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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2018年第36号

第20巻第36号[宮崎県第36週(9/3〜9/9)全国第35週(8/27〜9/2)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第36週の発生動向

全数報告の感染症(36週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核2例。
  • 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症2例。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:百日咳4例。

全数把握対象疾患累積報告数(2018年第1週〜36週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は829人(定点当たり26.7)で、前週比102%とほぼ横ばいであった。なお、前週に比べ増加した主な疾患は感染性胃腸炎とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、減少した主な疾患はヘルパンギーナである。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【感染性胃腸炎】
報告数は357人(10.2)で、前週比124%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(6.3)の約1.6倍である。日南(35.3)と中央(13.0)、日向(12.8)、小林(12.7)保健所からの報告が多く、年齢群別では1〜4歳が全体の約5割を占めている。

【RSウイルス感染症】
報告数は211人(6.0)で、前週比98%と横ばいであった。例年同時期の定点当たり平均値*(3.5)の約1.7倍である。都城(9.5)、日南・日向(各8.0)保健所からの報告が多く、年齢群別では2歳以下が全体の9割以上を占めている。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

感染性胃腸炎(ロタウイルス):宮崎市保健所から1例報告があった。0〜4歳であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成30年9月10日までに検出)

細菌

溶血性尿毒症症候群(HUS)の患者から、O157LPS抗体が検出された。感染症法において3類感染症である腸管出血性大腸菌感染症は届出基準として便からの分離・同定による病原体の検出に加えて、分離菌における毒素産生の確認またはPCR法等による毒素遺伝子の検出となっている。また、HUS発症例に限り、便からベロ毒素が検出されるか、血清からO抗原凝集抗体または、抗ベロ毒素抗体が検出されることが届出基準になっている。なお、HUSを起こす腸管出血性大腸菌の血清型はO157以外にも認められることから、O157LPS抗体陰性の場合は他の血清型も考慮する必要がある。

ウイルス

乳幼児2名から RSウイルス(RSV)が検出された。RSVは一般的に秋期から冬期にかけて流行し、翌年の3月頃に終息するが、近年、夏期にもRSVの流行がみられるようになり、本県でも同様に夏期にRSVが検出されている。今年も全国的にRSVの流行がみられている。有効なワクチンはないため、感染拡大防止のためには手洗いうがいの徹底が重要である。

全国2018年第35週の発生動向

全数報告の感染症(全国第35週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比113%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患はRSウイルス感染症と感染性胃腸炎で、減少した主な疾患は水痘である。

RSウイルス感染症の報告数は6,609人(2.1)で前週比157%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(1.1)の約2倍である。宮崎県(6.2)、愛媛県(5.2)、佐賀県(5.1)からの報告が多く、年齢群別では2歳以下が全体の約9割を占めている。

ヘルパンギーナの報告数は5,343人(1.7)で前週比108%と増加し、例年同時期の定点当たり平均値*(1.6)の約1.1倍である。山形県(6.0)、宮城県(4.5)、長野県(4.3)からの報告が多く、年齢群別では1〜3歳が全体の約7割を占めている。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

月報告対象疾患の発生動向 <2018年8月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は31人(2.4)で、前月比111%と増加した。また、昨年8月(1.9)の124%である。

《疾患別》

  • 性器クラミジア感染症
    報告数17人(1.3)で、前月の約0.7倍、昨年8月の約0.9倍である。20〜30歳代が全体の7割を占めている。(男性6人・女性11人)
  • 性器ヘルペスウイルス感染症
    報告数8人(0.62)で、前月の4倍である。(女性8人) (前年報告なし)
  • 尖圭コンジローマ
    報告数2人(0.15)で、昨年8月と同率である。(女性2人) (前月報告なし)
  • 淋菌感染症
    報告数4人(0.31)で、前月の4倍、昨年8月の約1.3倍である。(男性4人)

【全国】定点医療機関総数:977
定点医療機関からの報告総数は4,337人(4.4)で、前月比104%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,252人(2.3)で前月比105%、性器ヘルペスウイルス感染症796人(0.81)で前月比96%、尖圭コンジローマ486人(0.5)で前月比98%、淋菌感染症803人(0.82)で前月比116%である。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は19人(2.7)で、前月比112%と増加した。また、昨年8月(3.0)の91%である。

《疾患別》

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
    報告数18人(2.6)で、前月の約1.1倍、昨年8月の0.9倍である。70歳以上が全体の約6割を占めている。
  • ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
    報告数1人(0.14)で、前月と同率である。年齢は40歳代である。(前年報告なし。)
  • 薬剤耐性緑膿菌感染症
    報告なし。

【全国】 定点医療機関総数:478
定点医療機関からの報告総数は1,555人(3.3)で、前月比108%と増加した。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,404人(2.9)で前月比109%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症142人(0.3)で前月比94%、薬剤耐性緑膿菌感染症9人(0.02)で前月と同率である。

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