳代女性、ワクチン接種歴は不明である。
  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(全数把握対象疾患)の報告が宮崎市保健所管内から1例あった。患者は60歳代男性で、発症は4月下旬であり、ダニの刺し口が有る。県内での報告は今年3例目で、累計52例(平成25年3月届出開始以降)となった。

全数報告の感染症(18週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核5例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:A型肝炎3例、重症熱性血小板減少症候群1例、レジオネラ症1例。
  • 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症1例、破傷風1例、百日咳28例、風しん1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2018年第1週〜17週)

(   )内は今週届出分、再掲

全数把握対象疾患累積報告数(2018年第1週〜18週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

第17週

定点医療機関からの報告総数は1,093人(定点あたり31.6)で、前週比113%と増加した。なお、前週(第16週)に比べ増加した主な疾患は咽頭結膜熱とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患は特にない。

第18週

定点医療機関からの報告総数は707人(定点あたり21.8)で、前週比69%と減少した(連休の休診含む)。なお、前週(第17週)に比べ増加した主な疾患は流行性角結膜炎で、減少した主な疾患はインフルエンザと流行性耳下腺炎である。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【手足口病】
報告数は188人(5.2)で、前週(第17週)比101%とほぼ横ばいであり、例年同時期の定点当たり平均値*(1.1)の約4.6倍である。延岡(11.5)、日南、高千穂、中央(各7.0)、宮崎市(6.2)保健所からの報告が多く、年齢別では1〜3歳が全体の約8割を占めている。

【咽頭結膜熱】
報告数は38人(1.1)で、前週(第17週)比69%と減少し、例年同時期の定点当たり平均値*(1.1)とほぼ同率である。日南(2.3)、高鍋(1.8)、宮崎市(1.5)保健所からの報告が多く、1〜3歳が全体の6割以上を占めている。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
  • 第17週
    ○マイコプラズマ肺炎
    :日向保健所から1例報告があり、5〜9歳であった。
    ○感染性胃腸炎(ロタウイルス):報告数は5例で、宮崎市(2例)、日南、高鍋、日向(各1例)保健所からの報告である。いずれも5歳未満であり、病原体の群別は不明である。
  • 第18週
    ○感染性胃腸炎(ロタウイルス):報告数は2例で、宮崎市、日向(各1例)保健所からの報告である。0〜4歳、5〜9歳(各1例)であり、いずれも病原体の群別は不明である。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成30年5月7日までに検出)

細菌

ウイルス

麻しん疑いの成人女性から、風しんウイルスが検出された。風しんウイルスには1型と2型があり、1型は1a〜1Jの10遺伝子型に分類され、2型は2A〜2Cの3遺伝子型に分類される。全国の風しんウイルス分離・検出状況をみると、2Bが最も多く検出されており、次いで1Eとなっている。2013年の流行以来、風しんウイルスの検出数は年間10例前後であるが、風しんの排除達成には至っていないため、ワクチン接種の徹底などが重要となる。

全国2018年第16、17週の発生動向

第16週

麻しんの報告数は13例であった。沖縄県(8例)、愛知県(3例)、東京都(2例)から報告があり、30歳代(6例)、10歳代(5例)、20歳代(2例)であった。

第17週

麻しんの報告数は12例であった。愛知県(6例)、沖縄県(4例)、埼玉県、東京都(各1例)から報告があり、30歳代(7例)、20歳代、40歳代(各2例)、1〜4歳(1例)であった。第1週から第17週までの累積報告数は102例となり、沖縄県(67例)、愛知県(11例)、東京都(9例)、埼玉県(6例)が多い。

定点把握の対象となる5類感染症
  • 第16週
    定点医療機関あたりの患者報告総数は前週(第15週)比118%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は咽頭結膜熱と感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は特にない。
  • 第17週
    定点医療機関あたりの患者報告総数は前週(第16週)比105%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は咽頭結膜熱とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患はインフルエンザである。
    RSウイルス感染症の報告数は1,184人(0.38)で、前週(第16週)比93%と減少したが、例年同時期の定点当たり平均値*(0.18)の約2.1倍である。沖縄県(2.7)、新潟県(1.2)、北海道(1.1)からの報告が多く、年齢別では1歳以下が全体の約8割を占めている。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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