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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2018年第38号

第20巻第38号[宮崎県第38週(9/17〜9/23)全国第37週(9/10〜9/16)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第38週の発生動向

全数報告の感染症(38週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核4例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:日本紅斑熱1例。
  • 5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、百日咳8例。

全数把握対象疾患累積報告数(2018年第1週〜38週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は715人(定点当たり23.5)で、前週比88%と減少した。なお、前週に比べ増加した疾患は流行性角結膜炎で、減少した主な疾患は水痘と流行性耳下腺炎である。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【感染性胃腸炎】
報告数は300人(8.6)で、前週比80%と減少したが、例年同時期の定点当たり平均値*(5.5)の約1.6倍である。日南(35.7)、日向(9.8)、小林(8.7)保健所からの報告が多く、年齢群別では1〜2歳が全体の約3割を占めている。

【RSウイルス感染症】
報告数は172人(4.9)で、前週比83%と減少したが、例年同時期の定点当たり平均値*(3.5)の約1.4倍である。日南 (10.7)、都城(7.3)保健所からの報告が多く、年齢群別では2歳以下が全体の約9割を占めている。


*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

報告なし。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成30年9月25日までに検出)

細菌

50歳代前半の男性の便からSalmonella Corvallis及びS. Oranienburgが分離され、血液からはS. Oranienburgのみが分離された。サルモネラ属菌は経口感染が一般的であるが、複数の血清型が分離された場合は、食品に複数の血清型のサルモネラ属菌が混在していたか、あるいはまな板が複数のサルモネラ属菌で汚染されていたことなどが考えられる。食中毒起因菌の経口感染を防ぐためには、調理の際に食品を十分に加熱することに加え、まな板を清潔に保つことも重要である。また、検査する際の注意点として、同一人物の検査材料で血清型が異なる場合や同定できない場合は可能な限り複数のコロニーを釣菌し、検証することが必要となる。

ウイルス

インフルエンザB型と診断された成人1名から、インフルエンザウイルスB(ビクトリア系統)が検出された。厚労省が指定する2018/2019シーズンは9月の第1週からであり、今シーズン、宮崎県では1例目となるインフルエンザウイルスの検出である。昨シーズンの主流は、インフルエンザウイルスB(山形系統)、AH3であり、当所においては、B(ビクトリア系統)は1例も検出されなかった。2018年9月25日現在、今シーズンの全国の状況をみると、AH3が1件、AH1pdm09が8件分離・検出されている。今後、インフルエンザの流行が予想されることから、今後の動向に注意する必要がある。

全国2018年第37週の発生動向

全数報告の感染症(全国第37週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比100%と横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患は流行性耳下腺炎と咽頭結膜熱で、減少した主な疾患はヘルパンギーナである。

RSウイルス感染症の報告数は7,712人(2.5)で前週比103%とほぼ横ばいであったが、例年同時期の定点当たり平均値*(1.4)の約1.8倍である。宮崎県(5.9)、山形県・徳島県・香川県(各5.6)からの報告が多く、年齢群別では2歳以下が全体の約9割を占めている。

感染性胃腸炎の報告数は11,473人(3.7)で前週比98%とほぼ横ばいであったが、例年同時期の定点当たり平均値*(3.2)の約1.1倍である。宮崎県(10.7)、 大分県(9.8)、鹿児島県(6.4)からの報告が多く、年齢群別では1〜2歳が全体の約3割を占めている。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15 週)の平均値

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