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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2018年第30号

第20巻第30号[宮崎県第30週(7/23〜7/29)全国第29週(7/16〜7/22)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第30週の発生動向

全数報告の感染症(29週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核8例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症6例。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:播種性クリプトコックス症1例、破傷風1例、百日咳3例。

全数把握対象疾患累積報告数(2018年第1週〜30週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は704人(定点当たり22.4)で、前週比97%とほぼ横ばいであった。なお、前週に比べ増加した主な疾患はヘルパンギーナで、減少した主な疾患は手足口病である。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【RSウイルス感染症】
報告数は70人(2.0)で、前週比99%とほぼ横ばいであり、例年同時期の定点当たり平均値*(0.54)の約3.7倍である。延岡(6.0)、高鍋(3.3)、中央(3.0)保健所からの報告が多く、年齢群別では6ヶ月〜1歳が全体の約8割を占めている。

【手足口病】
報告数は162人(4.6)で、前週比66%と減少し、例年同時期の定点当たり平均値*(7.4)の約0.6倍である。小林(11.3)、高千穂(9.0)、日向(7.5)保健所からの報告が多く、年齢群別では1〜4歳が全体の約8割を占めている。

【ヘルパンギーナ】
報告数は58人(1.7)で、前週比207%と増加したが、例年同時期の定点当たり平均値*(4.1)の約0.4倍である。日南(5.0)、延岡(4.0)、小林(3.0)保健所からの報告が多く、年齢群別では1〜3歳が全体の約7割を占めている。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

報告なし。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成30年7月30日までに検出)

細菌

0〜70歳代の12名からサルモネラ属菌(5種類の血清型)が検出された。サルモネラ属菌は食中毒の起因菌として知られており、食品だけでなく鳥類・哺乳類・爬虫類・両棲類や下水・河川などにも幅広く存在している。したがって、食中毒を予防するためには食品を扱う際の手洗い・消毒が重要となる。同様にペット等の動物に触れた後の手洗い・消毒も感染の予防に有効である。

ウイルス

髄膜炎と診断された乳児の便、咽頭ぬぐい液、髄液からコクサッキーウイルスB3型が分離された。全国において、2018年に無菌性髄膜炎患者から分離・検出されたウイルスをみると、エンテロウイルス71型が最も多く、次いでエコーウイルス4型、7型、30型とエコーウイルスの占める割合が高くなっており、コクサッキーウイルスB群は、2018年7月31日現在まで報告されていない。無菌性髄膜炎は夏季に流行がみられ、流行するウイルスも様々であることから、今後の動向に注意する必要がある。

全国2018年第29週の発生動向

全数報告の感染症(全国第29週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比87%と減少した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はRSウイルス感染症とヘルパンギーナで、減少した主な疾患は咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎及び感染性胃腸炎である。

RSウイルス感染症の報告数は2,388人(0.76)で前週比109%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(0.29)の約2.6倍である。沖縄県(3.2)、宮崎県(2.0)、徳島県(1.9)、福岡県(1.8)からの報告が多く、年齢群別では2歳以下が全体の約9割を占めている。

ヘルパンギーナの報告数は7,833人(2.5)で前週比103%とほぼ横ばいであり、例年同時期の定点当たり平均値*(3.3)の約0.8倍である。山形県(8.3)、静岡県(7.5)、新潟県(6.6)からの報告が多く、年齢群別では1〜4歳が全体の約7割を占めている。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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