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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2018年第22号

第20巻第22号[宮崎県第22週(5/28〜6/3)全国第21週(5/21〜5/27)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第22週の発生動向

トピックス
  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
    (全数報告の感染症)の報告が延岡保健所管内からあった。患者は90歳代男性で、発症は5月下旬であり、ダニの刺し口は確認出来なかった。県内での報告は今年7例目で、累計56例(平成25年3月届出開始以降)となった。

全数報告の感染症(22週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核1例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:重症熱性血小板減少症候群1例。
  • 5類感染症:百日咳13例。

全数把握対象疾患累積報告数(2018年第1週〜22週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は1,087人(定点当たり33.2)で、前週比111%と増加した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は手足口病で、減少した主な疾患はインフルエンザである。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【咽頭結膜熱】
報告数は54人(1.5)で、前週比104%とほぼ横ばいであり、例年同時期の定点当たり平均値*(1.1)の約1.5倍である。中央(5.0)、日南(3.7)保健所からの報告が多く、年齢群別では1歳が全体の約半数を占めている。

【手足口病】
報告数は351人(10.0)で、前週比125%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(2.2)の約4.6倍である。延岡(20.8)、日向(19.8)、小林(15.3)保健所からの報告が多く、年齢群別では1〜3歳が全体の約7割を占めている。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

報告なし。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成30年6月4日までに検出)

細菌

今年度初めて腸管出血性大腸菌(EHEC)が分離された。EHECは腸粘膜への接着に必要なインチミン遺伝子(eae)を保有していることが多く、大腸粘膜に付着して増殖する際に毒素を産生する。その結果、感染局所に出血・浮腫・壊死が起こり、腹痛と水様性下痢に続いて鮮血便をきたす。さらに、嘔吐や発熱を伴う場合もある。これから気温の上昇とともに患者数が増加傾向になることから、今後の発生動向に注意が必要である。

ウイルス

呼吸器症状のある乳児1名、幼児2名からパラインフルエンザウイルス3型(PIV3)が検出された。全国における2018年のパラインフルエンザウイルス分離・検出状況をみると、2018年6月4日現在、PIV1が27件と最も多く、次いでPIV2が14件、PIV4が4件、PIV3が2件となっている。当所では今年に入りPIV3が3件検出されており、他の型は検出されていない。PIV3は肺炎や細気管支炎を起こす頻度が高く、毎年春から初夏にかけて流行がみられ、全国的にも年間を通した検出報告数が最も多くなっていることから、今後の動向に注意する必要がある。

全国2018年第21週の発生動向

全数報告の感染症(全国第21週)

麻しんの報告数は3例であった。福岡県(2例)、大阪府(1例)から報告があり、10歳未満、10歳代、20歳代(各1例)であった。第1週から第21週までの累積報告数は164例となり、沖縄県(88例)、愛知県(25例)、福岡県(19例)、東京都(11例)が多い。

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比99%とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患は咽頭結膜熱、水痘及びヘルパンギーナで、減少した主な疾患はインフルエンザである。

RSウイルス感染症の報告数は949人(0.30)で前週比100%と同率であり、例年同時期の定点当たり平均値*(0.13)の約2.3倍である。沖縄県(3.4)、新潟県(1.2)、北海道(1.0)からの報告が多く、年齢群別では2歳以下が全体の約9割を占めている。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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